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Scene10 一体何を言ってるのかしら?
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思いがけない再会に驚くシャーロットは、「コーネリアス様、ここで何をなさってるんですか?」と素直な疑問をぶつける。すると返ってきたのは、信じられない言葉だった。
「ロッティ、もちろん君に会いに来たんだ」
(ロッティだなんて何を言って・・あっ、何か困ったことがあったのかしら・・・シーラ様との恋愛相談なら、全くお役に立てないのだけど)
ルーカスでは、余程のことがない限り城に入ることは叶わないはず・・そんな考えが、シャーロットにお人好しな思考を咲かせたのだ。
「ここは王城。失礼ですが、コーネリアス様では、そう簡単に入城できませんよね?それ程までに私に会わなくてはならないとは、何があったんですか?」
「・・・・そう!そうなんだ。父と母のことで君に頼みたいことがあって・・ここではなんだから、場所を変えないか?」
婚約破棄したとはいえルーカスとは、五年も一緒にいたのだ。彼の言う頼み事は置いていても話を聞くだけならと、シャーロットは頷こうとする。しかしセリウスとのメイドのルールを思い出した彼女は、断る。
「それは構い・・ごめんなさい。セリウス殿下との約束で、男性と二人きりにはなれませんの。その相談は、シーラ様にされたらいかがですか?」
しかしルーカスは、食い下がった。
「・・シーラ嬢も来ているんだ。ただ・・・その・・彼女は目立ってしまうから、この奥で待ってもらってる。彼女もいるし、二人きりではない。だから話だけでも聞いてくれないか?」
(確かにシーラ様のような姿は、目立つわよね。何と言ってもあのお胸が“シーラ・バーガンディここにあり”って、言ってるようなものだし・・・)
シャーロットは少し考えた後、「ロッティと呼ばないのなら」と承諾した。
庭園の奥へと進むルーカスについて行くと、四阿に辿り着く。しかし、そこにシーラの姿はなかった。
「シーラ様はどちらですか?」
四阿に入るのを戸惑い、そう尋ねたシャーロットに、ルーカスは「あぁ、彼女なら・・・」と言葉を濁す。そして突然、シャーロットの腕を取ると、四阿に引っ張り込もうとした。
「えっ!?ちょ、ちょっと!」
慌てて声を上げるが、抵抗虚しく引き込まれてしまう。シャーロットを強引に座らせ、目の前に跪いたルーカスは、彼女の肩を掴んで口を開いた。
「ロッティ・・会いたかったんだ」
愛称で呼ばないことを約束したばかりなのに、それを破ったばかりか、“会いたかった”などと信じられないセリフを口にするルーカスを、さすがのシャーロットも睨みつける。
「どういうつもりですか?シーラ様もいるというのは、嘘だったんですか?」
「すまない。しかしこうでもしないと、君は話を聞いてくれないと思って」
(一体何を言ってるの?)
シャーロットは訳がわからず困惑するが、ルーカスはさらに言葉を続けた。
「私は君を愛してるんだ。どうか私の妻になって欲しい」
「・・・・・・・・・・・・はい?」
予想だにしない告白を受けたシャーロットは、思わず間の抜けた声で聞き返す。しかし、そんな彼女に、ルーカスは再び同じセリフを繰り返した。
「愛してるんだ。結婚して欲しい」
「どうして急にそんなことを言い出すんですか?私たち婚約破棄をしたんですよね?」
「そうだ。だが、私にとって君は変わらず魅力的な女性なんだ」
「私は申し上げたはずです。シーラ様との恋を応援すると・・・」
「あれは君の本心じゃないだろう?」
「本心です」といくらシャーロットが言っても、ルーカスは聞く耳を持たない。全く会話が成り立たなかった。
(嫌だ!本当にコーネリアス様は気がおかしくなってしまったのでは?私と結婚したいのなら、何故シーラ様とあんなことしたの?)
それを素直に言葉にすると、ルーカスはまるで開き直ったかのようなセリフを口にする。
「男なら彼女のような身体に惹かれてしまうことがあるんだ。でもそれも一時の気の迷い。本当に結婚したいのは、ロッティ、君なんだ」
「コーネリアス様、一度お医者様に診ていただいたほうが、いいですよ。私はメイドの道を邁進すると言いましたよね?邪魔しないでください」
「もう私のことを嫌いになった?そんなに殿下がいい?王子妃の立場に目がくらんだ?君はそんな人じゃないよね?私は君のことをよく知ってるんだ。だから私と結婚しよう。君さえ良ければ、すぐに式を挙げようじゃないか」
ルーカスはそう迷いのない声で言うと、シャーロットの身体を抱きしめようと腕を回してきた。
(王子妃?何を言ってるの?私はただのメイドよ)
シャーロットは必死に抵抗していたが、その時、側の茂みがガサガサと揺れ、メイドが姿を見せる。そのメイドと目があったシャーロットは、「助けて!」と声を上げようとしたが、叶わなかった。メイドは「まあ!」とわざとらしく驚くと、その場から逃げ出したのだ。
(あっ・・そんな逃げるなんて・・・どうしよう。まだ初日なのに、殿下との約束破ってしまったわ。クビになっちゃう)
その背中を呆然と見つめるシャーロットに、ルーカスの「こっちを見て、ロッティ」という言葉がかけられる。しかしその声に我に返ったシャーロットは、彼を思いっきり突き飛ばした。
「ロッティ、もちろん君に会いに来たんだ」
(ロッティだなんて何を言って・・あっ、何か困ったことがあったのかしら・・・シーラ様との恋愛相談なら、全くお役に立てないのだけど)
ルーカスでは、余程のことがない限り城に入ることは叶わないはず・・そんな考えが、シャーロットにお人好しな思考を咲かせたのだ。
「ここは王城。失礼ですが、コーネリアス様では、そう簡単に入城できませんよね?それ程までに私に会わなくてはならないとは、何があったんですか?」
「・・・・そう!そうなんだ。父と母のことで君に頼みたいことがあって・・ここではなんだから、場所を変えないか?」
婚約破棄したとはいえルーカスとは、五年も一緒にいたのだ。彼の言う頼み事は置いていても話を聞くだけならと、シャーロットは頷こうとする。しかしセリウスとのメイドのルールを思い出した彼女は、断る。
「それは構い・・ごめんなさい。セリウス殿下との約束で、男性と二人きりにはなれませんの。その相談は、シーラ様にされたらいかがですか?」
しかしルーカスは、食い下がった。
「・・シーラ嬢も来ているんだ。ただ・・・その・・彼女は目立ってしまうから、この奥で待ってもらってる。彼女もいるし、二人きりではない。だから話だけでも聞いてくれないか?」
(確かにシーラ様のような姿は、目立つわよね。何と言ってもあのお胸が“シーラ・バーガンディここにあり”って、言ってるようなものだし・・・)
シャーロットは少し考えた後、「ロッティと呼ばないのなら」と承諾した。
庭園の奥へと進むルーカスについて行くと、四阿に辿り着く。しかし、そこにシーラの姿はなかった。
「シーラ様はどちらですか?」
四阿に入るのを戸惑い、そう尋ねたシャーロットに、ルーカスは「あぁ、彼女なら・・・」と言葉を濁す。そして突然、シャーロットの腕を取ると、四阿に引っ張り込もうとした。
「えっ!?ちょ、ちょっと!」
慌てて声を上げるが、抵抗虚しく引き込まれてしまう。シャーロットを強引に座らせ、目の前に跪いたルーカスは、彼女の肩を掴んで口を開いた。
「ロッティ・・会いたかったんだ」
愛称で呼ばないことを約束したばかりなのに、それを破ったばかりか、“会いたかった”などと信じられないセリフを口にするルーカスを、さすがのシャーロットも睨みつける。
「どういうつもりですか?シーラ様もいるというのは、嘘だったんですか?」
「すまない。しかしこうでもしないと、君は話を聞いてくれないと思って」
(一体何を言ってるの?)
シャーロットは訳がわからず困惑するが、ルーカスはさらに言葉を続けた。
「私は君を愛してるんだ。どうか私の妻になって欲しい」
「・・・・・・・・・・・・はい?」
予想だにしない告白を受けたシャーロットは、思わず間の抜けた声で聞き返す。しかし、そんな彼女に、ルーカスは再び同じセリフを繰り返した。
「愛してるんだ。結婚して欲しい」
「どうして急にそんなことを言い出すんですか?私たち婚約破棄をしたんですよね?」
「そうだ。だが、私にとって君は変わらず魅力的な女性なんだ」
「私は申し上げたはずです。シーラ様との恋を応援すると・・・」
「あれは君の本心じゃないだろう?」
「本心です」といくらシャーロットが言っても、ルーカスは聞く耳を持たない。全く会話が成り立たなかった。
(嫌だ!本当にコーネリアス様は気がおかしくなってしまったのでは?私と結婚したいのなら、何故シーラ様とあんなことしたの?)
それを素直に言葉にすると、ルーカスはまるで開き直ったかのようなセリフを口にする。
「男なら彼女のような身体に惹かれてしまうことがあるんだ。でもそれも一時の気の迷い。本当に結婚したいのは、ロッティ、君なんだ」
「コーネリアス様、一度お医者様に診ていただいたほうが、いいですよ。私はメイドの道を邁進すると言いましたよね?邪魔しないでください」
「もう私のことを嫌いになった?そんなに殿下がいい?王子妃の立場に目がくらんだ?君はそんな人じゃないよね?私は君のことをよく知ってるんだ。だから私と結婚しよう。君さえ良ければ、すぐに式を挙げようじゃないか」
ルーカスはそう迷いのない声で言うと、シャーロットの身体を抱きしめようと腕を回してきた。
(王子妃?何を言ってるの?私はただのメイドよ)
シャーロットは必死に抵抗していたが、その時、側の茂みがガサガサと揺れ、メイドが姿を見せる。そのメイドと目があったシャーロットは、「助けて!」と声を上げようとしたが、叶わなかった。メイドは「まあ!」とわざとらしく驚くと、その場から逃げ出したのだ。
(あっ・・そんな逃げるなんて・・・どうしよう。まだ初日なのに、殿下との約束破ってしまったわ。クビになっちゃう)
その背中を呆然と見つめるシャーロットに、ルーカスの「こっちを見て、ロッティ」という言葉がかけられる。しかしその声に我に返ったシャーロットは、彼を思いっきり突き飛ばした。
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