９,ｓ ｓtarge

-first starge-

『愚者の館』－すべてはここから始まる、壮大なミステリーゲームの開演－

「No,ゼロ」とは何者か？

ミステリーイベントに招待された
動画配信者の神田カケルは、ふとその様な事が
頭に思い込んだが、
その後すぐに報酬の使い道を考えていた。


そう、何にせよ、このイベントは
動画配信者たちが各ステージをクリアしながら
『ジョーカー』なるものを探し出すことで、
最後に莫大な報酬が手に入るらしい。
もし仮に報酬が手に入らずとも、
動画のネタや企画となるので
彼らにとっては願ったり叶ったりなのである。




ファーストステージの相手は
相手はロケベンだ。
彼は日本各地の弁当を巡り
実況する動画配信者である。
髪型や髪の色も、銀髪と黒色のツートンのカケルに比べて
まるでちらし寿司の様なカラフルな髪色と髪型である。


察するに報酬は、これまでの経験を活かして
オリジナル弁当のプロデュース資金にしようという魂胆なのだろうか。




二人はまるで卵の中にいるような、
真っ白な壁と地面で囲まれた部屋に連れて来られていた。
シンプルな部屋の内装の中に
台が二つ並んで白と黒の丸い塊の様な物が並んである。


ー突如アナウンスが流れるー

ービーっビーッ！－


”諸君らにはそれぞれニワトリの卵だと思うものをひとつずつ選んでほしい、

ただし、選ぶ順番はじゃんけんで決める、それではよーいスタート！”




「じゃんけんて、ほぼ一瞬じゃん。」
ロケベンはため息混じりにそうつぶやいた、何せ彼はじゃんけんが苦手なのだ。
それに対して、クールで頭がキレることで有名な若手のトップ動画配信クリエイターである
カケルはポーカーフェイスで顔色一つ変えずたたずんでいた。



「「じゃんけん、ポン！」」

案の定カケルがグー、ロケベンがチョキで、
じゃんけんにはカケルが勝利した、

頭を抱えて苦悩の表情に浮かべるロケベン。



と問題はここからなのだが、
カケルは一瞬も迷わずに黒い塊の方を選んだ。



「なぜ・・？」
ロケベンは心の中でそう思ったが
、一瞬で元気を取り戻して
意気揚々と白い塊の方を選んだ。


カケルは相変わらずのポーカーフェイスである。



主人公のカケルはファーストステージで
早くもGAME OVERとなってしまうのであろうか・・・？


ーその２へ続くー