20 / 22
モーズ侯爵家探検
しおりを挟む
「アネッタ? あの方がミレーヌ様ではないのですか?」
「……わかりません」
アネッタは、そうとも違うとも言わず、首をかしげるばかりであった。
ただ、ルシアナにとって、彼女はやはりどう見ても未来の聖女ミレーユである。
少なくとも、あのような子供と一緒に遊んだ記憶はない。
ということは、ミレーヌではないということになる。
ならば、本物のミレーヌは一体どこに?
馬車を見ても、他に誰か乗っている様子はない。
そして、謎の少女は、窓から死角の玄関に入った。
「お嬢様、ミレーヌ様がいらっしゃいました」
「え? ……わかりました。いま、伺います」
アネッタは腑に落ちないものの、それでも家令に呼ばれてホールへと向かう。
今、家令は確かにミレーヌと言った。
(ってことは、聖女様とは別人? 名前が似ているのも見た目が似ているのも偶然?)
そう思っていたら、直ぐにアネッタが少女と共に戻ってきた。
「ルシアナ様、ミレーヌ様がいらっしゃいましたよ」
「お久しぶりです、ルシアナ様。シャルド殿下とのご婚約、おめでとうございます。お元気そうでなによりです」
「お久しぶりです……えっと、ミレーヌ様? ですよね?」
「はい、そうです」
笑顔で頷く自称ミレーヌが笑顔で頷くと、アネッタも一緒に頷いた。
「そうなんです、この人はミレーヌ様で間違いなかったです。懐かしいですね、三人で王宮のパーティで一緒に遊んだ日が」
「そうですね。私も昨日の事のように覚えています。ルシアナ様も覚えていらっしゃるでしょ?」
とミレーヌはその深紅の瞳をルシアナに向ける。
そんな純粋な瞳で見られたら、覚えていないなんて言えない。
でも、ルシアナにはこのような女の子と一緒に遊んだ記憶がまるでなかった。
「もしかして、ルシアナ様、私のことを覚えていらっしゃらないのですか?」
「……えぇ、ごめんなさい。あなたのような可愛い女性がいたら、絶対に覚えているはずなのですけど」
「ふふふ、私が可愛いだなんて、ルシアナお嬢様もお世辞がうまいですわね。でも、覚えていなくても構いませんわ。それなら、これから友達になればいいのです。それとも、公爵家のルシアナ様は、男爵家の私とは遊びたくありませんか?」
ミレーヌはそう言って、不安そうに尋ねた。
(うわぁ、忘れていた私のことを責めもせず、それどころか友達になってくれようとするなんて。本当にミレーヌ様、可愛い。もう、ミレーヌ様が聖女様でもそうでなくてもどっちでもいいや)
既にルシアナはミレーヌの虜になっていた。
前世でルシアナが婚約破棄されたり、公爵家から追放されたりした直接的な原因は、その聖女なのだが、ルシアナは既に全部自分が我儘放題していたせいだと聖女を恨むつもりはまるでなかったし、未来ではむしろそれを望んでいるから、余計にどっちでもいいと思っていた。
もしもミレーヌが聖女になったら、是非、婚約破棄するようにシャルド殿下に進言してくださいと願うほどである。
「遊びたくないはずがありません。是非、お友達になってください、ミレーヌ様」
「はい、よろしくお願いします、ルシアナ様」
「二人だけずるいですわ。私たち三人で友達ですわよ」
ルシアナとミレーヌが手を握り合ったが、そこにアネッタが加わったため、握手ではなく、小さな輪っかになった。
「それで、ミレーヌ様、これからルシアナ様に屋敷を案内するのですけれど、一緒に行きますか? ミレーヌ様は前にもここに来たことがありますから、案内は必要ありませんし、お菓子の用意もしてありますから、先にそちらを召し上がられてもよろしいのですが」
お菓子という言葉に反応したのは、ミレーヌではなくてルシアナだった。
(モーズ伯爵家と言えば、東部の国々との交易の玄関口。変わったお菓子もあるはずですわね)
先にお菓子を食べたいとルシアナは思ったが、ミレーヌが笑顔で首を横に振る。
「私もお二人と行きたいです。お菓子はあまり興味がありませんので」
「あら、そうなのですか? あぁ、そういえば、ミレーヌ様はあまりパーティでもお菓子を召し上がりませんでしわたね。だから、そのようなほっそりとした体で。羨ましいわ」
確かに――とルシアナはミレーヌの腰の括れを見て思った。
(ミレーヌ様と比べると、私、少し太ったかしら?)
