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ガブリエルとの面会が終わると、私がこれから使う部屋に案内された。


「ガブリエルは貴女に免じて、監獄から貴族用の部屋に移して面倒を見る者もつけましょう。」


「本当に?本当ですか 、エルハルト様」


「ええ。貴女の涙に私は弱いみたいだ。」



良かった。

ガブリエルがあんな目にあっているのに、私がこんないいところで暮らすだなんてとても耐えられないもの。





「だけど、その代わり……分かっていますよね?」


「え?」

「ガブリエルを解放する代わりに、貴方は僕のものになると約束してください。」




ああ、そうね。そういうことなの。



「そんな顔をしないで。

ちなみに王に願い出ても無駄ですよ。父は私よりも信仰心が厚いから、聖女を利用した悪女ガブリエルを魔女として火あぶりの刑にする気ですから。」



「そんなっ」



「ガブリエルがいた監獄は、城の中でも極刑の者が入れられるところです。

信じられないなら他のものにも聞いてみるといい。」



そう言って微笑みながら私の頬に触れるこの銀髪の王子こそまさに悪魔だわ。





「私もこんなことはしたくないのです。貴女が僕を拒むから、こうして脅すしかないのですよ。」



奪われた唇は震えていて、惨めで、この世の全てに私は絶望した。



頭の中で、可愛い妹が火の中にいる光景が浮かんで恐ろしくて、指先も動かせずに王太子に唇を弄ばれた。
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