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朝、シストラ王国の王都民は王城の前の広場に集まっていた
教会と王家から緊急の告示があるとして集められたのだ
学園に通っている生徒達は告示の内容を推察して、今か今かと待ちわびている
広場近くに作られた豪奢なテラスに、シストラ王国の国王と王妃がゆっくりと現れた
「皆の者、朝早くからご苦労である。皆の為に急ぎ、告示いたす事がある」
堂々とした国王の声が広場に響き渡ると、テラスの奥から、王太子と教会の大司教にエスコートされたルルアが現れた
純白の豪華なベールをきたルルアは可愛らしく手を振っている
「ここにいる、ミンス男爵家のルルア嬢が、この度、神のお告げを賜った。ルルア嬢こそが、聖女様であられると。我が国建国の際に現れた、伝説の、聖女様以来の、尊き方であられる」
ゆっくりと、広場にいる者にしっかり聞こえるように、ゆっくりと大司教が告げた
「ルルアです。神様に私が聖女だと言われました。びっくりしましたけど、大司教様にも認められました。よろしくお願いします」
教養も感じられない幼く拙いセリフを言うと、ルルアはニコニコと笑って手を振る
広場の、空気が変わった気配がした
割れんばかりの拍手と興奮に広場は包まれていた
おそらく、アレの影響が広がったと、広場の近くで見ていたエルバルト達は確認した
昨夜の内に公爵家を訪ねておいて良かったと胸を撫で下ろす
リーザロッテにも、加護の付いたペンダントと魔石の付いたブレスレットを肌身離さぬようにと付けて学園に行く
前日とは比べ物にならないくらいの生徒達の興奮とリーザロッテへの敵意のこもった視線を感じる事となる
「エルバルトさまぁ、ルルア、正式に聖女になったんですよぉ」
「そうみたいだね。今朝、広場で聞いていたよ」
「きゃあ、エルバルトさまも聞いてくださってたんですかぁ」
甲高く甘ったるい声にげんなりとしながらも、にこやかな王子様スマイルを絶やさない
「頑張ってね」
面倒臭いと思っている事をおくびにも出さずそう言うと自分の席に着いた
その後からリドウィン達が続き、セレスティアと共にリーザロッテが教室に入ると
「どうして、リーザロッテ様がエルバルト様と一緒にいるんですかぁ?」
五人と共に教室に入ったリーザロッテに早速ルルアが絡む
「リーザロッテ様は、私とお友達なのですわ。ね」
セレスティアがルルアとリーザロッテの間に入る
ルルアがムッとした表情でセレスティアを睨んだ
「セレスティア様には聞いてません」
「失礼な物言いをするものではありませんわ。セレスティア様には親しくして頂いておりますの」
リーザロッテがルルアを諌める
他国からの留学生である王族と貴族に対する物言いをリーザロッテは注意したのだが、リーザロッテが何か言うと虐められているのだと振り替えるルルアは目をウルウルさせてリチャード達の方を見る
リチャードがルルアを庇ってリーザロッテを責める
「失礼なのはお前の方だ。ルルアは、伝説の聖女を継ぐ我が国の聖女なんだ」
リーザロッテは驚愕していた、建国の際にこの国の礎を築いた聖女とルルアを同じだと、王太子であるリチャードが言った事を信じられない思いでいたのだ
「リチャード王太子殿下、リンドル公爵令嬢は、貴方の婚約者でしょう。ミンス男爵令嬢がもし聖女だとしても、そんな言い方をするものではないのではないか」
ここで一番角が立たないであろうエルバルトがリチャードを諌める
リチャードは苛立った表情を見せたが、黙って踵を返すと、乱暴に自分の席に歩いていった
教会と王家から緊急の告示があるとして集められたのだ
学園に通っている生徒達は告示の内容を推察して、今か今かと待ちわびている
広場近くに作られた豪奢なテラスに、シストラ王国の国王と王妃がゆっくりと現れた
「皆の者、朝早くからご苦労である。皆の為に急ぎ、告示いたす事がある」
堂々とした国王の声が広場に響き渡ると、テラスの奥から、王太子と教会の大司教にエスコートされたルルアが現れた
純白の豪華なベールをきたルルアは可愛らしく手を振っている
「ここにいる、ミンス男爵家のルルア嬢が、この度、神のお告げを賜った。ルルア嬢こそが、聖女様であられると。我が国建国の際に現れた、伝説の、聖女様以来の、尊き方であられる」
ゆっくりと、広場にいる者にしっかり聞こえるように、ゆっくりと大司教が告げた
「ルルアです。神様に私が聖女だと言われました。びっくりしましたけど、大司教様にも認められました。よろしくお願いします」
教養も感じられない幼く拙いセリフを言うと、ルルアはニコニコと笑って手を振る
広場の、空気が変わった気配がした
割れんばかりの拍手と興奮に広場は包まれていた
おそらく、アレの影響が広がったと、広場の近くで見ていたエルバルト達は確認した
昨夜の内に公爵家を訪ねておいて良かったと胸を撫で下ろす
リーザロッテにも、加護の付いたペンダントと魔石の付いたブレスレットを肌身離さぬようにと付けて学園に行く
前日とは比べ物にならないくらいの生徒達の興奮とリーザロッテへの敵意のこもった視線を感じる事となる
「エルバルトさまぁ、ルルア、正式に聖女になったんですよぉ」
「そうみたいだね。今朝、広場で聞いていたよ」
「きゃあ、エルバルトさまも聞いてくださってたんですかぁ」
甲高く甘ったるい声にげんなりとしながらも、にこやかな王子様スマイルを絶やさない
「頑張ってね」
面倒臭いと思っている事をおくびにも出さずそう言うと自分の席に着いた
その後からリドウィン達が続き、セレスティアと共にリーザロッテが教室に入ると
「どうして、リーザロッテ様がエルバルト様と一緒にいるんですかぁ?」
五人と共に教室に入ったリーザロッテに早速ルルアが絡む
「リーザロッテ様は、私とお友達なのですわ。ね」
セレスティアがルルアとリーザロッテの間に入る
ルルアがムッとした表情でセレスティアを睨んだ
「セレスティア様には聞いてません」
「失礼な物言いをするものではありませんわ。セレスティア様には親しくして頂いておりますの」
リーザロッテがルルアを諌める
他国からの留学生である王族と貴族に対する物言いをリーザロッテは注意したのだが、リーザロッテが何か言うと虐められているのだと振り替えるルルアは目をウルウルさせてリチャード達の方を見る
リチャードがルルアを庇ってリーザロッテを責める
「失礼なのはお前の方だ。ルルアは、伝説の聖女を継ぐ我が国の聖女なんだ」
リーザロッテは驚愕していた、建国の際にこの国の礎を築いた聖女とルルアを同じだと、王太子であるリチャードが言った事を信じられない思いでいたのだ
「リチャード王太子殿下、リンドル公爵令嬢は、貴方の婚約者でしょう。ミンス男爵令嬢がもし聖女だとしても、そんな言い方をするものではないのではないか」
ここで一番角が立たないであろうエルバルトがリチャードを諌める
リチャードは苛立った表情を見せたが、黙って踵を返すと、乱暴に自分の席に歩いていった
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