10 / 28
脆弱性 その1
しおりを挟む
*******************************************
婚約発表の場には大勢の貴族が詰めかけていた。大広間には楽団の奏でる音楽が静かに流れている。
「娘をよろしくお願い致します、殿下」
そう言いながら恰幅のよい貴人が礼をする。カーネル・ロングホーン侯爵。ヴィストリアの父である。
「無論だ」
メレディスは自信をこめてうなずく。
「そなたには大変世話になった。この忠誠には必ず報いよう」
すでに公爵への陞爵が内定している。魔術師や魔術に使う触媒など、人も金も山のように持ち出している。ウィンディ王国では公爵になれるのは王族の親類のみとされているが、些末な問題だ。
それだけの成果を上げたのだから当然だろう。反対する者も多いが、黙らせる方法も用意してあるという。
『新結界』は結界を張る場所も細かく指定できる。たとえば王都にある反対派の屋敷だけを解除することもできるのだ。地上から入るのは困難だろうが魔物は空にもいる。肥えた貴族など、羽の生えた魔物のいい餌になるだろう。
「有り難き幸せ」
深々と礼をする。
「いささか気の強い娘ですが、私にとっては宝。最愛の娘なので」
カーネルが一人娘に愛情を注いでいるのは貴族の間でも有名である。娘に言い寄った貴族を拳で黙らせたこともある。武人であり、魔術にも精通している。
「ねえ、何を話しているの」
そこへヴィストリアが抱きついてきた。白いドレスにエメラルドのネックレスがよく映える。
「この国の未来についてだよ」
『新結界』はウィンディ王国の将来を確実に変える。昔から魔物の脅威にさらされてきたこの国では、『結界』を制する者が覇者となってきた。過去には聖女をめぐって内乱まで起こっている。それがこれからはメレディスに変わる。ひざまずくものに繁栄を、逆らう者には死を。
「難しい話は後にしましょう。それより踊りましょう。今日は私たちの日なのよ」
「そうだね、ヴィストリア」
膨れ上がる野心をごまかすように、一礼して彼女の手を取る。
曲が変わった。大広間ではたくさんの男女が軽やかなダンスを披露している。自分たちもその中に混ざろうと……否、自分たちこそが主役だと宣言するべく颯爽と踊ろうとした時、一人の騎士が進み出てきた。
「殿下、お話が」
「後にしろ」
せっかくいい気分だったのに。少しは場の状況を弁えろといいたい。無作法者はあの平民上がりだけでたくさんだ。
「申し訳ございません、ですが急を要しますので」
真剣な様子にただならぬ事態が起こったことを悟った。メレディスは舌打ちしながら話せと言った。
騎士が耳打ちする。
「『新結界』の一部が消失しました」
*******************************************
それからも三人の旅は続いた。南のグッドオール領では飢饉に苦しむ土地に雨を降らせ、荒野に豊穣をもたらした。荒れ狂う海に住まう海獣を退治し、三つの山を焦がす山火事を消し止めた。
東のエンドロイド領では荒れ狂う大風を防ぎ、一ヶ月続いた豪雨を止めて晴天を回復させ、黒雲のように押し寄せる蝗を遠い海へと追い払った。
北のリナクス領では地震で崩れた土砂から人々を救い、大雪が吹き荒れる町村に暖を与えた。また噴火した火山から降ってきた噴石を食い止め、煮えたぎる溶岩を一瞬で裸足で歩けるほどに冷却した。
力を発揮したのは自然災害だけではなかった。南のグッドオール領では海賊の襲撃を追い払い、東のエンドロイド領では盗賊団を壊滅させ、北のリナクス領の国外から攻め入ってきた異民族を傷一つ付けずに撤退させた。
どの土地でもドロシーを聖女と崇め、尊敬と感謝の言葉を惜しみなく捧げた。
気がつけば王都を出てから半年が経過していた。
今いるのは北西部のサーフィスという町である。北には峻厳な山岳地帯が防波堤となって隣国からの侵略を防いでいる。
ここを南に進めば、マッキンレイ辺境伯の領地である。ちょうどウィンディ王国を一周する計算になる。
もうすぐ命じられた辺境巡回も終わるのだが、メレディスからの連絡はまだない。おそらく忘れているのだろう、とエクスは思っている。
しばらく前にヴィストリア侯爵令嬢との婚約パーティを大々的に行ったという。『新結界』の功績により、第一王子になりかわって王太子になるのでは、とのもっぱらの噂である。ドロシーのことなどすっかり忘れているのだろう。それならそれで構わない。エクスとてバカ王子の命令など真っ平である。
王都に戻るつもりはさらさらなかった。ドロシーも同じ気持ちのようだ。
そのうちどこかに庵でも建てて落ち着くのもいいだろう。聖女とはあくまでウィンディ王国における『結界』管理者の呼称である。宗教的な意味はないのだが、信者や寄付も山ほど集まりそうだ。
いっそ騎士を辞めて聖女様をたてまつる神官になるのも悪くない。
今も山岳地帯からの雪崩を食い止め、山で遭難していた旅人を救ったばかりだ。
回復魔法をかけても目を覚まさないので、サーフィス領主の館で看病をしている。
防寒着に身を包んでいるが、身につけている布地は高価で身なりがいい。黒髪に長いまつげ、顔立ちも女かと見紛うほどの美男子である。おそらくどこかの貴族だろう。
「ここは……」
客間のベッドの上で旅人は目覚めた。
「気づかれましたか」
ドロシーが優しく声をかけると、旅人の顔が惚ける。死の淵で天使にでも出会った心持ちのようだ。
無論、エクスもそばに控えている。クリスティーナ婆さんは暖炉のそばで船を漕いでいる。温かいスープを飲ませてから質問に入る。
「見たところ、お立場のある方とお見受け致しますが、なぜあのような場所に?」
岩と雪しかないような山である。町の者の話では、山羊すらまともに越えられないという。
考えられるとしたら、国境越えだ。隣国のミレニアム皇国に行くには、マッキンレイ辺境伯領を抜けて山岳地帯をぐるりと大回りしなくてはならない。そちらには関所を設けており、当然両国の兵士が厳重な警備を敷いている。
山越えとなれば、両国の警備は薄い。その分、命懸けになる。真っ先に考えられるのは、犯罪者だ。
旅人は目を伏せる。
「どうしても越えなければならなかったのです。……母の命がかかっているので」
聞けば、彼の母親が疫病にかかり、余命幾ばくもないという。治療法を探すうちに、隣国のウィンディ王国には最近、ありとあらゆる災厄を退け、ケガや病を治す聖女がいるというウワサを耳にした。
けれど、通常のルートでは間に合わない。そこで周囲の反対を押し切り、わずかな供を連れて危険な山越えを敢行した。だがウィンディ王国側に越えた辺りで雪崩に巻き込まれ、供とも離ればなれになった。
「ははあ、そうですか。ご母堂の」
エクスは曖昧に相槌を打つ。今の段階では事実かどうか、不明だからだ。確かに旅人と同時期に数名の遭難者が見つかっているが、まだ意識は戻っていない。
旅人はドロシーの方を向いた。
「あなたが、ウィンディ王国の聖女ですね」
「……そうです」
一瞬、迷った風だったが、素直に認めた。
「お願いします。母を助けて下さい」
旅人はドロシーに頭を下げると厳かな口調で名乗った。
「私は、ミレニアム皇国の皇帝の子、テレンスと申します」
婚約発表の場には大勢の貴族が詰めかけていた。大広間には楽団の奏でる音楽が静かに流れている。
「娘をよろしくお願い致します、殿下」
そう言いながら恰幅のよい貴人が礼をする。カーネル・ロングホーン侯爵。ヴィストリアの父である。
「無論だ」
メレディスは自信をこめてうなずく。
「そなたには大変世話になった。この忠誠には必ず報いよう」
すでに公爵への陞爵が内定している。魔術師や魔術に使う触媒など、人も金も山のように持ち出している。ウィンディ王国では公爵になれるのは王族の親類のみとされているが、些末な問題だ。
それだけの成果を上げたのだから当然だろう。反対する者も多いが、黙らせる方法も用意してあるという。
『新結界』は結界を張る場所も細かく指定できる。たとえば王都にある反対派の屋敷だけを解除することもできるのだ。地上から入るのは困難だろうが魔物は空にもいる。肥えた貴族など、羽の生えた魔物のいい餌になるだろう。
「有り難き幸せ」
深々と礼をする。
「いささか気の強い娘ですが、私にとっては宝。最愛の娘なので」
カーネルが一人娘に愛情を注いでいるのは貴族の間でも有名である。娘に言い寄った貴族を拳で黙らせたこともある。武人であり、魔術にも精通している。
「ねえ、何を話しているの」
そこへヴィストリアが抱きついてきた。白いドレスにエメラルドのネックレスがよく映える。
「この国の未来についてだよ」
『新結界』はウィンディ王国の将来を確実に変える。昔から魔物の脅威にさらされてきたこの国では、『結界』を制する者が覇者となってきた。過去には聖女をめぐって内乱まで起こっている。それがこれからはメレディスに変わる。ひざまずくものに繁栄を、逆らう者には死を。
「難しい話は後にしましょう。それより踊りましょう。今日は私たちの日なのよ」
「そうだね、ヴィストリア」
膨れ上がる野心をごまかすように、一礼して彼女の手を取る。
曲が変わった。大広間ではたくさんの男女が軽やかなダンスを披露している。自分たちもその中に混ざろうと……否、自分たちこそが主役だと宣言するべく颯爽と踊ろうとした時、一人の騎士が進み出てきた。
「殿下、お話が」
「後にしろ」
せっかくいい気分だったのに。少しは場の状況を弁えろといいたい。無作法者はあの平民上がりだけでたくさんだ。
「申し訳ございません、ですが急を要しますので」
真剣な様子にただならぬ事態が起こったことを悟った。メレディスは舌打ちしながら話せと言った。
騎士が耳打ちする。
「『新結界』の一部が消失しました」
*******************************************
それからも三人の旅は続いた。南のグッドオール領では飢饉に苦しむ土地に雨を降らせ、荒野に豊穣をもたらした。荒れ狂う海に住まう海獣を退治し、三つの山を焦がす山火事を消し止めた。
東のエンドロイド領では荒れ狂う大風を防ぎ、一ヶ月続いた豪雨を止めて晴天を回復させ、黒雲のように押し寄せる蝗を遠い海へと追い払った。
北のリナクス領では地震で崩れた土砂から人々を救い、大雪が吹き荒れる町村に暖を与えた。また噴火した火山から降ってきた噴石を食い止め、煮えたぎる溶岩を一瞬で裸足で歩けるほどに冷却した。
力を発揮したのは自然災害だけではなかった。南のグッドオール領では海賊の襲撃を追い払い、東のエンドロイド領では盗賊団を壊滅させ、北のリナクス領の国外から攻め入ってきた異民族を傷一つ付けずに撤退させた。
どの土地でもドロシーを聖女と崇め、尊敬と感謝の言葉を惜しみなく捧げた。
気がつけば王都を出てから半年が経過していた。
今いるのは北西部のサーフィスという町である。北には峻厳な山岳地帯が防波堤となって隣国からの侵略を防いでいる。
ここを南に進めば、マッキンレイ辺境伯の領地である。ちょうどウィンディ王国を一周する計算になる。
もうすぐ命じられた辺境巡回も終わるのだが、メレディスからの連絡はまだない。おそらく忘れているのだろう、とエクスは思っている。
しばらく前にヴィストリア侯爵令嬢との婚約パーティを大々的に行ったという。『新結界』の功績により、第一王子になりかわって王太子になるのでは、とのもっぱらの噂である。ドロシーのことなどすっかり忘れているのだろう。それならそれで構わない。エクスとてバカ王子の命令など真っ平である。
王都に戻るつもりはさらさらなかった。ドロシーも同じ気持ちのようだ。
そのうちどこかに庵でも建てて落ち着くのもいいだろう。聖女とはあくまでウィンディ王国における『結界』管理者の呼称である。宗教的な意味はないのだが、信者や寄付も山ほど集まりそうだ。
いっそ騎士を辞めて聖女様をたてまつる神官になるのも悪くない。
今も山岳地帯からの雪崩を食い止め、山で遭難していた旅人を救ったばかりだ。
回復魔法をかけても目を覚まさないので、サーフィス領主の館で看病をしている。
防寒着に身を包んでいるが、身につけている布地は高価で身なりがいい。黒髪に長いまつげ、顔立ちも女かと見紛うほどの美男子である。おそらくどこかの貴族だろう。
「ここは……」
客間のベッドの上で旅人は目覚めた。
「気づかれましたか」
ドロシーが優しく声をかけると、旅人の顔が惚ける。死の淵で天使にでも出会った心持ちのようだ。
無論、エクスもそばに控えている。クリスティーナ婆さんは暖炉のそばで船を漕いでいる。温かいスープを飲ませてから質問に入る。
「見たところ、お立場のある方とお見受け致しますが、なぜあのような場所に?」
岩と雪しかないような山である。町の者の話では、山羊すらまともに越えられないという。
考えられるとしたら、国境越えだ。隣国のミレニアム皇国に行くには、マッキンレイ辺境伯領を抜けて山岳地帯をぐるりと大回りしなくてはならない。そちらには関所を設けており、当然両国の兵士が厳重な警備を敷いている。
山越えとなれば、両国の警備は薄い。その分、命懸けになる。真っ先に考えられるのは、犯罪者だ。
旅人は目を伏せる。
「どうしても越えなければならなかったのです。……母の命がかかっているので」
聞けば、彼の母親が疫病にかかり、余命幾ばくもないという。治療法を探すうちに、隣国のウィンディ王国には最近、ありとあらゆる災厄を退け、ケガや病を治す聖女がいるというウワサを耳にした。
けれど、通常のルートでは間に合わない。そこで周囲の反対を押し切り、わずかな供を連れて危険な山越えを敢行した。だがウィンディ王国側に越えた辺りで雪崩に巻き込まれ、供とも離ればなれになった。
「ははあ、そうですか。ご母堂の」
エクスは曖昧に相槌を打つ。今の段階では事実かどうか、不明だからだ。確かに旅人と同時期に数名の遭難者が見つかっているが、まだ意識は戻っていない。
旅人はドロシーの方を向いた。
「あなたが、ウィンディ王国の聖女ですね」
「……そうです」
一瞬、迷った風だったが、素直に認めた。
「お願いします。母を助けて下さい」
旅人はドロシーに頭を下げると厳かな口調で名乗った。
「私は、ミレニアム皇国の皇帝の子、テレンスと申します」
0
お気に入りに追加
403
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
聞こえません、見えません、だから私をほっといてください。
gacchi
恋愛
聞こえないはずの魔術の音を聞き、見えないはずの魔術を見てしまう伯爵令嬢のレイフィア。
ある時、他の貴族の婚約解消の場に居合わせてしまったら…赤い糸でぐるぐる巻きにされてる人たちを見てしまいます。
何も聞いてません。見てません。だから、ほっといてもらえませんか??
第14回恋愛小説大賞読者賞ありがとうございました。
本編が書籍化しました。本編はレンタルになりましたが、ジョージア編は引き続き無料で読めます。
婚約者のいる側近と婚約させられた私は悪の聖女と呼ばれています。
鈴木べにこ
恋愛
幼い頃から一緒に育ってきた婚約者の王子ギルフォードから婚約破棄を言い渡された聖女マリーベル。
突然の出来事に困惑するマリーベルをよそに、王子は自身の代わりに側近である宰相の息子ロイドとマリーベルを王命で強制的に婚約させたと言い出したのであった。
ロイドに愛する婚約者がいるの事を知っていたマリーベルはギルフォードに王命を取り下げるように訴えるが聞いてもらえず・・・。
カクヨム、小説家になろうでも連載中。
※最初の数話はイジメ表現のようなキツイ描写が出てくるので注意。
初投稿です。
勢いで書いてるので誤字脱字や変な表現が多いし、余裕で気付かないの時があるのでお気軽に教えてくださるとありがたいです٩( 'ω' )و
気分転換もかねて、他の作品と同時連載をしています。
【書庫の幽霊王妃は、貴方を愛することができない。】
という作品も同時に書いているので、この作品が気に入りましたら是非読んでみてください。
天使の行きつく場所を幸せになった彼女は知らない。
ぷり
恋愛
孤児院で育った茶髪茶瞳の『ミューラ』は11歳になる頃、両親が見つかった。
しかし、迎えにきた両親は、自分を見て喜ぶ様子もなく、連れて行かれた男爵家の屋敷には金髪碧眼の天使のような姉『エレナ』がいた。
エレナとミューラは赤子のときに産院で取り違えられたという。エレナは男爵家の血は一滴も入っていない赤の他人の子にも関わらず、両親に溺愛され、男爵家の跡目も彼女が継ぐという。
両親が見つかったその日から――ミューラの耐え忍ぶ日々が始まった。
■※※R15範囲内かとは思いますが、残酷な表現や腐った男女関係の表現が有りますので苦手な方はご注意下さい。※※■
※なろう小説で完結済です。
※IFルートは、33話からのルート分岐で、ほぼギャグとなっております。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
聖女ウリヤナは聖なる力を失った。心当たりはなんとなくある。求められるがまま、婚約者でありイングラム国の王太子であるクロヴィスと肌を重ねてしまったからだ。
「聖なる力を失った君とは結婚できない」クロヴィスは静かに言い放つ。そんな彼の隣に寄り添うのは、ウリヤナの友人であるコリーン。
聖なる力を失った彼女は、その日、婚約者と友人を失った――。
※以前投稿した短編の長編です。予約投稿を失敗しないかぎり、完結まで毎日更新される予定。
ふしだらな悪役令嬢として公開処刑される直前に聖女覚醒、婚約破棄の破棄?ご冗談でしょ(笑)
青の雀
恋愛
病弱な公爵令嬢ビクトリアは、卒業式の日にロバート王太子殿下から婚約破棄されてしまう。病弱なためあまり学園に行っていなかったことを男と浮気していたせいだ。おまけに王太子の浮気相手の令嬢を虐めていたとさえも、と勝手に冤罪を吹っかけられ、断罪されてしまいます。
父のストロベリー公爵は、王家に冤罪だと掛け合うものの、公開処刑の日時が決まる。
断頭台に引きずり出されたビクトリアは、最後に神に祈りを捧げます。
ビクトリアの身体から突然、黄金色の光が放たれ、苛立っていた観衆は穏やかな気持ちに変わっていく。
慌てた王家は、処刑を取りやめにするが……という話にする予定です。
お気づきになられている方もいらっしゃるかと存じますが
この小説は、同じ世界観で
1.みなしごだからと婚約破棄された聖女は実は女神の化身だった件について
2.婚約破棄された悪役令嬢は女神様!? 開国の祖を追放した国は滅びの道まっしぐら
3.転生者のヒロインを虐めた悪役令嬢は聖女様!? 国外追放の罪を許してやるからと言っても後の祭りです。
全部、話として続いています。ひとつずつ読んでいただいても、わかるようにはしています。
続編というのか?スピンオフというのかは、わかりません。
本来は、章として区切るべきだったとは、思います。
コンテンツを分けずに章として連載することにしました。
妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
星名柚花
恋愛
魔法が使えない伯爵令嬢セレスティアには美しい双子の妹・イノーラがいる。
国一番の魔力を持つイノーラは我儘な暴君で、セレスティアから婚約者まで奪った。
「もう無理、もう耐えられない!!」
イノーラの結婚式に無理やり参列させられたセレスティアは逃亡を決意。
「セラ」という偽名を使い、遠く離れたロドリー王国で侍女として働き始めた。
そこでセラには唯一無二のとんでもない魔法が使えることが判明する。
猫になる魔法をかけられた女性不信のユリウス。
表情筋が死んでいるユリウスの弟ノエル。
溺愛してくる魔法使いのリュオン。
彼らと共に暮らしながら、幸せに満ちたセラの新しい日々が始まる――
※他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる