お嬢様は軍師様!

葉月 飛鳥

文字の大きさ
上 下
16 / 59

お嬢様 逃げる 1

しおりを挟む
オーガスタ殿下のお披露目当日ーーー

アメリアは当日まで、雨乞いやらテルテル坊主を逆さまに吊し上げたりしていたが、そんな願いが届くはずもなく、憎たらしい位に素晴らしい晴天になった。

(ついに・・・ついにこの日が来てしまった)

今日のお披露目は、セイント王国にある王家所有の別荘であり、広い庭で行うみたいだ。
流石、殿下のお披露目ということもあり、辺りには人が多く、ほとんどが女性で広い庭にも関わらず中心に集まっている。
集まっている理由は、我先にとオーガスタ殿下に自慢の娘を紹介したいのであろう。
さっきから小競合いが始まっている。

「あら、プラン夫人。そのドレス、前の流行でしたよね?」
「まぁ、リリーフ夫人。そのデザイン、ちょっと合わなくてよ。」
「ミム夫人。先の戦いで一般兵士に、コペンハーゲン様が大怪我をしたと聞いたのですが大丈夫でしょうか?」

もちろんアメリア達は、その中心に・・・ではなく端っこで料理をつまんでました。

(すみません、あの空気に入れません!!)

おほほ、うふふと笑顔でいるつもりもないし、なりより子供二人で中心にいるのは無理。
場所争いで直ぐに追い出されるのが落ちだと判断し、戦線離脱を致しました。
うん、我ながらいい判断だ。

「お兄様。流石、王家主催のお披露目ですわね。お料理がとても素晴らしいですわ。」
「そうだね、アメリア。美味しすぎて食べ過ぎないようにね。」
「あらやだ。そんなこと致しませんよ。」

隣にいるイーゼスと料理を舌づつみしつつ、周りからは仲のいい兄妹で話をしている風に見えると思うが実際の会話を訳すと・・・

(兄よ。今日はご飯食べて終わりますからね。)
(諦めろ、アメリア。俺と一緒に巻き込んでやる。)
(絶対にいや。)

喧嘩をしていました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】婚約者が好きなのです

maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。 でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。 冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。 彼の幼馴染だ。 そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。 私はどうすればいいのだろうか。 全34話(番外編含む) ※他サイトにも投稿しております ※1話〜4話までは文字数多めです

婚約者の姉に階段から突き落とされました。婚約破棄させていただきます。

十条沙良
恋愛
聖女の私を嫌いな婚約者の姉に階段から突き落とされました。それでも姉をかばうの?

司書ですが、何か?

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 16歳の小さな司書ヴィルマが、王侯貴族が通う王立魔導学院付属図書館で仲間と一緒に仕事を頑張るお話です。  ほのぼの日常系と思わせつつ、ちょこちょこドラマティックなことも起こります。ロマンスはふんわり。

殿下に婚約破棄されたわたくしに、新しい婚約者を教育してほしい? 良いですよ、全く頑張りませんけれど

kieiku
恋愛
つまり月給制で、アンジュ様が嫌だと言ったらその日はそれで終了。そういうことですよね。楽な仕事だわぁ。

行き場を失った恋の終わらせ方

当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」  自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。  避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。    しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……  恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。 ※他のサイトにも重複投稿しています。

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

新しい人生を貴方と

緑谷めい
恋愛
 私は公爵家令嬢ジェンマ・アマート。17歳。  突然、マリウス王太子殿下との婚約が白紙になった。あちらから婚約解消の申し入れをされたのだ。理由は王太子殿下にリリアという想い人ができたこと。  2ヵ月後、父は私に縁談を持って来た。お相手は有能なイケメン財務大臣コルトー侯爵。ただし、私より13歳年上で婚姻歴があり8歳の息子もいるという。 * 主人公は寛容です。王太子殿下に仕返しを考えたりはしません。

アリシアの恋は終わったのです。

ことりちゃん
恋愛
昼休みの廊下で、アリシアはずっとずっと大好きだったマークから、いきなり頬を引っ叩かれた。 その瞬間、アリシアの恋は終わりを迎えた。 そこから長年の虚しい片想いに別れを告げ、新しい道へと歩き出すアリシア。 反対に、後になってアリシアの想いに触れ、遅すぎる行動に出るマーク。 案外吹っ切れて楽しく過ごす女子と、どうしようもなく後悔する残念な男子のお話です。 ーーーーー 12話で完結します。 よろしくお願いします(´∀`)

処理中です...