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1章・幼少期

実力向上

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前世の記憶があると、かなり容易に勉強ができた。苦痛であったのは、幼児は暇で暇で仕方なく、しかし力はなく1人で本を見ることも出来ない。それに、使用人からの虐待を乗り切るのが、これまた大変なんだわ。抵抗できな状態がされるがまま。あと、誤算なのが、虐待されてもケロッとしてると内容がエスカレートすることだね。ふざけんなよー!!って言葉で言い表せないぐらいのイライラが募ったわ。

まあ、見てるがいいわ。ある程度したら、全員辞めさせてやる。復讐はするかもしれないし、しないかもしれない。その時の俺に任せる!!

そして、最近は言葉も話せるようになったよ。

「ははふーー!!」

なんて言ったか分かったかな?ふざけんなよー!!って言った。最近、使用人の行動に対してこの言葉があふれそうになって、気づいたら発してたね。俺的にも、初めて喋った言葉が「ふざけんなよー!!」なのは嫌だね。

本を読めるようになったのは、文字をマスターした1歳頃であった。情報収集を生業にすると言っても、一般常識や本で入手出来る情報を蔑ろには出来ない。蔑ろどころか、前提の知識がなければ情報収集もままならない。
幸いに、領地の屋敷には体育館に匹敵するほどの図書館?、図書館?があった。この公爵家は、かなり歴史があり、建国以前の本もあった。

俺が本を読んでいるときは、使用人は何もしてこない。なんでかなと思って、聞き耳を立てていたら、公爵家の財産である本を傷つけたくないかららしい。

いや、俺の価値は本以下かって!!

俺はまず屋敷にある本の全制覇を目標にした。そして、それは2年の月日をかけてまた達成できなかった。
俺は早々に、無謀な目標を諦めることにした。

大体、図書室の三分の一ぐらいを読み終えたら、本の俺の左手の甲に、いかにも魔導書!!が中心に描かれた魔法陣が浮かび上がった。
それと同時に『お前を認めよう』っていう、透明感ある声が聞こえた。
やべ、俺こんなにたくさん本読んだことないから、おかしくなっちゃったかも。早く寝た方がいいね。

いやー、読み終わった時の達成感と言えば、なんというか、んー、感無量!!だったね。ってことで、俺の年齢は現在6歳だね。

そうそう、この蔵書の中には魔法の本もあって、魔法の習得もやったよ。この世界の基準では、魔法は使うためには相性があって、その人にあった魔法でなければ使えない。いわゆる、特性?みたいなものかな。ちなみに俺は、全て使えたよ。火、水、風、雷、木、土、空間、光、闇、聖、無属性が使えた。火、水、雷、木は、結構標準的な属性で、それ以外は十万人に1人いれば良いってぐらいの確率みたい。

いやー、びっくりだよね。その十万人の1人に選ばれまくってる俺って、結構運いい方だよね。前世では、基本運は最低をキープし続けてたから、いいバランス調整かもね。

魔力は、使えば使うほど体に貯められる含有量が増えるみたいだから、魔力操作を練習しながら、毎日魔力を使い切るようにしている。十分な睡眠をとると魔力が全快するから、一日一回が限度なんだけどね。使い切らなくても、魔力は増えるんだけど、使い切った方が体が慌てて魔力を作って、含有量を決めている器官がより大きくなるみたい。本の知識だから、よくわからないけど。

俺は、この6歳の時点で、本に載っていた魔法は全部覚えた。魔法を覚えるために見た本の名前が魔法大全だったから、まあ大体の魔法は網羅できていると思いたい。

魔法の使い方は、圧倒的なイメージ力とそのイメージを実現するために魔力を正確に、緻密に流すことだった。それが上手くできない場合は、詠唱をすることで魔法の発動ができる。

でも、詠唱なんて時間の無駄だし、対人戦では今からこの魔法使いますよーって宣言しているようなものだもんね。
カッコつけに、一言言ってから発動とかならいいかもしれないけど、俺は圧倒的無詠唱派だね。

ちなみに、無詠唱派は結構少ないみたい。本知識だし、最新の情報ではないからね。

そんなこんなしつつ、5年が経った。と、一気に時間を飛ばしてもいいが、この5年間で大きな、そう大きな出来事があった。

それは、弟ができたことだ。まあ、できたというより、いたに近いかもしれないが。
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