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闇竜討伐の旅
26.一生の思い出(6)※
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「あ、あっ、あっ……あっ!」
サフィアもアーサーの背中に腕を回した。背中もたくさん汗をかいていて、指先が滑る。それもアーサーの興奮の証のような気がして、サフィアは濡れた背中を撫で続けた。
アーサーの動きが、早く、力強くなっていく。サフィアの秘部からは常にぐちょぐちゃと濡れた音が立ち続け、それにパンッとアーサーが腰を叩きつける乾いた音も混ざるようになっていた。それだけサフィアの身を責める性感も強く、間隔が狭くなっていて、無意識に腰が浮いていく。
「はあっ……あ、あっ、あっあっ、……アーサー、わたし、もうっ……!」
三度目ともなると、サフィアは絶頂の予感をしっかりと感じ取ることができた。
「ああ……っ、俺も……っ」
アーサーの言葉にサフィアが頷く。するとアーサーはサフィアの中を更に開拓しようとでもするように、更に動きを早めた。嵐のように襲い来る性感に、サフィアの視界がぼやける。アーサーに縋るように腕の力を強めた。
「あ、あっ、ああ、あっ、あっ!!」
サフィアの身体が強張り、がくがくと震えた。アーサーはそんなサフィアに何度か腰を叩きつけ、その中で精を吐き出す。お腹の中にじんわりと広がる熱を喜ぶように、サフィアの下腹部がきゅうきゅうと収縮した。
サフィアの意識が戻ったところで、アーサーが静かに体を引いた。ずるりと力の抜けた性器が抜けて、サフィアの腰がひくんと跳ねる。
「ん、は、あ……」
余韻で秘部がじんじんする。サフィアが息を整えていると、アーサーが顔を寄せて来たので瞼を閉じた。ただ互いの存在を感じ合うように、優しくゆっくりと舌を絡める。鼻で呼吸をするとアーサーの汗の香りがして、サフィアはああ、自分はこの人に抱かれたんだなと、改めて感じていた。
しばらくしそうしてから、どちらからともなく唇を離す。そして、アーサーがサフィアの頬を撫でながら口を開いた。
「……薬は?」
「えっと、かばんの中の、小さいポケットのところにある小瓶よ。……ありがとう」
サフィアはアーサーがとってきた小瓶を受け取って、中の液体を飲み干した。ベッドサイドに空き瓶を置いて、シーツに体を預ける。なんだか、まだぽやぽやとした気分だった。
アーサーもサフィアの隣に体を横たえ、その額にキスをした。
「サフィア。その……大丈夫だっただろうか。俺は慣れていないし、最後のほうは夢中であまり気にかけることができなかったから……」
「大丈夫よ。ずっと優しくしてくれたから、安心してできたわ。ありがとう。……わたし、初めてがアーサーで良かった」
「……俺もだ。なんだか……夢見心地というか……不思議な気分だな」
「……ええ」
二人で手を繋いで目を閉じる。
サフィアは、この日を忘れることはないだろう。きっとこれが、自分の人生で、自分を愛してくれた人との最初で最後の交わりなのだから。
*
性交をした翌日、その相手とどう接すれば良いのだろう。
サフィアはそんなことを思いながらもいつもどおりに動き、話し、結局のところ特別変わったことはなかった。けれど、アーサーの手を見ればあの綺麗な指が自分に触れたんだと思い、顔を見れば最中の余裕のなさそうだった表情を思い出してしまう。表面上はいつもどおりだったけれど、内心はそうもいかなかった。
そのうち慣れるのだろうとは思いつつ、しばらくは大変そうだとも思いながら支度をし、二人は町を出た。
町の人々は勇者と聖女を見送ろうと集まり、馬を引いて歩く二人に手を振り、声をかけた。いつもどおり無反応のアーサーの隣で、サフィアはにこやかに対応する。そして、関門を通るときだった。
アーサーは背を向けたままだったが、別れを告げるように手を上げた。
「勇者様……!」
「お二人とも、ご武運を……!」
「どうか、よろしくおねがいいたします!」
町の人々の声を背に、二人は門をくぐった。
サフィアはアーサーを見上げたが、顔はいつものとおり無表情で、何を考えているのか分からない。けれどきっと、彼の中で少なからず心持ちの変化があったのだろう。それがもし昨日、勇者と聖女の使命について言葉を交わしたからだとしたら、嬉しい。
サフィアはそっと微笑み、馬に乗った。
サフィアもアーサーの背中に腕を回した。背中もたくさん汗をかいていて、指先が滑る。それもアーサーの興奮の証のような気がして、サフィアは濡れた背中を撫で続けた。
アーサーの動きが、早く、力強くなっていく。サフィアの秘部からは常にぐちょぐちゃと濡れた音が立ち続け、それにパンッとアーサーが腰を叩きつける乾いた音も混ざるようになっていた。それだけサフィアの身を責める性感も強く、間隔が狭くなっていて、無意識に腰が浮いていく。
「はあっ……あ、あっ、あっあっ、……アーサー、わたし、もうっ……!」
三度目ともなると、サフィアは絶頂の予感をしっかりと感じ取ることができた。
「ああ……っ、俺も……っ」
アーサーの言葉にサフィアが頷く。するとアーサーはサフィアの中を更に開拓しようとでもするように、更に動きを早めた。嵐のように襲い来る性感に、サフィアの視界がぼやける。アーサーに縋るように腕の力を強めた。
「あ、あっ、ああ、あっ、あっ!!」
サフィアの身体が強張り、がくがくと震えた。アーサーはそんなサフィアに何度か腰を叩きつけ、その中で精を吐き出す。お腹の中にじんわりと広がる熱を喜ぶように、サフィアの下腹部がきゅうきゅうと収縮した。
サフィアの意識が戻ったところで、アーサーが静かに体を引いた。ずるりと力の抜けた性器が抜けて、サフィアの腰がひくんと跳ねる。
「ん、は、あ……」
余韻で秘部がじんじんする。サフィアが息を整えていると、アーサーが顔を寄せて来たので瞼を閉じた。ただ互いの存在を感じ合うように、優しくゆっくりと舌を絡める。鼻で呼吸をするとアーサーの汗の香りがして、サフィアはああ、自分はこの人に抱かれたんだなと、改めて感じていた。
しばらくしそうしてから、どちらからともなく唇を離す。そして、アーサーがサフィアの頬を撫でながら口を開いた。
「……薬は?」
「えっと、かばんの中の、小さいポケットのところにある小瓶よ。……ありがとう」
サフィアはアーサーがとってきた小瓶を受け取って、中の液体を飲み干した。ベッドサイドに空き瓶を置いて、シーツに体を預ける。なんだか、まだぽやぽやとした気分だった。
アーサーもサフィアの隣に体を横たえ、その額にキスをした。
「サフィア。その……大丈夫だっただろうか。俺は慣れていないし、最後のほうは夢中であまり気にかけることができなかったから……」
「大丈夫よ。ずっと優しくしてくれたから、安心してできたわ。ありがとう。……わたし、初めてがアーサーで良かった」
「……俺もだ。なんだか……夢見心地というか……不思議な気分だな」
「……ええ」
二人で手を繋いで目を閉じる。
サフィアは、この日を忘れることはないだろう。きっとこれが、自分の人生で、自分を愛してくれた人との最初で最後の交わりなのだから。
*
性交をした翌日、その相手とどう接すれば良いのだろう。
サフィアはそんなことを思いながらもいつもどおりに動き、話し、結局のところ特別変わったことはなかった。けれど、アーサーの手を見ればあの綺麗な指が自分に触れたんだと思い、顔を見れば最中の余裕のなさそうだった表情を思い出してしまう。表面上はいつもどおりだったけれど、内心はそうもいかなかった。
そのうち慣れるのだろうとは思いつつ、しばらくは大変そうだとも思いながら支度をし、二人は町を出た。
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アーサーは背を向けたままだったが、別れを告げるように手を上げた。
「勇者様……!」
「お二人とも、ご武運を……!」
「どうか、よろしくおねがいいたします!」
町の人々の声を背に、二人は門をくぐった。
サフィアはアーサーを見上げたが、顔はいつものとおり無表情で、何を考えているのか分からない。けれどきっと、彼の中で少なからず心持ちの変化があったのだろう。それがもし昨日、勇者と聖女の使命について言葉を交わしたからだとしたら、嬉しい。
サフィアはそっと微笑み、馬に乗った。
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