20 / 44
SSSランクへ
王女の護衛
しおりを挟む
リリスの案内でギルド長室に入る。
ギルド長は元SSランク。魔王ダンジョン討伐参加者の数少ない生還者の一人だ。その時に受けた傷が顔に残っており、いかつい顔が極悪な顔と変化したと聞いたが、これは・・・・・・元々極悪な顔していたのだろう、たぶん。ギルド長に椅子を進められ、腰を下ろす。横からリリスがお茶を出してくれる。
「よくきてくれたユリト君」
「はじめまして、Sランクのユリトです」
「ああ、活躍は聞いている。ギルド長のヒュドラだ。SSSランクのモンスターと同じ名前だよ」
飲んでいたお茶を吹き出しそうになる。
ギルド長は豪快に笑っている。ギャップある可愛い名前かなと勝手に予測していたが、予想の斜めいきやがった。極悪な顔でも名前負けしているとかありか・・・・・・ヒュドラ本でしか見たことないけど。
そしてここで主人公設定を取り戻すなら、王女の護衛かスタンピードだが呼ばれたのが俺だと考えると、王女の護衛か。
「王女の護衛ですか?」
「何言っているんだ?話題の冒険者である君を一目見ようと思っただけだよ」
(恥ずかしい!!そんなことよりもっと仕事あるだろ!!!)
そんなやり取りを見ていたリリスが口を挟む。
「ギルド長、何勝手なこと言っているのですか」
「リリス君すまない。当てられたことに悔しくてつい」
「ついじゃないです。真面目に仕事してください」
「そういうわけでユリト君、君の言う通り今回はギルドからの指名依頼で王女の護衛を頼みたい」
ニヤニヤしているギルド長に殺意を覚えるが、ここは我慢する。
してやられた悔しさは仮面で隠れている。最初からわかっていた風でいこう。
「詳細と報酬をお願いします」
「む、明後日に王族や貴族が集まる食事会が王城で開催されるのだが、その時に王女の護衛を頼みたい。報酬は一日で5000万エルだ」
「なんでその依頼が俺に来たのと、王女の護衛といっても5000万エルは高すぎやしないか?」
「冒険者のパーティーが食事会にいたらおかしいだろ?後、君が1人なら一番強いと読んでいる。そして報酬が高いのは闇ギルドが王女殺害を計画していることがわかっているためである」
なるほど。最近、転移者の数が減り始めたことに関係あるのかもしれない。受けようと考えている時に、メフィスとラファから念話が入る。
(ユリト様、食事が済みましたので先に宿屋に戻っています)
(私も戻りますね)
こ、こいつら・・・・・・。
メフィスとラファがこんな態度になったのは、30階層を攻略してからだ。『ガチャ』を数回した俺の強さは1対1ならメフィスやラファより強い。今左耳に付けているピアス『妖精のピアス』は、受けた魔法の属性になり、同じ属性の魔法耐性を得る。『光魔法』と『闇魔法』しか使えない2人と相性が良すぎる。ただ、あてつけにこんな態度をとっているわけではない。俺に追いつくために、隠れて訓練をしている。態度が不自然に変わりすぎて、後を付けた時に知った。
「それで依頼の件受けてくれるか?」
「ああ、俺にまかせてください」
「頼んだ。明後日の朝に王城にいってくれ」
-------------------------------------
王城の門の前についた。王城は冒険者ギルドよりそこまで離れてない所にある。メフィスとラファも一緒だ。
門番の兵士に依頼書を見せ少し待っていると、侍女の女性が現れ王城を案内される。
案内された部屋は、今まで見たこともない広く綺麗な部屋だった。手入れが行き届いていて、いかにも高価な家具が置いてある。
「こちらでお待ちください。王女様を呼びにいってまいります」
待たされて5分程度で、2人のドレスを着こなした気品ある女性が現れた。
「おまたせしました。私は『マノ王国』第一王女のマリアと言います」
「私は第二王女のアリスでございます」
1人だと思っていた俺は驚く。自分から王女の護衛か?とギルド長に聞いたのだから、人数の説明なんてするわけがない。次からテンプレ回収は二度としないことを固く決める。
「はじめまして、今回護衛をさせていただきます。ユリトと申します。冒険者上に礼儀や作法がおかしな所があるとは思いますが、宜しくお願い致します」
「今回は食事会ですので、気にしなくても大丈夫です。ただ、その仮面は少し目立ってしまいますね・・・・・・後派手な外套」
「間違いなく一番怪しい奴があなたになりますね。むしろ私達にまで顔を見せないのは失礼すぎません?」
「アリス、言い過ぎよ」
「それは失礼しました」
一瞬にして『釈迦の外套』と『漆黒の仮面』を『空間魔法:収納』に入れる。そして、『エルフの眼鏡』をかける。レンズ越しに種族に合った目の色に自動変換される。これは詩音から買ったものだ。魔眼持ちが多いエルフ族が、オッドアイを隠すために作成した眼鏡で、割と安易に手に入れることができる。
「あなた顔はましだったのね。服は仕方ないから後で貸すわ」
「だからアリス!「いたっ」」
第二王女の頭に第一王女の拳骨が落ちる。王女の役職がなければとても仲良し姉妹に見える。
「仲が良くてなによりです」
「お恥ずかしい所、申し訳ございません。服は執事にすぐ持ってこさせますので今回は宜しくお願いします。その後、会場に案内されますので、私達の護衛はそこからお願いします」
「かしこまりました」
俺は執事服に着替え、会場に案内される――
ギルド長は元SSランク。魔王ダンジョン討伐参加者の数少ない生還者の一人だ。その時に受けた傷が顔に残っており、いかつい顔が極悪な顔と変化したと聞いたが、これは・・・・・・元々極悪な顔していたのだろう、たぶん。ギルド長に椅子を進められ、腰を下ろす。横からリリスがお茶を出してくれる。
「よくきてくれたユリト君」
「はじめまして、Sランクのユリトです」
「ああ、活躍は聞いている。ギルド長のヒュドラだ。SSSランクのモンスターと同じ名前だよ」
飲んでいたお茶を吹き出しそうになる。
ギルド長は豪快に笑っている。ギャップある可愛い名前かなと勝手に予測していたが、予想の斜めいきやがった。極悪な顔でも名前負けしているとかありか・・・・・・ヒュドラ本でしか見たことないけど。
そしてここで主人公設定を取り戻すなら、王女の護衛かスタンピードだが呼ばれたのが俺だと考えると、王女の護衛か。
「王女の護衛ですか?」
「何言っているんだ?話題の冒険者である君を一目見ようと思っただけだよ」
(恥ずかしい!!そんなことよりもっと仕事あるだろ!!!)
そんなやり取りを見ていたリリスが口を挟む。
「ギルド長、何勝手なこと言っているのですか」
「リリス君すまない。当てられたことに悔しくてつい」
「ついじゃないです。真面目に仕事してください」
「そういうわけでユリト君、君の言う通り今回はギルドからの指名依頼で王女の護衛を頼みたい」
ニヤニヤしているギルド長に殺意を覚えるが、ここは我慢する。
してやられた悔しさは仮面で隠れている。最初からわかっていた風でいこう。
「詳細と報酬をお願いします」
「む、明後日に王族や貴族が集まる食事会が王城で開催されるのだが、その時に王女の護衛を頼みたい。報酬は一日で5000万エルだ」
「なんでその依頼が俺に来たのと、王女の護衛といっても5000万エルは高すぎやしないか?」
「冒険者のパーティーが食事会にいたらおかしいだろ?後、君が1人なら一番強いと読んでいる。そして報酬が高いのは闇ギルドが王女殺害を計画していることがわかっているためである」
なるほど。最近、転移者の数が減り始めたことに関係あるのかもしれない。受けようと考えている時に、メフィスとラファから念話が入る。
(ユリト様、食事が済みましたので先に宿屋に戻っています)
(私も戻りますね)
こ、こいつら・・・・・・。
メフィスとラファがこんな態度になったのは、30階層を攻略してからだ。『ガチャ』を数回した俺の強さは1対1ならメフィスやラファより強い。今左耳に付けているピアス『妖精のピアス』は、受けた魔法の属性になり、同じ属性の魔法耐性を得る。『光魔法』と『闇魔法』しか使えない2人と相性が良すぎる。ただ、あてつけにこんな態度をとっているわけではない。俺に追いつくために、隠れて訓練をしている。態度が不自然に変わりすぎて、後を付けた時に知った。
「それで依頼の件受けてくれるか?」
「ああ、俺にまかせてください」
「頼んだ。明後日の朝に王城にいってくれ」
-------------------------------------
王城の門の前についた。王城は冒険者ギルドよりそこまで離れてない所にある。メフィスとラファも一緒だ。
門番の兵士に依頼書を見せ少し待っていると、侍女の女性が現れ王城を案内される。
案内された部屋は、今まで見たこともない広く綺麗な部屋だった。手入れが行き届いていて、いかにも高価な家具が置いてある。
「こちらでお待ちください。王女様を呼びにいってまいります」
待たされて5分程度で、2人のドレスを着こなした気品ある女性が現れた。
「おまたせしました。私は『マノ王国』第一王女のマリアと言います」
「私は第二王女のアリスでございます」
1人だと思っていた俺は驚く。自分から王女の護衛か?とギルド長に聞いたのだから、人数の説明なんてするわけがない。次からテンプレ回収は二度としないことを固く決める。
「はじめまして、今回護衛をさせていただきます。ユリトと申します。冒険者上に礼儀や作法がおかしな所があるとは思いますが、宜しくお願い致します」
「今回は食事会ですので、気にしなくても大丈夫です。ただ、その仮面は少し目立ってしまいますね・・・・・・後派手な外套」
「間違いなく一番怪しい奴があなたになりますね。むしろ私達にまで顔を見せないのは失礼すぎません?」
「アリス、言い過ぎよ」
「それは失礼しました」
一瞬にして『釈迦の外套』と『漆黒の仮面』を『空間魔法:収納』に入れる。そして、『エルフの眼鏡』をかける。レンズ越しに種族に合った目の色に自動変換される。これは詩音から買ったものだ。魔眼持ちが多いエルフ族が、オッドアイを隠すために作成した眼鏡で、割と安易に手に入れることができる。
「あなた顔はましだったのね。服は仕方ないから後で貸すわ」
「だからアリス!「いたっ」」
第二王女の頭に第一王女の拳骨が落ちる。王女の役職がなければとても仲良し姉妹に見える。
「仲が良くてなによりです」
「お恥ずかしい所、申し訳ございません。服は執事にすぐ持ってこさせますので今回は宜しくお願いします。その後、会場に案内されますので、私達の護衛はそこからお願いします」
「かしこまりました」
俺は執事服に着替え、会場に案内される――
0
お気に入りに追加
158
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる