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出会い

1週間が過ぎました

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 転移してから1週間が過ぎた。
 最弱のダンジョン踏破後、ギルドで依頼を受ける予定だったが、安全な街と言うことで大した依頼はなかった。
 なので俺達は町にある図書館で情報収集しつつメフィスとラファから戦闘訓練を受ける。
 魔法は詠唱時間と魔法陣からの発動時間にロスタイムがあるため、主に近接戦闘の仕方をメインに教わる。

「はあはあ、お前ら強すぎなんだよ」
 
 俺は町の門を出て、少し歩いた平地でうつ伏せに倒れていた。
 鎌は二人とも扱えないということで、素手での戦闘を1週間続けている。
 
「メイドたるとも、ご主人様より強くなければなりません」
 
 そんなことないですよ。メフィスさん。
 
「メイドが世界最強でありたいと思います」
 
 メイドは戦闘職ではありません。ラファさん。
 
 忘れていたが、称号は新たに6つ入手している。ダンジョンクリアは予想通りだがそれ以上の取得だ。そして、この世界の住人に称号などは存在しない。称号が取得できるのは転移者のみという事だ。今までの一番などの文字を考えると当然だろう。
 今回入手した称号もすべての称号に最初や一番の文字が入っているがそこらへんは割愛する。
 まず1つ目『ダンジョンの恩恵』、スキル『罠解除』を取得。
 2つ目『ボーナスGET』、モンスター討伐時エルに補正がかかる。
 3つ目『モンスターキル』、『魔眼:千里眼』を取得。
 4つ目に『ボスモンスターキル』、モンスター討伐時のドロップ向上。
 5つ目に『ソロ確定』、スキル『危険感知』を取得。
 最後に『メイドの主人』状態異常を受け付けない肉体となる。
 これだけ見ると、チートでウハウハなのだがデメリットはあった。
 新たな魔眼のおかげで、右目の赤色だった部分にピンク色が外側を覆うように追加された。魔眼自体は少なからず確認されているため問題なかったが、重複は魔族のみとされている。このせいで俺は『漆黒の仮面』での生活を余儀なくされた。
 他に、称号の『ソロ確定』にあるように、パーティ時のデメリットの多さで組むことは絶対にないだろう。パーティを組むだけで生死に関わる・・・・・・
 最後に『メイドの主人』で、メフィスとラファが受けるダメージの半分が俺にくる。二人の盾としてやっていきたいが、今を考えるとただの足手まといにしかならないな。


 呼吸が整ってきたので、二人に告げる。
「情報もだいぶ集まったことだし、明日から王都に戻ろう。SSSランクになるためには王都にあるダンジョンの踏破が必要だしな」

 宿に戻った俺達は、王都に戻るための準備を始める。
 準備と言っても荷物はほとんどない。『はじまりの町』で購入したものは、日用品とメフィスに短剣、ラファに片手剣くらいだ。
 武器は安物で5万エルだった。俺は鎌があるため不要だ。二人にもっといい武器を進めたが、ここの武器屋ではどれを使っても、スキルに耐え切れず壊れるとのことだ。護身用にとのことで購入したが、基本は魔法を使うと言っていた。二人の場合、接近戦になっても素手でも十分戦えるだろう。
 装備については『空間魔法:収納』に入れている。
 戦闘中に装備の出し入れを『メニュー』で行うのは時間がかかるためである。メフィスとラファの二人も『収納』を扱える。二人のメイド服が常に綺麗なことに気付いて、聞いた時に教えてくれた。メイド服は日頃洗っていてストックは『収納』にいれているそうだ。同じメイド服が100着は入っているとのこと。メイドおそるべし。
 後、二人の『収納』にエルも大量に持っていることを期待したが、買い物などはメイド見習いがしていたため手持ちはないらしい。『ガチャ』の出番は当分こなさそうだ。
 エルについて言うと、円に置き換えて問題ない。1人で1か月20万エルあれば生きていける。最初に100万エルと考えると5か月分か・・・・・・盗賊に狙われるのもわかるな。特にユニークスキルが戦闘スキルではない転移者はカモだろう。
 他に日本との違いは成人が15歳からなど色々あったが、魔王討伐にはほとんど関係ないと思い、俺は気にしないことにしている。
 一番気になった稼ぎだが、Cランク冒険者パーティで一日一人平均1万エルだ。

(ガチャが遠すぎる!!!)


 そして三人は宿を出発し、王都に着く。
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