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お嬢様 愚痴を聞く 1
しおりを挟むダンッ!!!ーーー
「あーもー!何なんだあの夢見女は!」
ここは王都にあるヴィクトリア領が所有する商会。
王都の商会地区にある極々普通の建物である。
売っているものはヴィクトリア領で生産されている雑談用品がメイン。
陶器や木製食器などの物や石鹸や香水を陳列している。
後、こっそりとアメリアが開発した消臭の香水の売っているが、これは余り売れ行きが良くない。
その理由はセイント王国の人達は香りが強い香水が好みみたいだ。
値段的にも庶民達が普通に買える金額にしてある。
建物も高級風にはしていないので貴族の方々などこの店には来たことがない。
で、今いる場所はその商会二階。
一階はお店になっていて、二階はアメリア達の部屋となっている。
まぁ、二階と言っても極一部の人達しか知らない、いわば隠し部屋と言うものだ。
ヴィクトリア兄妹はその隠し部屋で現在、話し合いをしていた。
していたはずなのに・・・
「なんでこっちが夢見女の尻ぬぐいをしなければならない!」
さっきからイーゼスの愚痴が止まらない。
よほど学園生活での余程、鬱憤が溜まっているようだ。
因みに夢見女とは、もちろんヒロイン=マリアのこと。
アメリアも時々、遠目からヒロイン達を見たことはあるが、かなり酷かった。
攻略対象であるイーゼスは、もっと酷い目に合っているのだろう。
同情だけはする。
「お兄様。あの子は何をやらかしたのですか?」
アメリアはイーゼスにそっと尋ねた。
「・・・人間関係と経済関係、先にどちらが聞きたいか?」
(どれだけ掻き回しているの、あの夢見女マリアは?)
「さ・・・先に経済関係を・・・」
今度、兄に胃薬でもあげようかな?
アメリアはそう心に誓った。
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