36 / 59
お嬢様 罠を仕掛ける 8
しおりを挟む
(へへっ・・・今日はついてるな・・・)
今日もいつも通り2、3台の商業馬車から金と食料をたんまり奪っていた。
流石、セイント王国。
金はともかく食料には困らない。
この盗賊団も派手に暴れていた。
でも最近、派手に行動をし過ぎた為、騎士団に目をつけられていており、商人達も用心棒を雇う所も増えて行った為、盗賊達からしたらいい迷惑だ。
「すごいですね・・・。お頭、あれブライト商会の馬車ですよ。」
「ブライト商会と言えば、セイント王国一の商会ですよ。」
「お手柄だなぁ」
「どうも~。」
この盗賊達も、大きな商会を狙えず、用心棒などを雇えない馬車にしか襲えなかった。
でも、今日に限っては違った。
アジトに戻る途中、偶々手下の1人が通りすぎていく馬車を見かけた。
遠くて周りに誰もいなかったので、偵察がてら後を着いていったらから、近くの教会まで行っていた。
この教会は、ボロくて人もあまり入らない場所だと言う噂の場所なので、襲うにはちょうどいいと判断し、その足でお頭の所まで走っていった。
「で、まだその教会から馬車が動いていないんですよ。もしかしたら中でなにか秘密の取引とかしているんですかね?」
「それもありえるな・・・。よし、その教会で一仕事するぞ!」
「「オー!」」
******
(これだから、盗賊っていうのは辞められない・・・)
これは天が俺達に味方をしたみたいだ。
ブライト商会という素晴らしい獲物。
誰もいない教会。
そして新月であること。
もう、狙って下さいと言っているものだ。
(準備はバッチリだ・・。)
盗賊達10名ほど引き連れ、森の中で潜んでいる。
秘密の取引があると予想し、全員引き連れた。
「お頭。もう突入したほうがいいですかねぇ。」
「いや・・・まだだ、あせるな。」
同じ森の中に潜んでいる手下に声をかけた。
もう、襲いたいのは薄々感じている。
スッーーーー
ゆっくり左手を上げ、手下に教会へ近づくよう指示を送る。
手下達はなるべく音をたてず、徐々に教会へ近づいて行った。
(周りに用心棒、見張りはいない・・・)
「よし・・・。行くぞ!!」
掛け声と共に、教会へ向かって駆け出した。
教会の中にいるやつが今頃、気づいても、もう遅い。
あと少し・・・。
あと少しで扉まで到達する距離までいった。
もう、顔がにやけてしまう。
それは、盗賊団の頭だけではない。
皆が思っていることだ。
バンッーーー
「ご苦労様です。盗賊団達。」
突然、扉が開く前までは・・・
今日もいつも通り2、3台の商業馬車から金と食料をたんまり奪っていた。
流石、セイント王国。
金はともかく食料には困らない。
この盗賊団も派手に暴れていた。
でも最近、派手に行動をし過ぎた為、騎士団に目をつけられていており、商人達も用心棒を雇う所も増えて行った為、盗賊達からしたらいい迷惑だ。
「すごいですね・・・。お頭、あれブライト商会の馬車ですよ。」
「ブライト商会と言えば、セイント王国一の商会ですよ。」
「お手柄だなぁ」
「どうも~。」
この盗賊達も、大きな商会を狙えず、用心棒などを雇えない馬車にしか襲えなかった。
でも、今日に限っては違った。
アジトに戻る途中、偶々手下の1人が通りすぎていく馬車を見かけた。
遠くて周りに誰もいなかったので、偵察がてら後を着いていったらから、近くの教会まで行っていた。
この教会は、ボロくて人もあまり入らない場所だと言う噂の場所なので、襲うにはちょうどいいと判断し、その足でお頭の所まで走っていった。
「で、まだその教会から馬車が動いていないんですよ。もしかしたら中でなにか秘密の取引とかしているんですかね?」
「それもありえるな・・・。よし、その教会で一仕事するぞ!」
「「オー!」」
******
(これだから、盗賊っていうのは辞められない・・・)
これは天が俺達に味方をしたみたいだ。
ブライト商会という素晴らしい獲物。
誰もいない教会。
そして新月であること。
もう、狙って下さいと言っているものだ。
(準備はバッチリだ・・。)
盗賊達10名ほど引き連れ、森の中で潜んでいる。
秘密の取引があると予想し、全員引き連れた。
「お頭。もう突入したほうがいいですかねぇ。」
「いや・・・まだだ、あせるな。」
同じ森の中に潜んでいる手下に声をかけた。
もう、襲いたいのは薄々感じている。
スッーーーー
ゆっくり左手を上げ、手下に教会へ近づくよう指示を送る。
手下達はなるべく音をたてず、徐々に教会へ近づいて行った。
(周りに用心棒、見張りはいない・・・)
「よし・・・。行くぞ!!」
掛け声と共に、教会へ向かって駆け出した。
教会の中にいるやつが今頃、気づいても、もう遅い。
あと少し・・・。
あと少しで扉まで到達する距離までいった。
もう、顔がにやけてしまう。
それは、盗賊団の頭だけではない。
皆が思っていることだ。
バンッーーー
「ご苦労様です。盗賊団達。」
突然、扉が開く前までは・・・
0
お気に入りに追加
2,304
あなたにおすすめの小説
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。
夢草 蝶
恋愛
侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。
そのため、当然婚約者もいない。
なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。
差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。
すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる