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3章

活動停止

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 空中に浮かぶ半透明な板には、続々と各ステータスアップが表示されたよ。
 最後に。
 
走馬灯そうまとうスキル 獲得


 とあった。 
 なにそれ。人間が死ぬ間際に見えるアレ?


 走馬灯スキル  自動スタート


 始まったスキルは予想通り、
 俺の生まれた洞窟での戦い、
 キキン国で店主に魚屋技術を教えたこと、
 分裂してSSたちを増やしたこと、
 サキュバットを倒したこと、
 キキン国のグルメグランプリで優勝したこと
 アンフィニ大司教さん率いる奴隷たちを開放したこと、
 燃え盛るロダン家からアハートさんを助け出したこと、
 ヒトミさん、コウくん、ロアロク国の3姉妹、アシダダム、ビンソン、
 今までの出来事が3秒に凝縮されて見せてくれたよ。

 気がつけば、俺自身のまん丸い目に、涙みたいなしずくが浮かんでいた。
 だけど、部屋の熱で直ぐに蒸発したね。

 俺の視界から光が消え、音や全ての感覚が無くなった。
 闇。真っ暗だ。
 まるで死後の世界。

 終わり。

「終わりってことか……」 

 ぼやっと遠くに小さく白い文字だけが浮かんだ。



 走馬灯スキル 

 ラストオプション開始 ( YES \ NO )



 よく分からない。
 詳しい説明もないし。
 まあ、いいか。どうせ死んでるわけだし。

 
 YES ← ポチッ


 押すと意識したら、カーソルが動きクリック。
 闇に6つの数字が出現した。
 それが回転し始め、ドラムロールまで鳴り出した。
 たっぷり10秒回転したあと、左端から順番に数字が、ガチッガチッと鈍い音で停止してゆく。

「へ~、最後に、くじ引きをするオプションか」

 最初『7』で停止した数字が連続で77と揃い、隣も『7』で止まり、その隣も。

 7777

「マジですか! 
 まあ最後くらいは気持ちよく6つの数字が揃ったゾロ目が良いよね」
 なんて、思っていると、ヒトミさんの言葉が聞こえたね。

 巨大隕石が激突して世界が滅びても、ヒジカタさんだけは無傷で生きてる――、
 それくらいの幸運に恵まれていますからっ!

「だと、良いんだけどね~」

   ・
   ・
   ・
   ・ 


 ガチッと鈍い音がして、6つの数字全てが停止した。
 文字が白からゴールドに変化しファンファーレが鳴り響く。

「おおお! 777777だよ!」

 ツイてる、ツイてる、死んでからもツイてるよ俺。
 さて、どうなるんだろ。
 スロットマシーンだったらメダルがざくざく出てくるんだけど。

 やがて、白いテロップが闇に浮かび、女性の声が聞こえてきたよ。


 10万分の1の確率『777777』
 大当たり、おめでとうございます!!


「はい。ありがとう」


 ビッグボーナス開始・拒否
 
 ご希望を選択してください

 ( YES \ NO )
 

「はいはい。そりゃもちろん…………、……、
 いや、待てよ、そもそも、今の俺の状態ってなんなの?」



 活動停止状態

 実体無



「ああー。いわゆる幽体離脱みたいなもんだ。
 身体は無くて、意識だけが存在して、まあ死んでんだね。
 俺は死後の世界にいるわけだ。
 分かった。
 遊ばせてもらうよ。
 NOを選んだら、闇の中でじっとしているだけだろうし、せっかくだから遊ぼう」

 
 YES ← ポチッ



 確認しました
 
 ビッグボーナス・ゲーム開始します




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