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03 破られた平和

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がここにあるのは分かってるんだ!さっさと寄こせ!」

姉たちが人質に取られた・・。
まさかこんなことになるとは・・。

「「きゃーーーー」」
店内はパニック状態。


***


少し前、俺は商品を倉庫から運び出していた。
今日も暑いな~って思いながら。

「あれ?」

いかつい感じの男性客?が店に入っていった。

男性・・珍しいな・・。

女性用にプレゼントとか、雑貨好きな男性もいる。
にしても似合わない・・。
と思っていたら
悲鳴が聞こえてきて・・。
姉たちが人質に取られていた。

「ポーション、寄こせ!もちろん無料でな!」

店内の客は上手く逃げてくれたようだ。
どうしよう・・。
両親は旅行中でいない・・。
知り合いの冒険者に助けを求めた方が・・・。
アイラ姉の喉元にナイフが突きつけられる。
間に合わない。

「商品を渡しますから、奥のお部屋へどうぞ。」
俺は冷静に言葉をかけた。
額から冷や汗が落ちる。
心臓がバクバク言っている。
俺は深呼吸をした。

「まさか・・だまさないだろうな。」
男は言うと、アイラ姉、ミーシャ姉を乱暴に突き飛ばす。

「こちらへどうぞ。」
俺は男を誘導する。
何とか離れの部屋に入れた。
ここまでくれば大丈夫。

「この回復ポーションでよろしいですね?」
棚に入っているガラス瓶の容器を渡した。
男はしばらく液体をじーっと見つめている。

俺は男の後ろへ回り、非常用で置いてあった袋を取った。
眠りの粉を男に振りかける。
ガタン・・!
倒れこむように眠りについた。

男は直ぐに町の警備兵に引き渡した。
「怖かったよ~~。」
「心配した~~。」
姉がぽこぽこと殴ってきた。
半泣きで怒ってるのやら、心配してるのやら忙しそうだ。

ここで回復ポーションを売ってたら、まだ変な奴が現れるかもしれない。
休業するか・・それとも・・。

「今まで聞かなかったけどオーシャンって何売ってるの?」
ミーシャ姉が聞いてくる。

「回復ポーションだよ。」

「そっか~。強盗が来るなんて・・もしかしてめっちゃ高価なもの?」

あ、ばれた?

「一びん金貨一枚・・。」

少し遠くで聞いていたアイラは口が塞がらなかった。

「高っつ!お給料1か月分じゃない?」

「ほら、命を救ってくれるものだから・・。」

「それにしても・・。」

姉たちは値段に不服のようだ。
色々と試してみたところ、町で売ってるのより品質が良いらしい。
なので、少し高くても値段相応なのだ。
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