52 / 113
52. 感情の矛先-2
しおりを挟む
通勤には、その時の気分と時間によって徒歩か車かを選択しているが、今日は歩きだった。
秋の夜長を、ゆったりとした足取りでマンション前まで帰り着けば、見知った姿が街灯に照らされていた。
「敬介!」
「……里美?」
「良かった!」
マンションの近くには里美の愛車が停まっていて、その横に立っていた里美が、俺の姿を見つけるなり駆け寄ってきた。
「何だ、どうした?」
「ちょっと酷いんじゃないの?」
いきなり睨まれても、何を責められているのかさっぱり分からない。
「何でここにいんだよ」
「私だって来たくて来た訳じゃないわよ。だけど、しょうがないじゃない? 電話したら解約されてるし。いつの間に変えたのよ、番号!」
そうだった。去年のクリスマスイヴにスマホを無残に壊し、番号変更を伝えてもいなければ、そもそも教える気もなかった。
里美も俺のスマホが変わったとは思ってもみなかったのだろう。前回、会った時も訊かれもしなかった。
「まったくもう! 変わったんなら、せめて里美さんくらいには教えなさいよ。薄情者」
「あー、でも、俺も連絡の取りようなかったし。スマホぶっ壊しちまったからな」
「はぁ?」
呆れたように俺を見上げた里美だったが、すぐに何かを察したようで、
「凄い思い入れよう。女狐を全部切ったって訳ね……って事は私もか!」
可笑しそうにぷっと噴き出した。
……うるせぇ。間違っちゃいねぇけど。
「で? 俺に何か用か?」
「あっ、そうそう。はいこれ。敬介のでしょ?」
里美に渡されたのはA4サイズのマルタック封筒。
「昨日、またあの店に行ったのよ。そしたら、私達がいた席にこれがあったってマスターに言われてね。私のじゃないから敬介のかと思って。大事なものなら大変でしょう? だからこうして届けに来たわけ」
手渡された茶封筒。確かに俺のだ。しかし……。
「里美、悪い。中身チラシ」
「はぁ~?」
留めてあった玉ひもを解き、封筒から中身を取り出して、ヒラヒラさせながら里美に見せた。
「何よこれ。大事なものじゃなかったの?」
「まぁ……」
「敬介、いつから主夫になったのよ」
ガックリと頭を垂らす里美。
ヒラヒラさせたそれは、学校近辺のスーパーの折り込みチラシだった。
文化祭で、やきそばの屋台を出すことになっている我がクラス。材料をどこで調達するか、その参考までに集めたものだと説明すると、
「生徒の個人情報でもあったら大変と思って、急いで来てあげたのに!」
また睨まれる。
「悪いな。ポストにでも入れといてくれりゃ良かったのに」
「そうね。私もそう思ったわ。でもね、マンションは知ってても、上げても貰った事のない部屋の番号まで知らなくてねッ!」
「……」
火に油。向けられている目が一段と細まり、余計に怒りを煽ってしまったらしい。
「わ、悪かったって」
「今日は旦那様と食事に行く約束してるのに、時間ない所わざわざ届けに来てあげたのよ。感謝しなさいよね」
「ホント、悪い」
何とか穏便に済まそうと謝っていると、里美の背後に人の気配感じ目を向ける。
アイツっ! 何で一人で帰らせてんだよ!
距離と夜のせいで顔までははっきり見えなくても、間違えるはずがない。制服のままこちらに向って歩いて来るのは、誰も隣に置かず一人帰宅する奈央だった。
寄り道でもしてたのか? 芹沢はどうしたんだよ?
芹沢が送らなかったことに沸き立つ苛つきと、その理由について尋ねる事が出来ないもどかしさ。気にするなというのが無理な話で、俺は奈央が歩いてくる方に何度も目線をチラチラと飛ばす。
そして、そんな俺に気付きもしない里美は、お構いなしに惚気トークに勝手に突入していた。
「今日はね、旦那の誕生日なのよ。お互いに仕事で遅くなっても、今日だけは一緒に食事しようってなってね。これからディナーを楽しむ予定なの」
「……良かったな」
心此処にあらずで適当に相槌しても、気になるのは奈央の事ばかり。
こんな所で里美といるところを見られたら、更に誤解の上塗りだろう。寧ろ、俺と里美の関係が間違いないものだと確信すら持つはずだ。
「それでね、」
奈央を気に掛けながらも、わざわざ封筒を届けに来てくれた、嬉しそうに話す里美も邪険には出来ない。
「ああ、それで?」
「夜はスイートを予約してあるの」
結婚してもまだ『恋してます』とでもいう風に、かつて俺の前では見せなかった、照れた顔で話す里美。
……アホらし。
そう思っている間に、どんどん奈央と俺との物理的距離は縮まる。
「そりゃ良かったな。じゃ、早く行けよ。時間ないんだろ?」
「何か、素っ気なくない?」
興味津々で聞く方が可笑しいだろ。
「もしかして、敬介ヤキモチ?」
里美に対して、そんな感情を持ち合わせていないのを誰よりも知っていながら、ふざけた会話を続ける内に、奈央はすぐそこまでやって来ていた。
「馬鹿なこと言ってないでさっさと行けよ」
何とか帰らせようと試みたが、事もあろうか、とんでもないタイミングで、とんでもない冗談を浮かれた里美が投下した。
「妬かない、妬かない! 敬介の方が上だから?」
「何が?」
「ベッドの上なら、敬介のテクニックの方が断然上っ……んっ!」
何を言い出すんだッ!
慌てて右手で里美の口を押えたものの、時既に遅し。奈央は里美のすぐ後ろにいて、何事もなかったように俺達の横を通り過ぎて行った。
里美も人がいた為に口を塞がれたと認識したのだろう。抵抗もせずに、奈央がマンションに入って行く姿をずっと目で追いかけていた。
「ねぇ、今の女子高生。凄い綺麗な子じゃなかった? お人形さんみたいに何もかも整ってるって感じ!」
奈央の姿が見えなくなると、押えていた俺の手を振り払い、口を開く里美。
その目線は、奈央が消えて行ったマンションに向けられたままだ。
「ねぇ、今の話。絶対聞かれてたわよね?」
あぁ、間違いなくな。よりによってお前、その時だけ声をでかくしてたしな。
「今の子って、みんなあんな感じなの?」
視線を俺の元へ戻した里美が尋ねてくる。
「あんな感じって?」
「あの子、私の話聞いても全く動じないんだもの。慌てるとか照れるとかあってもよさそうなのに。ぜんぜん気にしてないみたいじゃない?」
「……」
「今の女子高生は、感情が乏しいのかしら?」
そう言ってフッと笑った後で、里美は言葉を付け足した。
「まるで中身まで感情のないお人形さんみたい」
……アイツは人形なんかじゃねぇ。人を気遣う優しさだって持っている。苦しい事を苦しいと、辛い事を辛いと言えないだけだ。
それに、楽しければ楽しいって、ちゃんと笑えるんだって俺は知っている。奈央は、人形なんかじゃねぇよ。
「どうしたの? 黙っちゃって。ヤダ、今の子が可愛いからって、オイタしようとか思ってないでしょうね。駄目よ、そんな事したら。仮にも敬介は教職者なんだから」
「……するかよ」
「ならいいけど。あっ、私そろそろ行かないと」
里美は停めてあった車のドアを開けエンジンをかけると、
「じゃあね、敬介!」
運転席へと乗り込んだ。
「あぁ。ありがとな」
窓を開け手を上げた里美は、アクセルを踏み込み旦那の待つ温かい場所へと帰って行った。
エンジンの音はあっという間に遠退き、静まり返った住宅街。一人立ち尽くした俺の頭の中は、里美の言葉が何度も蘇る。
『まるで中身まで感情のないお人形さんみたい』
本当は、里美に言ってやりたかった。人形なんかじゃないと、直ぐに否定してやりたかった。しかし、それが出来なかったのは、俺の目にも、そう映ったからだ。
大きな瞳は無機質にも見えガラス玉みたいだった。ピクリとも動かない仮面のような表情は、感情を知らない“人形”と言われても、否定出来るだけの温もりが見当たらなかった。
挙げ句、歩くスピードも変えず、俺には一切意識を囚われず素通りして行った、更なるダメージの追い討ち。
里美との関係を誤解される以前に、興味すら持たれていない空気のような扱いに打ちのめされる。
──アイツの中から、俺はもう排除されたのかもしれない。
寂しさと悲しみ。様々な想いが去来していた。
秋の夜長を、ゆったりとした足取りでマンション前まで帰り着けば、見知った姿が街灯に照らされていた。
「敬介!」
「……里美?」
「良かった!」
マンションの近くには里美の愛車が停まっていて、その横に立っていた里美が、俺の姿を見つけるなり駆け寄ってきた。
「何だ、どうした?」
「ちょっと酷いんじゃないの?」
いきなり睨まれても、何を責められているのかさっぱり分からない。
「何でここにいんだよ」
「私だって来たくて来た訳じゃないわよ。だけど、しょうがないじゃない? 電話したら解約されてるし。いつの間に変えたのよ、番号!」
そうだった。去年のクリスマスイヴにスマホを無残に壊し、番号変更を伝えてもいなければ、そもそも教える気もなかった。
里美も俺のスマホが変わったとは思ってもみなかったのだろう。前回、会った時も訊かれもしなかった。
「まったくもう! 変わったんなら、せめて里美さんくらいには教えなさいよ。薄情者」
「あー、でも、俺も連絡の取りようなかったし。スマホぶっ壊しちまったからな」
「はぁ?」
呆れたように俺を見上げた里美だったが、すぐに何かを察したようで、
「凄い思い入れよう。女狐を全部切ったって訳ね……って事は私もか!」
可笑しそうにぷっと噴き出した。
……うるせぇ。間違っちゃいねぇけど。
「で? 俺に何か用か?」
「あっ、そうそう。はいこれ。敬介のでしょ?」
里美に渡されたのはA4サイズのマルタック封筒。
「昨日、またあの店に行ったのよ。そしたら、私達がいた席にこれがあったってマスターに言われてね。私のじゃないから敬介のかと思って。大事なものなら大変でしょう? だからこうして届けに来たわけ」
手渡された茶封筒。確かに俺のだ。しかし……。
「里美、悪い。中身チラシ」
「はぁ~?」
留めてあった玉ひもを解き、封筒から中身を取り出して、ヒラヒラさせながら里美に見せた。
「何よこれ。大事なものじゃなかったの?」
「まぁ……」
「敬介、いつから主夫になったのよ」
ガックリと頭を垂らす里美。
ヒラヒラさせたそれは、学校近辺のスーパーの折り込みチラシだった。
文化祭で、やきそばの屋台を出すことになっている我がクラス。材料をどこで調達するか、その参考までに集めたものだと説明すると、
「生徒の個人情報でもあったら大変と思って、急いで来てあげたのに!」
また睨まれる。
「悪いな。ポストにでも入れといてくれりゃ良かったのに」
「そうね。私もそう思ったわ。でもね、マンションは知ってても、上げても貰った事のない部屋の番号まで知らなくてねッ!」
「……」
火に油。向けられている目が一段と細まり、余計に怒りを煽ってしまったらしい。
「わ、悪かったって」
「今日は旦那様と食事に行く約束してるのに、時間ない所わざわざ届けに来てあげたのよ。感謝しなさいよね」
「ホント、悪い」
何とか穏便に済まそうと謝っていると、里美の背後に人の気配感じ目を向ける。
アイツっ! 何で一人で帰らせてんだよ!
距離と夜のせいで顔までははっきり見えなくても、間違えるはずがない。制服のままこちらに向って歩いて来るのは、誰も隣に置かず一人帰宅する奈央だった。
寄り道でもしてたのか? 芹沢はどうしたんだよ?
芹沢が送らなかったことに沸き立つ苛つきと、その理由について尋ねる事が出来ないもどかしさ。気にするなというのが無理な話で、俺は奈央が歩いてくる方に何度も目線をチラチラと飛ばす。
そして、そんな俺に気付きもしない里美は、お構いなしに惚気トークに勝手に突入していた。
「今日はね、旦那の誕生日なのよ。お互いに仕事で遅くなっても、今日だけは一緒に食事しようってなってね。これからディナーを楽しむ予定なの」
「……良かったな」
心此処にあらずで適当に相槌しても、気になるのは奈央の事ばかり。
こんな所で里美といるところを見られたら、更に誤解の上塗りだろう。寧ろ、俺と里美の関係が間違いないものだと確信すら持つはずだ。
「それでね、」
奈央を気に掛けながらも、わざわざ封筒を届けに来てくれた、嬉しそうに話す里美も邪険には出来ない。
「ああ、それで?」
「夜はスイートを予約してあるの」
結婚してもまだ『恋してます』とでもいう風に、かつて俺の前では見せなかった、照れた顔で話す里美。
……アホらし。
そう思っている間に、どんどん奈央と俺との物理的距離は縮まる。
「そりゃ良かったな。じゃ、早く行けよ。時間ないんだろ?」
「何か、素っ気なくない?」
興味津々で聞く方が可笑しいだろ。
「もしかして、敬介ヤキモチ?」
里美に対して、そんな感情を持ち合わせていないのを誰よりも知っていながら、ふざけた会話を続ける内に、奈央はすぐそこまでやって来ていた。
「馬鹿なこと言ってないでさっさと行けよ」
何とか帰らせようと試みたが、事もあろうか、とんでもないタイミングで、とんでもない冗談を浮かれた里美が投下した。
「妬かない、妬かない! 敬介の方が上だから?」
「何が?」
「ベッドの上なら、敬介のテクニックの方が断然上っ……んっ!」
何を言い出すんだッ!
慌てて右手で里美の口を押えたものの、時既に遅し。奈央は里美のすぐ後ろにいて、何事もなかったように俺達の横を通り過ぎて行った。
里美も人がいた為に口を塞がれたと認識したのだろう。抵抗もせずに、奈央がマンションに入って行く姿をずっと目で追いかけていた。
「ねぇ、今の女子高生。凄い綺麗な子じゃなかった? お人形さんみたいに何もかも整ってるって感じ!」
奈央の姿が見えなくなると、押えていた俺の手を振り払い、口を開く里美。
その目線は、奈央が消えて行ったマンションに向けられたままだ。
「ねぇ、今の話。絶対聞かれてたわよね?」
あぁ、間違いなくな。よりによってお前、その時だけ声をでかくしてたしな。
「今の子って、みんなあんな感じなの?」
視線を俺の元へ戻した里美が尋ねてくる。
「あんな感じって?」
「あの子、私の話聞いても全く動じないんだもの。慌てるとか照れるとかあってもよさそうなのに。ぜんぜん気にしてないみたいじゃない?」
「……」
「今の女子高生は、感情が乏しいのかしら?」
そう言ってフッと笑った後で、里美は言葉を付け足した。
「まるで中身まで感情のないお人形さんみたい」
……アイツは人形なんかじゃねぇ。人を気遣う優しさだって持っている。苦しい事を苦しいと、辛い事を辛いと言えないだけだ。
それに、楽しければ楽しいって、ちゃんと笑えるんだって俺は知っている。奈央は、人形なんかじゃねぇよ。
「どうしたの? 黙っちゃって。ヤダ、今の子が可愛いからって、オイタしようとか思ってないでしょうね。駄目よ、そんな事したら。仮にも敬介は教職者なんだから」
「……するかよ」
「ならいいけど。あっ、私そろそろ行かないと」
里美は停めてあった車のドアを開けエンジンをかけると、
「じゃあね、敬介!」
運転席へと乗り込んだ。
「あぁ。ありがとな」
窓を開け手を上げた里美は、アクセルを踏み込み旦那の待つ温かい場所へと帰って行った。
エンジンの音はあっという間に遠退き、静まり返った住宅街。一人立ち尽くした俺の頭の中は、里美の言葉が何度も蘇る。
『まるで中身まで感情のないお人形さんみたい』
本当は、里美に言ってやりたかった。人形なんかじゃないと、直ぐに否定してやりたかった。しかし、それが出来なかったのは、俺の目にも、そう映ったからだ。
大きな瞳は無機質にも見えガラス玉みたいだった。ピクリとも動かない仮面のような表情は、感情を知らない“人形”と言われても、否定出来るだけの温もりが見当たらなかった。
挙げ句、歩くスピードも変えず、俺には一切意識を囚われず素通りして行った、更なるダメージの追い討ち。
里美との関係を誤解される以前に、興味すら持たれていない空気のような扱いに打ちのめされる。
──アイツの中から、俺はもう排除されたのかもしれない。
寂しさと悲しみ。様々な想いが去来していた。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
氷萌
恋愛
彼との未来を本気で考えていた―――
ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。
それは同棲の話が出ていた矢先だった。
凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。
ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。
実は彼、厄介な事に大の女嫌いで――
元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる