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今のところ、ルメイン男爵令嬢とリカード、スチュワートが接触している様子はない
男爵令嬢は近づいてきているようだが、前の様に二人が男爵令嬢と懇意になってはいないのだ
前、と違って僕が男爵令嬢を不用意に近づけさせないから、二人も男爵令嬢に特別関わるような事はしないのだ
王太子の側近候補に選ばれるだけあって、本来あの二人は身分だけではなく、優秀な者達である
リカードはキャサリンとの仲もそれなりに上手くいっているみたいだ
キャサリンも前の時は辛い思いをしていたのだろう、と思う
僕の言動でまた、前のような思いをさせないように、くれぐれも二人に勘違いさせる事がないように気を引き締めなければならない
そして、エヴァリーナはとても穏やかに日々を過ごしている
キャサリンという友人が出来た事で楽しそうに笑っている事もよく見るようになった
エヴァリーナの笑顔を見ているだけで頬が緩む
「·····殿下、またエヴァリーナ嬢を眺めて、本当に飽きませんね」
ランバードが僕の顔の前でヒラヒラと手を振りながら呆れている
「飽きる?飽きるわけがないだろう?イブを見ているだけでも幸せな気分になれるんだから」
「良かったですねぇ、エヴァリーナ嬢が婚約者で。でも気を付けてくださいよ。殿下やエヴァリーナ嬢に近づこうと蛾が飛び回ってますよ」
飄々とした笑みを浮かべてランバードが口にした
「その蛾、とは男爵令嬢か?」
「ああ、殿下もお気づきでしたか。リカードの周りもうろついているので、調べさせているところですよ」
やっぱりこの男を側近候補に加えたのは正解だったな。
軽く飄々としているように見せかけて抜かりがない。早々に男爵令嬢の動きに目をつけている
前は、男爵令嬢に入れ込むリカードをさっさと見限っていたな。婚約を解消してもキャサリン嬢には瑕疵がついてしまったが
「詳しく調べて報告してほしい。で、今のところはどんな感じなんだ?」
自分やエヴァリーナには影をつけているが、他の状況はまだ耳に入ってきていない
「下位クラスの子息達に擦り寄っていますよ。中々見事なものですよ。上手く言い寄って次々と男を取り込んでいますね。令嬢達からは嫌悪されていますけどね」
「下位クラスの子息達か」
「殿下やリカード達が狙いみたいですが、まあそんな簡単に近づけませんからねぇ」
やっぱり狙ってくるか。
もし今回は、僕が勘違いさせるような事をせずに、男爵令嬢も何もしてこなければ放っておくつもりだったが、前回も男爵令嬢は初めから計算づくで近寄ってきていたというわけだ
庶子で貴族のルールやマナーにはまだ慣れていないのだろうと、距離感のなさやマナーの欠如には目を瞑って大目に見ていたが、今回は許さない
目に余るようなら早めに排除も視野にいれておかなければ
男爵令嬢は近づいてきているようだが、前の様に二人が男爵令嬢と懇意になってはいないのだ
前、と違って僕が男爵令嬢を不用意に近づけさせないから、二人も男爵令嬢に特別関わるような事はしないのだ
王太子の側近候補に選ばれるだけあって、本来あの二人は身分だけではなく、優秀な者達である
リカードはキャサリンとの仲もそれなりに上手くいっているみたいだ
キャサリンも前の時は辛い思いをしていたのだろう、と思う
僕の言動でまた、前のような思いをさせないように、くれぐれも二人に勘違いさせる事がないように気を引き締めなければならない
そして、エヴァリーナはとても穏やかに日々を過ごしている
キャサリンという友人が出来た事で楽しそうに笑っている事もよく見るようになった
エヴァリーナの笑顔を見ているだけで頬が緩む
「·····殿下、またエヴァリーナ嬢を眺めて、本当に飽きませんね」
ランバードが僕の顔の前でヒラヒラと手を振りながら呆れている
「飽きる?飽きるわけがないだろう?イブを見ているだけでも幸せな気分になれるんだから」
「良かったですねぇ、エヴァリーナ嬢が婚約者で。でも気を付けてくださいよ。殿下やエヴァリーナ嬢に近づこうと蛾が飛び回ってますよ」
飄々とした笑みを浮かべてランバードが口にした
「その蛾、とは男爵令嬢か?」
「ああ、殿下もお気づきでしたか。リカードの周りもうろついているので、調べさせているところですよ」
やっぱりこの男を側近候補に加えたのは正解だったな。
軽く飄々としているように見せかけて抜かりがない。早々に男爵令嬢の動きに目をつけている
前は、男爵令嬢に入れ込むリカードをさっさと見限っていたな。婚約を解消してもキャサリン嬢には瑕疵がついてしまったが
「詳しく調べて報告してほしい。で、今のところはどんな感じなんだ?」
自分やエヴァリーナには影をつけているが、他の状況はまだ耳に入ってきていない
「下位クラスの子息達に擦り寄っていますよ。中々見事なものですよ。上手く言い寄って次々と男を取り込んでいますね。令嬢達からは嫌悪されていますけどね」
「下位クラスの子息達か」
「殿下やリカード達が狙いみたいですが、まあそんな簡単に近づけませんからねぇ」
やっぱり狙ってくるか。
もし今回は、僕が勘違いさせるような事をせずに、男爵令嬢も何もしてこなければ放っておくつもりだったが、前回も男爵令嬢は初めから計算づくで近寄ってきていたというわけだ
庶子で貴族のルールやマナーにはまだ慣れていないのだろうと、距離感のなさやマナーの欠如には目を瞑って大目に見ていたが、今回は許さない
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