遠矢は小悪魔♡ 同性♂の同級生とラブラブのホモセックスする仲になってしまった！！

Part 1. 良平、後ろの席の遠矢と親しくなる

仲間とケンカして、遠矢のところに行く

　遠矢がとぼとぼと道を歩いていると、後から肩を叩かれた。
　遠矢はビクリと震え、身構えて振り返る。

「よ」

　顔を腫らせた良平が遠矢に手を振った。

「どうしたのそれ！」
「あー、まあケンカよ。よくあるこった」

　良平は笑った。表情を変えてあざが痛んだのか、「いちち……」と小さく呻く。

「僕のせい？」
「んなわけあるか。ちょっとしたボタンの掛け違えって奴だ」

　遠矢は目を落とした。

「知ってるよ、僕がなんて言われてるか。良平は、僕なんかに構うより、吉川くんたちと遊んだ方がいいよ」
「気にすんなよ、悪口なんて別になんでもいいんだ。反応がいい言葉選んでるだけだ。どうせデタラメなんだから」
「別に、嘘でもないんだし……」

　遠矢は真っ赤になって目をそむけた。

「え？」

　良平はドキリとした。こういう時、遠矢のこういう表情は女子そのものに見える。

「良平が、僕なんかのせいで、仲間はずれにされたり、いじめられたりしてほしくない……」

「いじめられる？　俺が？　おめーなあ、あんま俺なめんなよ？」

　遠矢は顔をそむけて立ち去ろうとした。

「おい！」

　良平は遠矢の腕を取って、ドキリとした。細い……吉川や梅津の腕とは全然違う。
　良平が言葉を失ったのを別の意味でとらえたのか、遠矢は腕を振り解いて歩き出した。

「じゃ、また、学校で……」

　良平はなお声を掛けようてとどまり、カバンから先日買った本を取り出した。ブックカバーには土汚れがついている。
　良平は舌打ちして、カバーを取り去った。

「お前まだこれ読んでないだろ」

　遠矢は肩口からちらり、と振り返った。
　良平は本を差し上げて振った。

「俺のが先だ。今回は俺の勝ちだな！」

　遠矢は目を丸くした。
　苦笑して言う。

「ネットで予約したから、もう届いてるよ」
「はぁーっ！？」

　良平が声を上げる。
　二人は顔を見合わせて、笑い出した。