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11 ヒロインと
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ある日、人気のない廊下でヒロインとばったり出会った私は、思い切って声を掛けてみた。
「ジュリエッタ・リーファットと申します。ミーフィア・サンタナ男爵令嬢ですよね」
「はい、そうです」
急に話し掛けられたミーフィアは驚いた顔をしていたが、少し話したいと言うと快く頷いてくれた。
殆ど人がくる事のない裏庭に誘って移動する。
話し掛けてここまできたものの、どう切り出そうか迷っていたのだけど、思い切ってズバッといく事にした。
「あの、思い切って聞きたいんだけど、ミーフィアさんって、何か他の記憶があったりしません?」
私の発言に目を見開いたミーフィアは力強く頷いて肯定した。
「あります。あのゲームのですよね?もしかしなくても、ジュリエッタ様も?」
頷いた私は、なんか恥ずかしいから様って言うのは止めてほしいと言うと、ミーフィアもなんか分かると言って笑った。
「えっと、ジュリエッタさんはいつ思い出したんですか?」
「私は10歳の時に」
「私は男爵さんに引き取られた時です。あれ?って」
「急に色んな記憶出てくるから吃驚するよね。私は前は23歳まで生きてたみたいなんだけど」
「私は19歳でした。本当に吃驚ですよね」
お互いにゲームの記憶がある事を確認した私達は少し打ち解けると、ミーフィアは
「乙女ゲームもだけど、結構流行ってた転生もののざまあとかも思い出しちゃって。悪役令嬢も転生してたら、私ちょっとやばいかなぁ、って焦っちゃって。だって、このゲームの結末って、あれ·····じゃないですか」
「うん、私も色々考えた。ヒロインも転生してて、小説とかも読んでたら多分色々あるかなぁって。まあ、ざまあしてやろうとかは考えなかったけどね」
流石に結末知ってて、拷問とかよりは陵辱結末ならそれでもいいかな、なんて思っていた事は言えずに苦笑した。
「うん、なんかそんな事にならなさそうだなっとは思ってた。それに、私好きな人いるし」
「え、そうなの?」
「うん。男爵さんに引き取られてから、王都のタウンハウス?にいたんだけど、その隣が、男爵さんの親友の子爵さんのタウンハウスでね。その子爵さんの息子さんと仲良くなって、その息子さん、セイバン様っていうんですけど、一つ歳上で凄く優しくてかっこよくて、大好きになっちゃったんですよ」
可愛らしい顔に可愛らしい笑みを浮かべながらミーフィアが話す。
その顔を見ているとやっぱり凄く可愛いなぁと思う。
「そのセイバン様?との関係はどんな感じなの?」
「えへへぇ、セイバン様に好きって言ったら、セイバン様も私の事好きになったって言ってくれたんですよぉ」
「じゃあ両思いなんだね。ミーフィアさん凄く幸せそうな顔してる」
「はい、幸せですよ。だって、それを男爵さんと子爵さんに話したら、実は婚約させよう、って話してたらしくて、すぐ婚約しましたっ」
パチパチパチ、思わず私はミーフィアの行動力と幸せに拍手をする。
「良かったねぇ。あ、もしかしてセイバン様ってデビュタントでエスコートされてた方?」
「そうですよ。ドレスもセイバン様と相談して決めて贈ってもらったんです」
「あのクリーム色のドレス、凄く似合っていて素敵だった」
ふふっと幸せそうに笑うミーフィアに私も釣られて笑う。
「あ、ジュリエッタさんのドレスも凄く素敵でした。アイザック殿下とお色合わせまでしてて凄く愛し合ってるって感じ」
「いや、あれはちょっと悪目立ちしてたんじゃないかと」
「いえいえ、すっごく似合ってたし、周りもだけど、クラスの友達も大興奮だったもん。アイザック殿下は黒髪だから髪の色には合わせられないし、瞳は金色だけど、ゴールドのドレスは素敵だけどジュリエッタさんの髪がブロンドだから、目立つように瞳の色に合わせたあの色だったと思うんですよね。二人揃って唯一無二みたいな色のドレス。デビュタントでダーク色は中々着ないからこそ、態と目立つあの色を選んだんじゃないかともっぱらの噂ですよ」
「意図は分からないんだけど、そんな噂があったんだ」
ミーフィアの勢いに押されてしまいながら、そんな噂になっていたとは恥ずかしくなってくる。
「愛されてますねぇ」
「愛、されて、いるのかなぁ·····とは最近思うようになったかも」
「やっぱりゲームの事気になってた?」
「気になってなかったと言えば嘘になるかな。どうしても比べちゃったりはしてたし」
「ですよね。でも、全然違うんじゃないかな。あ、でもセイバン様と婚約したのは、ざまあされたくないからとか考えたからじゃないですよ?」
ミーフィアもあれを知っているだけに気遣わしけな表情になっている。
「うん。それは話を聞いてて分かった。ミーフィアさんがセイバン様の事凄く好きなのが伝わったから。そうだよね、何か気にしてばっかりは馬鹿みたいだよね。私も、もうちょっと素直になってみようかなって思ってる」
「それがいいと思う。それにしても、ジュリエッタさん凄いですよね。圧倒されちゃう」
「見た目でしょ?私も、今自分の姿だから言うのもなんか変な感じだけど、悪役令嬢のポテンシャル凄いよね」
「うん、やっぱり圧倒的な綺麗さ。完璧な美人なんだもん。こんな綺麗な人が世の中にいるなんて信じられないくらい」
「それを言ったらミーフィアさんの可愛さもだけどね。本当に可愛いんだもん。ヒロインの可愛さってもう別次元だよね」
「確かにすんごい可愛いよね。華奢で小柄だったり、可愛いって言われる要素全部詰め込んだ感じ」
もし誰かが聞いていたら、お互い自画自賛しながら褒め合ってるようにしか聞こえないような遣り取りを暫く交わす。
この時はお互いに完全な第三者目線の客観的な感想でしかない。
「でもさゲームの中だけど、王子様もジュリエッタ様をあんな目に合わせるとかよく出来たよね。こんな美人なんだよ?」
「あれはだってほら、愛するヒロインをジュリエッタが虐めたからでしょ。破落戸に襲わせるとか完全にやり過ぎじゃない?」
「まあそれはやり過ぎとは思うけど、あそこまでさせたのって、結局王子様とヒロインだよね。浮気しといて目の前でキスするとかやり過ぎだよ。まあ、ジュリエッタさんとアイザック殿下のキスシーンだったら、私は見たいけど」
「人前でキスとかしないから!」
「えー、残念」
結局ゲームの感想や意見やこの国についての事など取り留めなく話しているうちに、鐘の音が鳴って午後の授業の予告を告げる鐘だ。
「ねぇミーフィアさん、入学式の時、居眠りしてなかった?」
「あー、あれはー、入学式の前の日に男爵家の馬車の調子が悪くなって修理に出したんですよ。それで入学式の日はセイバン様の馬車で一緒に行く事になって、それで子爵家にお泊まりしたんです。学園の事とか教えてもらってたら朝方になっちゃって、だから入学式は眠くて眠くて」
あはは、と笑いながらミーフィアが答えた。
あれはやっぱり本当に居眠りしていたらしい。
「成程、·····っていうか、学園の話って朝方まで掛かる程聞く事ある?」
「まあ、それはほら、色々とですよ」
笑って誤魔化すミーフィアに、瞬時に理解した私は、それ以上踏み込んだ事を聞くのはやめた。まあ、そういう事だ。
「色々話せて楽しかったし良かった。これからもよろしくね」
「こちらこそ、ジュリエッタさん」
さて教室に帰ろうかと二人で歩き始めると、ミーフィアが立ち止まって口をパクパクさせる。
ん?どうしたのかしらと、ミーフィアが目を見開いて見ている方向に視線を向けると──────────────ひぃぃぃぃっ──────────────
アイザックが裏庭の校舎の壁に背を持たせかけて立っていた。
物凄く笑顔で、私の顔を見ている。
「ジュリエッタ・リーファットと申します。ミーフィア・サンタナ男爵令嬢ですよね」
「はい、そうです」
急に話し掛けられたミーフィアは驚いた顔をしていたが、少し話したいと言うと快く頷いてくれた。
殆ど人がくる事のない裏庭に誘って移動する。
話し掛けてここまできたものの、どう切り出そうか迷っていたのだけど、思い切ってズバッといく事にした。
「あの、思い切って聞きたいんだけど、ミーフィアさんって、何か他の記憶があったりしません?」
私の発言に目を見開いたミーフィアは力強く頷いて肯定した。
「あります。あのゲームのですよね?もしかしなくても、ジュリエッタ様も?」
頷いた私は、なんか恥ずかしいから様って言うのは止めてほしいと言うと、ミーフィアもなんか分かると言って笑った。
「えっと、ジュリエッタさんはいつ思い出したんですか?」
「私は10歳の時に」
「私は男爵さんに引き取られた時です。あれ?って」
「急に色んな記憶出てくるから吃驚するよね。私は前は23歳まで生きてたみたいなんだけど」
「私は19歳でした。本当に吃驚ですよね」
お互いにゲームの記憶がある事を確認した私達は少し打ち解けると、ミーフィアは
「乙女ゲームもだけど、結構流行ってた転生もののざまあとかも思い出しちゃって。悪役令嬢も転生してたら、私ちょっとやばいかなぁ、って焦っちゃって。だって、このゲームの結末って、あれ·····じゃないですか」
「うん、私も色々考えた。ヒロインも転生してて、小説とかも読んでたら多分色々あるかなぁって。まあ、ざまあしてやろうとかは考えなかったけどね」
流石に結末知ってて、拷問とかよりは陵辱結末ならそれでもいいかな、なんて思っていた事は言えずに苦笑した。
「うん、なんかそんな事にならなさそうだなっとは思ってた。それに、私好きな人いるし」
「え、そうなの?」
「うん。男爵さんに引き取られてから、王都のタウンハウス?にいたんだけど、その隣が、男爵さんの親友の子爵さんのタウンハウスでね。その子爵さんの息子さんと仲良くなって、その息子さん、セイバン様っていうんですけど、一つ歳上で凄く優しくてかっこよくて、大好きになっちゃったんですよ」
可愛らしい顔に可愛らしい笑みを浮かべながらミーフィアが話す。
その顔を見ているとやっぱり凄く可愛いなぁと思う。
「そのセイバン様?との関係はどんな感じなの?」
「えへへぇ、セイバン様に好きって言ったら、セイバン様も私の事好きになったって言ってくれたんですよぉ」
「じゃあ両思いなんだね。ミーフィアさん凄く幸せそうな顔してる」
「はい、幸せですよ。だって、それを男爵さんと子爵さんに話したら、実は婚約させよう、って話してたらしくて、すぐ婚約しましたっ」
パチパチパチ、思わず私はミーフィアの行動力と幸せに拍手をする。
「良かったねぇ。あ、もしかしてセイバン様ってデビュタントでエスコートされてた方?」
「そうですよ。ドレスもセイバン様と相談して決めて贈ってもらったんです」
「あのクリーム色のドレス、凄く似合っていて素敵だった」
ふふっと幸せそうに笑うミーフィアに私も釣られて笑う。
「あ、ジュリエッタさんのドレスも凄く素敵でした。アイザック殿下とお色合わせまでしてて凄く愛し合ってるって感じ」
「いや、あれはちょっと悪目立ちしてたんじゃないかと」
「いえいえ、すっごく似合ってたし、周りもだけど、クラスの友達も大興奮だったもん。アイザック殿下は黒髪だから髪の色には合わせられないし、瞳は金色だけど、ゴールドのドレスは素敵だけどジュリエッタさんの髪がブロンドだから、目立つように瞳の色に合わせたあの色だったと思うんですよね。二人揃って唯一無二みたいな色のドレス。デビュタントでダーク色は中々着ないからこそ、態と目立つあの色を選んだんじゃないかともっぱらの噂ですよ」
「意図は分からないんだけど、そんな噂があったんだ」
ミーフィアの勢いに押されてしまいながら、そんな噂になっていたとは恥ずかしくなってくる。
「愛されてますねぇ」
「愛、されて、いるのかなぁ·····とは最近思うようになったかも」
「やっぱりゲームの事気になってた?」
「気になってなかったと言えば嘘になるかな。どうしても比べちゃったりはしてたし」
「ですよね。でも、全然違うんじゃないかな。あ、でもセイバン様と婚約したのは、ざまあされたくないからとか考えたからじゃないですよ?」
ミーフィアもあれを知っているだけに気遣わしけな表情になっている。
「うん。それは話を聞いてて分かった。ミーフィアさんがセイバン様の事凄く好きなのが伝わったから。そうだよね、何か気にしてばっかりは馬鹿みたいだよね。私も、もうちょっと素直になってみようかなって思ってる」
「それがいいと思う。それにしても、ジュリエッタさん凄いですよね。圧倒されちゃう」
「見た目でしょ?私も、今自分の姿だから言うのもなんか変な感じだけど、悪役令嬢のポテンシャル凄いよね」
「うん、やっぱり圧倒的な綺麗さ。完璧な美人なんだもん。こんな綺麗な人が世の中にいるなんて信じられないくらい」
「それを言ったらミーフィアさんの可愛さもだけどね。本当に可愛いんだもん。ヒロインの可愛さってもう別次元だよね」
「確かにすんごい可愛いよね。華奢で小柄だったり、可愛いって言われる要素全部詰め込んだ感じ」
もし誰かが聞いていたら、お互い自画自賛しながら褒め合ってるようにしか聞こえないような遣り取りを暫く交わす。
この時はお互いに完全な第三者目線の客観的な感想でしかない。
「でもさゲームの中だけど、王子様もジュリエッタ様をあんな目に合わせるとかよく出来たよね。こんな美人なんだよ?」
「あれはだってほら、愛するヒロインをジュリエッタが虐めたからでしょ。破落戸に襲わせるとか完全にやり過ぎじゃない?」
「まあそれはやり過ぎとは思うけど、あそこまでさせたのって、結局王子様とヒロインだよね。浮気しといて目の前でキスするとかやり過ぎだよ。まあ、ジュリエッタさんとアイザック殿下のキスシーンだったら、私は見たいけど」
「人前でキスとかしないから!」
「えー、残念」
結局ゲームの感想や意見やこの国についての事など取り留めなく話しているうちに、鐘の音が鳴って午後の授業の予告を告げる鐘だ。
「ねぇミーフィアさん、入学式の時、居眠りしてなかった?」
「あー、あれはー、入学式の前の日に男爵家の馬車の調子が悪くなって修理に出したんですよ。それで入学式の日はセイバン様の馬車で一緒に行く事になって、それで子爵家にお泊まりしたんです。学園の事とか教えてもらってたら朝方になっちゃって、だから入学式は眠くて眠くて」
あはは、と笑いながらミーフィアが答えた。
あれはやっぱり本当に居眠りしていたらしい。
「成程、·····っていうか、学園の話って朝方まで掛かる程聞く事ある?」
「まあ、それはほら、色々とですよ」
笑って誤魔化すミーフィアに、瞬時に理解した私は、それ以上踏み込んだ事を聞くのはやめた。まあ、そういう事だ。
「色々話せて楽しかったし良かった。これからもよろしくね」
「こちらこそ、ジュリエッタさん」
さて教室に帰ろうかと二人で歩き始めると、ミーフィアが立ち止まって口をパクパクさせる。
ん?どうしたのかしらと、ミーフィアが目を見開いて見ている方向に視線を向けると──────────────ひぃぃぃぃっ──────────────
アイザックが裏庭の校舎の壁に背を持たせかけて立っていた。
物凄く笑顔で、私の顔を見ている。
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