そして、直ぐに首を振った。
確かにルシアナはお菓子を食べているが、その分、毎日トレーニングを続けている。冒険者になるために、こっそりメイスを振ったり、庭園でジョギングをしたりしている。
きっと、これは太ったのではなく、筋肉がついたのだ。
そう思ったのだが、流石にお菓子を食べる気にはならなかった。
「では、屋敷を案内しますね。といっても、ルシアナ様のお屋敷より遥かに小さいですが」
と前置きをしてアネッタが屋敷を案内する。
客室や応接室、書庫、食堂、厨房、侍女たちの控室等、アネッタの部屋など、様々な場所を案内してくれた。さすがに、モーズ伯爵の執務室と、離れにある宝物庫、武器庫などはアネッタでも勝手に入ったら怒られると言われたので、無理に入る事はできない。
「あちらの部屋は?」
「お母様の部屋です。お母様は私が生まれるより前に亡くなられていまして」
「え? それじゃあ」
「はい。私はお母様の実の娘ではなく、血筋ではお父様の姪、分家からの養子なのです。将来は隣国の第七王子を夫として迎え、このモーズ家を支えることになっています。この婚約は私が養子となる前に決まっていたことだそうで――」
「そうだったのですか――」
とルシアナは思ったが、ふと不思議なことに気付く。
ルシアナの記憶の中のアネッタとの交流期間は長かった。
それ以降は、シャルド殿下の気を引くため、王都から外に出ることも無くなったが、それでも、アネッタが王都に来たときは、よく一緒にお茶を飲んだ記憶があった。
性格が悪くなっていくルシアナと違い、ちょっと貴族らしい平民に対する偏見はあるものの、子供のように純粋で、嫌いでは――本当に私はアネッタのことを嫌いではなかったのかしら?
何かがおかしいとルシアナは思った。
とても大切な、本当に大切なことを忘れている気がする。
「ルシアナ様?」
「……え?」
「ルシアナ様、どうなさったのですか?」
アネッタが不安そうにルシアナの顔を覗き込んでいた。
「私は、アネッタ様のことが好きですよ」
「はい、私もルシアナ様の事が好きです」
アネッタが笑顔で言う。
ミレーヌも尋ねた。
「ルシアナ様、私のことはどうですか?」
「はい、ミレーヌ様の事も好きです」
「私も、ルシアナ様とアネッタ様、お二人の事が好きですわ」
そう言って笑い合う。
そして、ルシアナは笑顔の中に、その不安をしまいこんだ。
自分がアネッタのことを嫌いになったはずがない、そう思って。
「ところで、アネッタ様。この扉はなんですか?」
「これは地下に続く階段です。地下には……あれ? 何があるのでしょう?」
「教会の地下には、墓所がありましたわね」
とルシアナは修道女時代の記憶を思い出して言った。
すると、アネッタが青ざめた顔で言う。
「まさか、この下にも墓所が?」
アネッタは、いつも寝ている場所の真下に遺体が埋まっているかもしれないという恐怖のせいで震えが止まらない
「いえ、あくまで教会の話ですから、さすがに無い……とは思いますが、どうなのでしょう」
「そんな! ルシアナ様、それでは私、不安で今夜眠れませんわ」
「ならば、確かめに行きますか?」
「お父様に止められているのですが――いえ、行きましょう!」
アネッタは勇気を振り絞り、そしてルシアナに言った。
「ルシアナ様、先に行ってもらってもいいですか?」
少しだけ勇気が足りなかった。
「……わかりません」
アネッタは、そうとも違うとも言わず、首をかしげるばかりであった。
ただ、ルシアナにとって、彼女はやはりどう見ても未来の聖女ミレーユである。
少なくとも、あのような子供と一緒に遊んだ記憶はない。
ということは、ミレーヌではないということになる。
ならば、本物のミレーヌは一体どこに?
馬車を見ても、他に誰か乗っている様子はない。
そして、謎の少女は、窓から死角の玄関に入った。
「お嬢様、ミレーヌ様がいらっしゃいました」
「え? ……わかりました。いま、伺います」
アネッタは腑に落ちないものの、それでも家令に呼ばれてホールへと向かう。
今、家令は確かにミレーヌと言った。
(ってことは、聖女様とは別人? 名前が似ているのも見た目が似ているのも偶然?)
そう思っていたら、直ぐにアネッタが少女と共に戻ってきた。
「ルシアナ様、ミレーヌ様がいらっしゃいましたよ」
「お久しぶりです、ルシアナ様。シャルド殿下とのご婚約、おめでとうございます。お元気そうでなによりです」
「お久しぶりです……えっと、ミレーヌ様? ですよね?」
「はい、そうです」
笑顔で頷く自称ミレーヌが笑顔で頷くと、アネッタも一緒に頷いた。
「そうなんです、この人はミレーヌ様で間違いなかったです。懐かしいですね、三人で王宮のパーティで一緒に遊んだ日が」
「そうですね。私も昨日の事のように覚えています。ルシアナ様も覚えていらっしゃるでしょ?」
とミレーヌはその深紅の瞳をルシアナに向ける。
そんな純粋な瞳で見られたら、覚えていないなんて言えない。
でも、ルシアナにはこのような女の子と一緒に遊んだ記憶がまるでなかった。
「もしかして、ルシアナ様、私のことを覚えていらっしゃらないのですか?」
「……えぇ、ごめんなさい。あなたのような可愛い女性がいたら、絶対に覚えているはずなのですけど」
「ふふふ、私が可愛いだなんて、ルシアナお嬢様もお世辞がうまいですわね。でも、覚えていなくても構いませんわ。それなら、これから友達になればいいのです。それとも、公爵家のルシアナ様は、男爵家の私とは遊びたくありませんか?」
ミレーヌはそう言って、不安そうに尋ねた。
(うわぁ、忘れていた私のことを責めもせず、それどころか友達になってくれようとするなんて。本当にミレーヌ様、可愛い。もう、ミレーヌ様が聖女様でもそうでなくてもどっちでもいいや)
既にルシアナはミレーヌの虜になっていた。
前世でルシアナが婚約破棄されたり、公爵家から追放されたりした直接的な原因は、その聖女なのだが、ルシアナは既に全部自分が我儘放題していたせいだと聖女を恨むつもりはまるでなかったし、未来ではむしろそれを望んでいるから、余計にどっちでもいいと思っていた。
もしもミレーヌが聖女になったら、是非、婚約破棄するようにシャルド殿下に進言してくださいと願うほどである。
「遊びたくないはずがありません。是非、お友達になってください、ミレーヌ様」
「はい、よろしくお願いします、ルシアナ様」
「二人だけずるいですわ。私たち三人で友達ですわよ」
ルシアナとミレーヌが手を握り合ったが、そこにアネッタが加わったため、握手ではなく、小さな輪っかになった。
「それで、ミレーヌ様、これからルシアナ様に屋敷を案内するのですけれど、一緒に行きますか? ミレーヌ様は前にもここに来たことがありますから、案内は必要ありませんし、お菓子の用意もしてありますから、先にそちらを召し上がられてもよろしいのですが」
お菓子という言葉に反応したのは、ミレーヌではなくてルシアナだった。
(モーズ伯爵家と言えば、東部の国々との交易の玄関口。変わったお菓子もあるはずですわね)
先にお菓子を食べたいとルシアナは思ったが、ミレーヌが笑顔で首を横に振る。
「私もお二人と行きたいです。お菓子はあまり興味がありませんので」
「あら、そうなのですか? あぁ、そういえば、ミレーヌ様はあまりパーティでもお菓子を召し上がりませんでしわたね。だから、そのようなほっそりとした体で。羨ましいわ」
確かに――とルシアナはミレーヌの腰の括れを見て思った。
(ミレーヌ様と比べると、私、少し太ったかしら?)
そして、直ぐに首を振った。
確かにルシアナはお菓子を食べているが、その分、毎日トレーニングを続けている。冒険者になるために、こっそりメイスを振ったり、庭園でジョギングをしたりしている。
きっと、これは太ったのではなく、筋肉がついたのだ。
そう思ったのだが、流石にお菓子を食べる気にはならなかった。
「では、屋敷を案内しますね。といっても、ルシアナ様のお屋敷より遥かに小さいですが」
と前置きをしてアネッタが屋敷を案内する。
客室や応接室、書庫、食堂、厨房、侍女たちの控室等、アネッタの部屋など、様々な場所を案内してくれた。さすがに、モーズ伯爵の執務室と、離れにある宝物庫、武器庫などはアネッタでも勝手に入ったら怒られると言われたので、無理に入る事はできない。
「あちらの部屋は?」
「お母様の部屋です。お母様は私が生まれるより前に亡くなられていまして」
「え? それじゃあ」
「はい。私はお母様の実の娘ではなく、血筋ではお父様の姪、分家からの養子なのです。将来は隣国の第七王子を夫として迎え、このモーズ家を支えることになっています。この婚約は私が養子となる前に決まっていたことだそうで――」
「そうだったのですか――」
とルシアナは思ったが、ふと不思議なことに気付く。
ルシアナの記憶の中のアネッタとの交流期間は長かった。
それ以降は、シャルド殿下の気を引くため、王都から外に出ることも無くなったが、それでも、アネッタが王都に来たときは、よく一緒にお茶を飲んだ記憶があった。
性格が悪くなっていくルシアナと違い、ちょっと貴族らしい平民に対する偏見はあるものの、子供のように純粋で、嫌いでは――本当に私はアネッタのことを嫌いではなかったのかしら?
何かがおかしいとルシアナは思った。
とても大切な、本当に大切なことを忘れている気がする。
「ルシアナ様?」
「……え?」
「ルシアナ様、どうなさったのですか?」
アネッタが不安そうにルシアナの顔を覗き込んでいた。
「私は、アネッタ様のことが好きですよ」
「はい、私もルシアナ様の事が好きです」
アネッタが笑顔で言う。
ミレーヌも尋ねた。
「ルシアナ様、私のことはどうですか?」
「はい、ミレーヌ様の事も好きです」
「私も、ルシアナ様とアネッタ様、お二人の事が好きですわ」
そう言って笑い合う。
そして、ルシアナは笑顔の中に、その不安をしまいこんだ。
自分がアネッタのことを嫌いになったはずがない、そう思って。
「ところで、アネッタ様。この扉はなんですか?」
「これは地下に続く階段です。地下には……あれ? 何があるのでしょう?」
「教会の地下には、墓所がありましたわね」
とルシアナは修道女時代の記憶を思い出して言った。
すると、アネッタが青ざめた顔で言う。
「まさか、この下にも墓所が?」
アネッタは、いつも寝ている場所の真下に遺体が埋まっているかもしれないという恐怖のせいで震えが止まらない
「いえ、あくまで教会の話ですから、さすがに無い……とは思いますが、どうなのでしょう」
「そんな! ルシアナ様、それでは私、不安で今夜眠れませんわ」
「ならば、確かめに行きますか?」
「お父様に止められているのですが――いえ、行きましょう!」
アネッタは勇気を振り絞り、そしてルシアナに言った。
「ルシアナ様、先に行ってもらってもいいですか?」
少しだけ勇気が足りなかった。
0
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)
miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます)
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、少々…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。
※ストーリーの進度は遅めかと思われます。
※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。
公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。
※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、142話辺りまで手直し作業中)
※章の区切りを変更致しました。(11/21更新)
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

これが私の兄です
よどら文鳥
恋愛
「リーレル=ローラよ、婚約破棄させてもらい慰謝料も請求する!!」
私には婚約破棄されるほどの過失をした覚えがなかった。
理由を尋ねると、私が他の男と外を歩いていたこと、道中でその男が私の顔に触れたことで不倫だと主張してきた。
だが、あれは私の実の兄で、顔に触れた理由も目についたゴミをとってくれていただけだ。
何度も説明をしようとするが、話を聞こうとしてくれない。
周りの使用人たちも私を睨み、弁明を許されるような空気ではなかった。
婚約破棄を宣言されてしまったことを報告するために、急ぎ家へと帰る。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました
土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。
神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。
追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。
居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。
小説家になろうでも公開しています。
2025年1月18日、内容を一部修正しました。

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

乙女ゲームで唯一悲惨な過去を持つモブ令嬢に転生しました
雨夜 零
恋愛
ある日...スファルニア公爵家で大事件が起きた
スファルニア公爵家長女のシエル・スファルニア(0歳)が何者かに誘拐されたのだ
この事は、王都でも話題となり公爵家が賞金を賭け大捜索が行われたが一向に見つからなかった...
その12年後彼女は......転生した記憶を取り戻しゆったりスローライフをしていた!?
たまたまその光景を見た兄に連れていかれ学園に入ったことで気づく
ここが...
乙女ゲームの世界だと
これは、乙女ゲームに転生したモブ令嬢と彼女に恋した攻略対象の話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる