20 / 46
18
しおりを挟む
「リーザロッテ、公爵家の一行は無事領地に到着したそうだよ。後は兄上達に任せよう」
公爵一行に帯同していた影の者から連絡があった
セレスティアの加護のおかげで休憩もそこそこに領地まで移動したらしい
王太子からも、ライディン王国からリンドル公爵領に外務大臣と念の為に術士を送り込んだと連絡がきていた
「エルバルト様、本当にありがとうございます」
「いや、こちらは明日は大詰めの日だ。リーザロッテは辛い立場に立たされる事になるだろうが、必ず助ける。どうか信じてくれ」
「エルバルト様達には、助けて頂いてばかりですわ。本当に感謝してもし足りない程でございます」
頭を下げるリーザロッテの手を握りしめたセレスティアは
「私達、お友達ですもの。お友達を助けるのは当然ですわ。ね、エルバルト様」
エルバルトも他の三人も力強く頷いた
感情を表に出さないようにと厳しく教育されたリーザロッテは、無表情に見える表の顔には表さないが、内心は涙が出るくらいに、この五人の気遣いに感謝していた
ルルアが現れてから、学園でリーザロッテの味方は誰一人いなくなったが、今ならこの状況にも耐えられそうだと思った
明日、おそらくリーザロッテは、リチャードに婚約破棄されるだろう、そして新たな婚約者にルルアがなる
普通ならば、いくらリチャードがルルアと婚約したいと言ったとしても、国王に反対されて終わるのだろうが、ルルアが聖女と認められた今、誰も反対する者はいないのだろうと、リーザロッテは思った
実際はリーザロッテが考えているよりももっと状況は悪くなっているのだが
各国で起きている婚約破棄劇のようにリーザロッテにも死刑か、それに近いくらいの処分をルルアは求めるだろう
エルバルト達は、その処分が言い渡される前にリーザロッテをそこから連れ出す予定である
一度処分を言い渡されてからでは、それを覆すのは流石に難しくなってしまうからだ
エルバルトも王太子でさえも、各国で起こる婚約破棄劇の末に元婚約者である令嬢が処刑されるのかという疑問が解けなかった
いくつかの国で捕えられた聖女もどきの令嬢達を問い詰めても、悪役令嬢は、最後は処刑と決まっているのだと口を揃えて言うのだが、その理由を聞いても理由らしいものがないのだ
ただ皆口を揃えて言うのだ、自分はヒロインで幸せになるのが当たり前で、悪役令嬢は処刑になる事が決まっている、それだけなのだと
だからエルバルト達は、明日、そうなる前にリーザロッテを連れ出さなければならない
公爵一行に帯同していた影の者から連絡があった
セレスティアの加護のおかげで休憩もそこそこに領地まで移動したらしい
王太子からも、ライディン王国からリンドル公爵領に外務大臣と念の為に術士を送り込んだと連絡がきていた
「エルバルト様、本当にありがとうございます」
「いや、こちらは明日は大詰めの日だ。リーザロッテは辛い立場に立たされる事になるだろうが、必ず助ける。どうか信じてくれ」
「エルバルト様達には、助けて頂いてばかりですわ。本当に感謝してもし足りない程でございます」
頭を下げるリーザロッテの手を握りしめたセレスティアは
「私達、お友達ですもの。お友達を助けるのは当然ですわ。ね、エルバルト様」
エルバルトも他の三人も力強く頷いた
感情を表に出さないようにと厳しく教育されたリーザロッテは、無表情に見える表の顔には表さないが、内心は涙が出るくらいに、この五人の気遣いに感謝していた
ルルアが現れてから、学園でリーザロッテの味方は誰一人いなくなったが、今ならこの状況にも耐えられそうだと思った
明日、おそらくリーザロッテは、リチャードに婚約破棄されるだろう、そして新たな婚約者にルルアがなる
普通ならば、いくらリチャードがルルアと婚約したいと言ったとしても、国王に反対されて終わるのだろうが、ルルアが聖女と認められた今、誰も反対する者はいないのだろうと、リーザロッテは思った
実際はリーザロッテが考えているよりももっと状況は悪くなっているのだが
各国で起きている婚約破棄劇のようにリーザロッテにも死刑か、それに近いくらいの処分をルルアは求めるだろう
エルバルト達は、その処分が言い渡される前にリーザロッテをそこから連れ出す予定である
一度処分を言い渡されてからでは、それを覆すのは流石に難しくなってしまうからだ
エルバルトも王太子でさえも、各国で起こる婚約破棄劇の末に元婚約者である令嬢が処刑されるのかという疑問が解けなかった
いくつかの国で捕えられた聖女もどきの令嬢達を問い詰めても、悪役令嬢は、最後は処刑と決まっているのだと口を揃えて言うのだが、その理由を聞いても理由らしいものがないのだ
ただ皆口を揃えて言うのだ、自分はヒロインで幸せになるのが当たり前で、悪役令嬢は処刑になる事が決まっている、それだけなのだと
だからエルバルト達は、明日、そうなる前にリーザロッテを連れ出さなければならない
11
お気に入りに追加
348
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されて満足したので聖女辞めますね、神様【完結、以降おまけの日常編】
佐原香奈
恋愛
聖女は生まれる前から強い加護を持つ存在。
人々に加護を分け与え、神に祈りを捧げる忙しい日々を送っていた。
名ばかりの婚約者に毎朝祈りを捧げるのも仕事の一つだったが、いつものように訪れると婚約破棄を言い渡された。
婚約破棄をされて喜んだ聖女は、これ以上の加護を望むのは強欲だと聖女引退を決意する。
それから神の寵愛を無視し続ける聖女と、愛し子に無視される神に泣きつかれた神官長。
婚約破棄を言い出した婚約者はもちろんざまぁ。
だけどどうにかなっちゃうかも!?
誰もかれもがどうにもならない恋愛ストーリー。
作者は神官長推しだけど、お馬鹿な王子も嫌いではない。
王子が頑張れるのか頑張れないのか全ては未定。
勢いで描いたショートストーリー。
サイドストーリーで熱が入って、何故かドタバタ本格展開に!
以降は甘々おまけストーリーの予定だけど、どうなるかは未定
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
その聖女、娼婦につき ~何もかもが遅すぎた~
ノ木瀬 優
恋愛
卒業パーティーにて、ライル王太子は、レイチェルに婚約破棄を突き付ける。それを受けたレイチェルは……。
「――あー、はい。もう、そういうのいいです。もうどうしようもないので」
あっけらかんとそう言い放った。実は、この国の聖女システムには、ある秘密が隠されていたのだ。
思い付きで書いてみました。全2話、本日中に完結予定です。
設定ガバガバなところもありますが、気楽に楽しんで頂けたら幸いです。
R15は保険ですので、安心してお楽しみ下さい。
転生したら死にそうな孤児だった
佐々木鴻
ファンタジー
過去に四度生まれ変わり、そして五度目の人生に目覚めた少女はある日、生まれたばかりで捨てられたの赤子と出会う。
保護しますか? の選択肢に【はい】と【YES】しかない少女はその子を引き取り妹として育て始める。
やがて美しく育ったその子は、少女と強い因縁があった。
悲劇はありません。難しい人間関係や柵はめんどく(ゲフンゲフン)ありません。
世界は、意外と優しいのです。
あなたが捨てた私は、もう二度と拾えませんよ?
AK
恋愛
「お前とはもうやっていけない。婚約を破棄しよう」
私の婚約者は、あっさりと私を捨てて王女殿下と結ばれる道を選んだ。
ありもしない噂を信じ込んで、私を悪女だと勘違いして突き放した。
でもいいの。それがあなたの選んだ道なら、見る目がなかった私のせい。
私が国一番の天才魔導技師でも貴女は王女殿下を望んだのだから。
だからせめて、私と復縁を望むような真似はしないでくださいね?
婚約破棄された令嬢は森で静かに暮らしたい
しざくれ
恋愛
ソフィアは家族にも周囲にも疎まれて育った。それは妹が光の聖女に選ばれたから。公爵家に産まれているのになんの才能もないと蔑まれていたのだ。
そして、妹に惚れ込んでいる第二王子であり、ソフィアの婚約者の男から婚約破棄を受けた時、ソフィアは意を決する。
「家を出よう」
そう決めたソフィアの行動は早かった。16を数えたばかりのソフィアは家を出た。そして見つけてしまった。『伝説の魔女』と呼ばれた稀代の英傑を。
それから20歳になる。
師匠と崇めた老婆が死に、ソフィアは育った森で、弱った冒険者を助けたり、時に大疫病に効く薬を作ったりと活躍をする……。
そんなソフィア宛に、かつて婚約破棄をした王子や、その国からの招待状やらが届く。もちろん他の国からも。時には騎士達も来るが……。
ソフィアは静かに森で暮らしてたいだけなのだが、どうも周囲はそうさせてくれないよう。
イケメンに化けるドラゴンさんも、そんなソフィアを脅かす一人なのだ。
【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!
宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。
そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。
慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。
貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。
しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。
〰️ 〰️ 〰️
中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。
完結しました。いつもありがとうございます!
お望み通りに婚約破棄したのに嫌がらせを受けるので、ちょっと行動を起こしてみた。
夢草 蝶
恋愛
婚約破棄をしたのに、元婚約者の浮気相手から嫌がらせを受けている。
流石に疲れてきたある日。
靴箱に入っていた呼び出し状を私は──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる