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闇竜討伐の旅

24.一生の思い出(4)※

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「はっ……あ……はぁ……」

 息を整えるサフィアに、アーサーは触れるだけのキスを繰り返した。時間的にはそうでもないはずなのにすごく久しぶりな気がして、サフィアはやわらかいアーサーの唇に酔いしれる。もっと深く繋がりたくてサフィアが口を開くと、アーサーが舌を差し入れ、サフィアのそれに絡ませた。

「んっ……ふぅ……」
「はぁ…………ん、ふ……」

 抱き合って、思うがままに舌を絡め合う。合間に漏れる二人の息はとても熱く、わずかに白い気がした。触れ合う舌はもちろん、ぴっとりと吸い付くように重なった肌も気持ち良い。たまに胸の飾りがアーサーの体に押し潰されて、サフィアは甘い吐息を漏らした。ずっとこうしていたいとも思うのに、サフィアの秘部はひくひくとうずいて、明らかにこの先を求めていた。
 唇が離れて、アーサーが囁いた。

「俺のを入れても、平気だろうか」
「えっと、たぶん? だいじょう、ぶ……わ、わかんないけど……」
「痛かったら、ちゃんとやめる」
「……うん。あ、えっと、薬、あるから……わたし、飲むわ……」
「…………分かった。ありがとう」

 避妊薬は男性が行為の前に飲むものと、女性があとから飲むものがある。旅の途中、何かあったときのため――特に聖女側は、まずないとは思うが不運に見舞われる可能性もゼロではない――支給されているし、常に揃えておくのだ。

 アーサーが下着を脱いで、その陰部が晒される。初めて見る男性のそこをサフィアは直視できなくて、顔を逸らした。それでも気になって一度視線を向けて、その形と大きさに息をのむ。

――は、入るの? あれが……?

 サフィアにとって、アーサーのそれは本当に自分の中に収まるのか心配になる大きさだった。比較対象がないので、アーサーのが他の人より大きいのか、それとも男性器が全てあのくらいなのかは分からなかったが、そんなことはどうでも良い。今目の前にあるものが入るのか――できれば痛みがなく――が問題なのだ。
 正直怖かったが、さっきアーサーに大丈夫と言った手前、やっぱり無理とも言いづらくてサフィアは覚悟を決めた。少なくとも子供を持つ女性はみな経験しているわけだし、案外なんとかなるのかもしれない。指も怖かったのに痛くなかったし。

「サフィア。その……人間は、基本、向かい合ってするんだよな?」
「え? あ、うん……」
「分かった。ありがとう」

 アーサーがサフィアの脚を広げ、その間に入った。
 サフィアは先ほどのアーサーの言葉の意味を考えて……きっと森で育った彼にとって、性行為で一番初めに思い浮かぶのが獣たちの交尾なのでは、と気付いた。アーサーらしくもおもしろくて、肩の力が抜けてしまった。緊張がほぐれて、サフィアはドキドキしながらもアーサーを待つことができた。
 アーサーは片手で自身のそれを持ち、もう片方の手でサフィアの秘部を広げ、狙いを定める。

「じゃあ、入れるぞ」
「う、うん」
「たぶん、力抜いたほうがいいんじゃないか?」
「そ、そうね」

 思わず体が硬くなってしまっていた。サフィアは深呼吸を繰り返す。そして力が抜けたところで、アーサーが挿入した。

「っ……!」

 めり、と広げられる感覚に息を詰まらせる。指よりも大きくて、その存在感は比べ物にならないくらいだった。

「痛いか?」
「……へ、へいき……」
「分かった。無理だったらすぐに言ってくれ」

 正直なところ少し痛かったが、我慢できないほどではなかった。サフィアが頷くと、アーサーがゆっくりと腰を進めていく。
 亀頭の一番太いところが入ってくるとき、反射的に下腹部に力が入った。サフィアは意識して静かに呼吸を繰り返して、体から力が抜けるようにする。そうしていると、ぬぐっと入り込んできた。それさえ乗り越えればあとは何の引っ掛かりもなく入ってきて、サフィアの秘部にアーサーの下生えが押し付けられる。

「ぜんぶ、入ったよ。サフィア」

 アーサーの言葉に、サフィアの中がきゅっと締まる。サフィア自身は、ぼうっとアーサーを見上げることしかできなかった。

――ほ、ほんとに、入ってる……。

 今まで生きてきてまったく意識したことのない臓器にアーサーが入って、広がっている。アーサーの熱も、時折脈打つそれの感覚も確かにあるのに、現実じゃないような心地だった。だって今、サフィアとアーサーは、ただの男と女として一つになっている。自分にこういうことをする相手ができるなんて、まったく想像できなかったのに。なんだか、奇跡の中にいるようだった。

「す、すまない。やっぱり痛かったか?」

 ぽろりと涙を流すサフィアに、アーサーは慌てて体を引こうとした。
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