デウス・エクス・マキナ〜機械仕掛けの神託〜

パーンの歌声 ２

ところ代わり、数分後の連合王国特殊部隊SFSG内管理センターはアメリカの変革にいち早く気付いた。

「総隊長殿、アメリカ大陸すべての通信が突如途絶えました」

通信担当の衛兵が総隊長スミス・ベン・ジョンソンに通信を回した。

「衛生インターネット経由の通信、電話、無線すべてが切断。現在、すべてが通信不可能となっております。衛星からの映像では、アメリカ大陸自体に特に何かあった様子は伺えません」

焦り気味に言葉を発する衛兵に対し、スミスは冷静な面持ちでこう言った。

「すぐさま総局に通達。イギリス軍事通信衛星『スカイネット6A』からアメリカの対移動局衛生『MUOS』と各通信衛星にコンタクトを試み、ホワイトハウスかペンタゴンに通信出来るか試みてくれ。その際、コンタクトがバレないように軍事通信用の暗号で試みよ。それと、念の為、各軍に戦闘配備の準備とステルス戦闘機『テンペスト』の遠隔ドローン飛行での偵察、場合によっては、各国に人命救助要請を発令するように準備してくれるように要請してくれ。すぐに発進できる『テンペスト』全機だ。残りの戦闘機もすぐに乗り込み、すぐさま、発進できる準備はしておけ。それと、国内のITエンジニアに通信システムの復旧を依頼するように頼んでくれ。あと、各省とアメリカのイギリス大使館にも、すぐに通信確保をするように通達してくれ」

総隊長がそう言うと、衛兵たちは、

「Yes-sir！」

と、一斉に声を上げた。

「各国には通達しますか？」

ひとりの衛兵がそう告げると、

「まずは確認が先だ。英国国内だけアメリカと通信が途絶えてるとは考えにくい。各国も通信が途絶えているならば、各国の混乱にこちらまで巻き込まれる訳にはいかない。それは国連の上層部に任せれいい。わたしはイギリス政府に確認を取ってくる」

「Yes－sir！総隊長！！」

そう、衛兵は声を荒々しくしながら、スミスに敬礼をした。

それにしても、どうゆうことだ。何があったというんだ・・・

スミスは少し頭を抱えながら、ポケットからモバイル通信機器を取り出し、急ぎ足で管理センターを後にした。