28 / 33
2章・地位確立
俺は媚を売っただけなのに
しおりを挟む
バーウィンに媚を売ることを決めたものの、何をすればいいのかが全く分からない。
うーむ、本当に何をすればいいのか。
うん、仕方がない。本人に直接聞こう。
回りくどいことはめんどくさいからね、直球で聞くよ。
「バーウィン、俺にして欲しいことある?」
「、、、は??」
兄弟たちとは別れ、今はバーウィンを出迎えるために着替えている途中である。
本来王族ならば、部屋でどっしりと構えているだけで良いのだが、俺が「迎えに行く」と言うと、バーウィンから「俺も行く」と言われた。
王族に出迎えをさせるとハーウェザーに嫌味がいきそうで嫌なんだけどなぁ。
俺は聞きたいことはさっさと聞いてしまえの精神で、バーウィンに早速俺がやって欲しいことについて聞いた。
「じゃ、じゃあ、俺の婚約者になって欲しい!!」
「それは却下で。」
「なんでだよ?!俺の婚約者になってくれよ!」
うわぁ、なんか必死なんですけど。
もちろんハーウェザーのためなら身体ぐらいなら、条件付きなら売っても良いけど、王族の婚約者は流石にめんどくさい。
てか、バーウィンは俺を婚約者にしたがるね。これは先んじて条件提示をしておくべきかな。
「俺をバーウィンの婚約者にしたいなら、俺を惚れさせてからにして。俺は恋愛結婚したいの。分かった?」
「わ、分かった。絶対に惚れさす。」
結構な自信だな。
俺は甘いフェイスだけで惚れるような尻軽じゃないぞ。
「で?婚約者以外に俺にして欲しいことは?」
「そうだなぁ、じゃあ、毎日俺にハグをしてくれよ。」
なぁに言ってるんだ?
、、、反射的に否定するのは良くないな。
これは温もり目的では?
幼い頃に母を失い、十分な親からの愛情に飢えている彼からのSOSなのでは?
それならば、話は変わってくる。
まあ、飢えているのは彼が人から距離を置きたがったからなのだが。
俺は、そう言う切に願う系のSOSはしっかりとキャッチする派だよ。
「分かりました。その願い、引き受けさせていただきます。」
「ああ、私もその返事が聞けて嬉しい。」
今はハーウェザーを迎えるために部屋を出ている。喋りがカチカチになったのは気にしないでね。
「それにしても、私の弟の出迎えにバーウィン様のお手を煩わせてしまい申し訳ありません。やはり、部屋で待ってた方がよろしいのではないでしょうか?」
一応最後の賭けとして、お前がいるとハーウェザーが迷惑被るんじゃと伝えてみる。
さあ、俺の嫌味攻撃は通じるのか?
「気にしなくても良い。私もリューの弟がどのような人物か気になるからな。」
オーマイガー。
俺の嫌味攻撃は全く効いてないようだ。毛ほども効いてないね。
流石王族。嫌味攻撃への耐性が強い。
王門についてしまった。
それにしても、こういうひらけた場所に来ると、いつもは見えないバーウィンについている使用人とか護衛がしっかりと見えていいね。
バーウィンは使用人や護衛を部屋の中に入れていないけど、彼らを付けないと言うと選択肢は王族を守るって意味でも、見栄って意味でも絶対にない。
だから、護衛は壁や扉を一つ挟んだ向こう側に、使用人は部屋の中までは入らないけど、ある程度の準備をする。
で、今までは彼らが準備したものをバーウィン自身が受け取ってだけど、今は俺がいるから、仲介役よろしく、俺にその仕事が回ってきてる。
普通にめんどくさいよね。
でも、使用人とか護衛の人が普通にいい人なんだよね。異常に人を寄せ付けないバーウィンのことも理解しつつ心配しているし。
なにより!!、今まで顔も名前も知られていなかった俺がきても、最初は怪しんでたけど少ししたらいい感じに接してくれるし。
そんなこんなしてたら、豪華な馬車が城門をくぐり、城内に入ってきた。この豪華が指す意味は、煌びやかって意味ね。
権力や財力を示すように、無駄に宝石が馬車につけられている。その宝石とってもいいのかな?
あと、家紋がついている。あの家紋ってどこのだろう?
「あの、バーウィン様、あの馬車の家紋ってどこの家紋ですか?」
「、、え?は?えっと、ブランド家だけど、知らないの?」
分からないことを聞いただけなのに、かなり驚かれたと思ったら、俺の家の家紋だったらしい。それに、ナチュラルに煽られたし。
しかし、まあ、自分でもびっくしたね。
己の家紋を知らなかったなんて、結構生き恥じゃない?
いや、でも、よく考えれば、自分の家の家紋と触れ合える時間に値する馬車に乗るとかは、俺はしてこなかったからなぁ。
してこなかったって言うか、やらせてもらえなかったって言うか。
己の家紋について考えていると、馬車の中から待望の人物が出てきた。
そう!、ハーウェザーだよ!!
嬉しいね!!
てか、一緒にいる護衛が近衛なんだけど?なぜ?
バーウィンの機嫌が悪くなるからやめて欲しいんだけど。
ハーウェザーは、バーウィンの横にいる俺に驚いたようだ。まあ、そうだよね。
でも、同時に嬉しそうな顔をしてくれたことに兄の俺は猛烈に感動しているよ!!
「ハーウェザー=ブランドでございます。本日からよろしくお願いします。」
「ああ、よろしく頼む。私はバーウィン=ドル=ガレット。私のことはバーウィンと呼んでもらって構わない。」
「かしこまりました、バーウィン様。では、私のことはハーウェザーとお呼び下さい。」
す、すごいよ。
あの超絶可愛いハーウェザーが超絶カッコよくなって再登場だよ。
初めて会った時は幼さ全開だった顔つきもキリッとしたイケメンになってしまって。それに、身長もデカくなっちゃって。俺より既に大きいしね。
そのイケメン成分のほんの少しでも、俺に欲しかったのですが?
それに、礼儀作法もしっかりとしていて、俺は感無量で泣きそうだ。子どもの成長とはこうも早いものなんだね。
てか、泣いている。そのせいで、周りにいる使用人に変な目で見られている。ついでに、護衛の近衛にも。
しょうがないじゃないか!可愛い弟が大変身して再び俺の前に現れたんだよ!!
いや、こんなんじゃダメだ。こんないい男になってしまったハーウェザーに変な虫がつかないようにしないと。
俺、害虫駆除に勤しみます!!
うーむ、本当に何をすればいいのか。
うん、仕方がない。本人に直接聞こう。
回りくどいことはめんどくさいからね、直球で聞くよ。
「バーウィン、俺にして欲しいことある?」
「、、、は??」
兄弟たちとは別れ、今はバーウィンを出迎えるために着替えている途中である。
本来王族ならば、部屋でどっしりと構えているだけで良いのだが、俺が「迎えに行く」と言うと、バーウィンから「俺も行く」と言われた。
王族に出迎えをさせるとハーウェザーに嫌味がいきそうで嫌なんだけどなぁ。
俺は聞きたいことはさっさと聞いてしまえの精神で、バーウィンに早速俺がやって欲しいことについて聞いた。
「じゃ、じゃあ、俺の婚約者になって欲しい!!」
「それは却下で。」
「なんでだよ?!俺の婚約者になってくれよ!」
うわぁ、なんか必死なんですけど。
もちろんハーウェザーのためなら身体ぐらいなら、条件付きなら売っても良いけど、王族の婚約者は流石にめんどくさい。
てか、バーウィンは俺を婚約者にしたがるね。これは先んじて条件提示をしておくべきかな。
「俺をバーウィンの婚約者にしたいなら、俺を惚れさせてからにして。俺は恋愛結婚したいの。分かった?」
「わ、分かった。絶対に惚れさす。」
結構な自信だな。
俺は甘いフェイスだけで惚れるような尻軽じゃないぞ。
「で?婚約者以外に俺にして欲しいことは?」
「そうだなぁ、じゃあ、毎日俺にハグをしてくれよ。」
なぁに言ってるんだ?
、、、反射的に否定するのは良くないな。
これは温もり目的では?
幼い頃に母を失い、十分な親からの愛情に飢えている彼からのSOSなのでは?
それならば、話は変わってくる。
まあ、飢えているのは彼が人から距離を置きたがったからなのだが。
俺は、そう言う切に願う系のSOSはしっかりとキャッチする派だよ。
「分かりました。その願い、引き受けさせていただきます。」
「ああ、私もその返事が聞けて嬉しい。」
今はハーウェザーを迎えるために部屋を出ている。喋りがカチカチになったのは気にしないでね。
「それにしても、私の弟の出迎えにバーウィン様のお手を煩わせてしまい申し訳ありません。やはり、部屋で待ってた方がよろしいのではないでしょうか?」
一応最後の賭けとして、お前がいるとハーウェザーが迷惑被るんじゃと伝えてみる。
さあ、俺の嫌味攻撃は通じるのか?
「気にしなくても良い。私もリューの弟がどのような人物か気になるからな。」
オーマイガー。
俺の嫌味攻撃は全く効いてないようだ。毛ほども効いてないね。
流石王族。嫌味攻撃への耐性が強い。
王門についてしまった。
それにしても、こういうひらけた場所に来ると、いつもは見えないバーウィンについている使用人とか護衛がしっかりと見えていいね。
バーウィンは使用人や護衛を部屋の中に入れていないけど、彼らを付けないと言うと選択肢は王族を守るって意味でも、見栄って意味でも絶対にない。
だから、護衛は壁や扉を一つ挟んだ向こう側に、使用人は部屋の中までは入らないけど、ある程度の準備をする。
で、今までは彼らが準備したものをバーウィン自身が受け取ってだけど、今は俺がいるから、仲介役よろしく、俺にその仕事が回ってきてる。
普通にめんどくさいよね。
でも、使用人とか護衛の人が普通にいい人なんだよね。異常に人を寄せ付けないバーウィンのことも理解しつつ心配しているし。
なにより!!、今まで顔も名前も知られていなかった俺がきても、最初は怪しんでたけど少ししたらいい感じに接してくれるし。
そんなこんなしてたら、豪華な馬車が城門をくぐり、城内に入ってきた。この豪華が指す意味は、煌びやかって意味ね。
権力や財力を示すように、無駄に宝石が馬車につけられている。その宝石とってもいいのかな?
あと、家紋がついている。あの家紋ってどこのだろう?
「あの、バーウィン様、あの馬車の家紋ってどこの家紋ですか?」
「、、え?は?えっと、ブランド家だけど、知らないの?」
分からないことを聞いただけなのに、かなり驚かれたと思ったら、俺の家の家紋だったらしい。それに、ナチュラルに煽られたし。
しかし、まあ、自分でもびっくしたね。
己の家紋を知らなかったなんて、結構生き恥じゃない?
いや、でも、よく考えれば、自分の家の家紋と触れ合える時間に値する馬車に乗るとかは、俺はしてこなかったからなぁ。
してこなかったって言うか、やらせてもらえなかったって言うか。
己の家紋について考えていると、馬車の中から待望の人物が出てきた。
そう!、ハーウェザーだよ!!
嬉しいね!!
てか、一緒にいる護衛が近衛なんだけど?なぜ?
バーウィンの機嫌が悪くなるからやめて欲しいんだけど。
ハーウェザーは、バーウィンの横にいる俺に驚いたようだ。まあ、そうだよね。
でも、同時に嬉しそうな顔をしてくれたことに兄の俺は猛烈に感動しているよ!!
「ハーウェザー=ブランドでございます。本日からよろしくお願いします。」
「ああ、よろしく頼む。私はバーウィン=ドル=ガレット。私のことはバーウィンと呼んでもらって構わない。」
「かしこまりました、バーウィン様。では、私のことはハーウェザーとお呼び下さい。」
す、すごいよ。
あの超絶可愛いハーウェザーが超絶カッコよくなって再登場だよ。
初めて会った時は幼さ全開だった顔つきもキリッとしたイケメンになってしまって。それに、身長もデカくなっちゃって。俺より既に大きいしね。
そのイケメン成分のほんの少しでも、俺に欲しかったのですが?
それに、礼儀作法もしっかりとしていて、俺は感無量で泣きそうだ。子どもの成長とはこうも早いものなんだね。
てか、泣いている。そのせいで、周りにいる使用人に変な目で見られている。ついでに、護衛の近衛にも。
しょうがないじゃないか!可愛い弟が大変身して再び俺の前に現れたんだよ!!
いや、こんなんじゃダメだ。こんないい男になってしまったハーウェザーに変な虫がつかないようにしないと。
俺、害虫駆除に勤しみます!!
22
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
悪役に転生させられたのでバットエンドだけは避けたい!!
あらかると
BL
主人公・日高 春樹は好きな乙女ゲーのコンセプトカフェの帰りにゲーム内のキャラに襲われ、少女によってトラックへと投げ込まれる――――という異常事態に巻き込まれ、挙句の果てに少女に「アルカ・スパイトフルとして生きて下さい」と。ゲームに似ている世界へと転生させられる。
ちょっと待って、その名前悪役キャラで最後死ぬキャラじゃないですか!!??それになぜ俺がそんな理不尽な目に合わないといけないんだ・・・!!ええっ!
あっ!推しが可愛いーーーー!!と、理不尽に心の中で愚痴りながらも必死に、のんびりと気軽に過ごすストーリ(になるはず)です。
多分左右固定
主人公の推し(アフェク)×主人公(春樹)
その他cpは未定の部分がありますが少し匂わせで悪役であったアルカ(受)あるかと思います。
作者が雑食の為、地雷原が分かっていない事が多いです。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼第2章2025年1月18日より投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
【完結】ただの狼です?神の使いです??
野々宮なつの
BL
気が付いたら高い山の上にいた白狼のディン。気ままに狼暮らしを満喫かと思いきや、どうやら白い生き物は神の使いらしい?
司祭×白狼(人間の姿になります)
神の使いなんて壮大な話と思いきや、好きな人を救いに来ただけのお話です。
全15話+おまけ+番外編
!地震と津波表現がさらっとですがあります。ご注意ください!
番外編更新中です。土日に更新します。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
ツンデレ貴族さま、俺はただの平民です。
夜のトラフグ
BL
シエル・クラウザーはとある事情から、大貴族の主催するパーティーに出席していた。とはいえ歴史ある貴族や有名な豪商ばかりのパーティーは、ただの平民にすぎないシエルにとって居心地が悪い。
しかしそんなとき、ふいに視界に見覚えのある顔が見えた。
(……あれは……アステオ公子?)
シエルが通う学園の、鼻持ちならないクラスメイト。普段はシエルが学園で数少ない平民であることを馬鹿にしてくるやつだが、何だか今日は様子がおかしい。
(………具合が、悪いのか?)
見かねて手を貸したシエル。すると翌日から、その大貴族がなにかと付きまとってくるようになってーー。
魔法の得意な平民×ツンデレ貴族
※同名義でムーンライトノベルズ様でも後追い更新をしています。
モラトリアムは物書きライフを満喫します。
星坂 蓮夜
BL
本来のゲームでは冒頭で死亡する予定の大賢者✕元39歳コンビニアルバイトの美少年悪役令息
就職に失敗。
アルバイトしながら文字書きしていたら、気づいたら39歳だった。
自他共に認めるデブのキモオタ男の俺が目を覚ますと、鏡には美少年が映っていた。
あ、そういやトラックに跳ねられた気がする。
30年前のドット絵ゲームの固有グラなしのモブ敵、悪役貴族の息子ヴァニタス・アッシュフィールドに転生した俺。
しかし……待てよ。
悪役令息ということは、倒されるまでのモラトリアムの間は貧困とか経済的な問題とか考えずに思う存分文字書きライフを送れるのでは!?
☆
※この作品は一度中断・削除した作品ですが、再投稿して再び連載を開始します。
※この作品は小説家になろう、エブリスタ、Fujossyでも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる