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第48話 ちょっと脅かしてみた
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この日の昼休み、リリスはアリーナ、エリーゼと共にカフェテリアにいた。多くの生徒が楽しい会話繰り広げる中、隅の方に一人黙々と食事をする人物が一人いる。サリーだ。
いつもなら暇さえあれば、アーサーにつき纏っているサリーも今日はその対象が学園を休んでいる為、大人しくしているようだ。
リリスたちはその姿を確認すると、飲み物を手に近付く。
「あら、サリー様。今日はお一人ですか?」
魅了対策してしまえば、怖いものはない。リリスは優雅な笑みを浮かべ、言葉をかける。リリスに突然笑って声を掛けられたサリーは、ほんの一瞬、不快な表情を浮かべた。リリスはそれを見逃さなかった。
(やっぱりね。奥の手の魅了が上手くいかなくて、苛立ってるわね。さあ、被害者の仮面を被りなさい)
「はい、殿下はお休みされてますから。でも放課後、城に行ってみようかと思ってるんですよ」
(うわぁ、城に押し掛けるの!?衛兵に追い返されるのが、関の山なのに・・本当にこの子メンタル強いよね。そこだけは褒めてあげる)
「あら、奇遇ね。私も放課後そのつもりなのよ。殿下と約束してるから」
この言葉は嘘ではない。放課後、登城予定だ。ただ、サリーが考えているようなものではなく、アリーナたちも一緒のいつものお茶会だ。しかし、そんなこととは露知らずサリーは、押し黙った。
「・・・・・」
そこにリュシェルが、通りかかる。
「何をなさってるの?」
(あー、グラム様タイミング悪いです・・)
「いえ、ただの挨拶です」
リリスの返答に「あら、そう・・」と返すと、リュシェルは「ねえ、リリス様・・」とリリスの腕を取り、この場から連れ出すように引っ張った。すると、リリスの手にする飲み物がグラスからこぼれ、サリーの制服にかかる。
「「あっ・・」」
皆が動揺する中、リリスは覚悟を決めると、サリーに向け言い放つ。
「あらっ、ごめんなさい」
すると、サリーは俯いたまま固まっている。少々、流れは変わってしまったが、サリーに飲み物をかけるという結果はそのままなので、リリスは芝居を続ける。
「でも、安心してちょうだい。何ともないから」
これには流石にサリーも耐えられなかったのか俯く顔を上げると「リリス様、ヒドイです!」と芝居がかったセリフを吐く。ご丁寧に、その目には涙を浮かべている。
「ごめんなさいって、謝罪したわ。それに実害はないと思うのよ。それなのに、謝罪の言葉だけではご不満なのかしら?」
「実害がないだなんて、ここに飲みも・・・あれっ?ない!?」
サリーは自分の制服を見下ろし、戸惑っていた。それもそのはず、リリスが手にしていたのは、飲み物に見える幻影魔法だ。グラスに魔法をかけ、飲み物が入っていたように見せていた。当初はリリスが転んだふりをして、それをかけるというシナリオだったが、リュシェルの登場により多少狂いが生じた。まさか本当にかけるわけにもいかない為、幻影魔法は苦肉の策だった。
「ねっ?平気でしょう?最近、変な噂が流れてるようだけど、貴女もそれに感化されてしまったのね。今度からは、気をつけるのよ」
(色んな意味でね。さすがに純潔云々はやりすぎなのよ。少しは反省しなさい)
いつもなら暇さえあれば、アーサーにつき纏っているサリーも今日はその対象が学園を休んでいる為、大人しくしているようだ。
リリスたちはその姿を確認すると、飲み物を手に近付く。
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「・・・・・」
そこにリュシェルが、通りかかる。
「何をなさってるの?」
(あー、グラム様タイミング悪いです・・)
「いえ、ただの挨拶です」
リリスの返答に「あら、そう・・」と返すと、リュシェルは「ねえ、リリス様・・」とリリスの腕を取り、この場から連れ出すように引っ張った。すると、リリスの手にする飲み物がグラスからこぼれ、サリーの制服にかかる。
「「あっ・・」」
皆が動揺する中、リリスは覚悟を決めると、サリーに向け言い放つ。
「あらっ、ごめんなさい」
すると、サリーは俯いたまま固まっている。少々、流れは変わってしまったが、サリーに飲み物をかけるという結果はそのままなので、リリスは芝居を続ける。
「でも、安心してちょうだい。何ともないから」
これには流石にサリーも耐えられなかったのか俯く顔を上げると「リリス様、ヒドイです!」と芝居がかったセリフを吐く。ご丁寧に、その目には涙を浮かべている。
「ごめんなさいって、謝罪したわ。それに実害はないと思うのよ。それなのに、謝罪の言葉だけではご不満なのかしら?」
「実害がないだなんて、ここに飲みも・・・あれっ?ない!?」
サリーは自分の制服を見下ろし、戸惑っていた。それもそのはず、リリスが手にしていたのは、飲み物に見える幻影魔法だ。グラスに魔法をかけ、飲み物が入っていたように見せていた。当初はリリスが転んだふりをして、それをかけるというシナリオだったが、リュシェルの登場により多少狂いが生じた。まさか本当にかけるわけにもいかない為、幻影魔法は苦肉の策だった。
「ねっ?平気でしょう?最近、変な噂が流れてるようだけど、貴女もそれに感化されてしまったのね。今度からは、気をつけるのよ」
(色んな意味でね。さすがに純潔云々はやりすぎなのよ。少しは反省しなさい)
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