305 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
286【挨拶回りの前後編38】四班の場合(二巡目)
しおりを挟む
【パラディン大佐隊・第四班第一号ブリッジ】
四班長・ワンドレイ
「一班も二班もあの三班も、一巡目よりいいタイム出してきやがった!」
副長
「スポーツならともかく、二回目のほうがタイムはいいのが普通でしょう。でも、今回は悪いほうのタイムが採用されるので、今のところ順位は変わっていませんけれども」
ワンドレイ
「そうだ。つまり、うちは二巡目でどんなにいいタイムを出したとしても、他の班がうちより悪いタイムを出さないかぎり、最下位からは脱出できない……!」
副長
「最初が肝心でしたね」
ワンドレイ
「他人事みたいに言うな!」
副長
「しかし、うちだけ六分台で最下位なのは事実ですし」
ワンドレイ
「……そうだな。せめて二巡目では、二班の一巡目のタイムを越える!」
副長
「目標低いですね」
ワンドレイ
「越えられそうもない目標立てたって、むなしくなるだけだろ!」
副長
「それもそうですね。そういう目標しか立てられない、今の状況がすでにむなしいです」
ワンドレイ
「……〝移動しながら縦〟さえなければ……!」
副長
「休憩時間だけでは足りませんでしたね。次回に備えて、練習しながら帰りましょうか」
ワンドレイ
「行きもそうすればよかったな……」
副長
「そうですね。……そうしていたら最下位にはならなかったという保証はどこにもありませんけれども」
***
【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】
パラディン
『それでは、四班の二巡目の計測、開始します! 五、四、三、二、一、ゴー!』
八班長・ブロック
「もう最下位内定してるのに、二巡目やるの、つらいなあ」
副長・ウィルスン
「いや、まだわからないぞ? 六班がまた失格になる可能性もある」
ブロック
「それはあるけど……〝移動しながら縦〟、一巡目よりはましになったけど、二班レベルにも届いてないなあ」
ウィルスン
「さりげなく、二班もディスってるな」
ブロック
「これは……ペナルティで元四班長を派遣しないと!」
ウィルスン
「四班に元四班長を派遣。……元四班長、〝今日だけ四班長〟って呼ばれるの、すごく複雑だろうな……」
ブロック
「四班長より、元四班長にものすごく同情する」
***
【パラディン大佐隊・第四班第一号ブリッジ】
パラディン
『四班、お疲れ様! 二巡目のタイムは……五分二十三秒七二! 五分台にはなれたね! でも、最終タイムは一巡目の六分三秒〇五! 他の班はこれ以上悪いタイムは出さないでね!』
ワンドレイ
「二班の一巡目のタイムさえ越えられなかった……!」
副長
「大佐のコメントもひどい! でも、そう言いたくなる気持ちはよくわかります!」
ワンドレイ
「……俺も班長やめたくなってきた……」
副長
「やめてくださいよ。こうなった責任とってからやめてくださいよ」
ワンドレイ
「……何が悪かったんだろうな……」
副長
「合同演習のとき、八班を見逃してしまったのがいちばん悪かったと思いますが、とりあえず、練習不足ということにしておきましょう」
ワンドレイ
「やっぱりあれか! ……そうだな。そういうことにしとくしかないな」
四班長・ワンドレイ
「一班も二班もあの三班も、一巡目よりいいタイム出してきやがった!」
副長
「スポーツならともかく、二回目のほうがタイムはいいのが普通でしょう。でも、今回は悪いほうのタイムが採用されるので、今のところ順位は変わっていませんけれども」
ワンドレイ
「そうだ。つまり、うちは二巡目でどんなにいいタイムを出したとしても、他の班がうちより悪いタイムを出さないかぎり、最下位からは脱出できない……!」
副長
「最初が肝心でしたね」
ワンドレイ
「他人事みたいに言うな!」
副長
「しかし、うちだけ六分台で最下位なのは事実ですし」
ワンドレイ
「……そうだな。せめて二巡目では、二班の一巡目のタイムを越える!」
副長
「目標低いですね」
ワンドレイ
「越えられそうもない目標立てたって、むなしくなるだけだろ!」
副長
「それもそうですね。そういう目標しか立てられない、今の状況がすでにむなしいです」
ワンドレイ
「……〝移動しながら縦〟さえなければ……!」
副長
「休憩時間だけでは足りませんでしたね。次回に備えて、練習しながら帰りましょうか」
ワンドレイ
「行きもそうすればよかったな……」
副長
「そうですね。……そうしていたら最下位にはならなかったという保証はどこにもありませんけれども」
***
【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】
パラディン
『それでは、四班の二巡目の計測、開始します! 五、四、三、二、一、ゴー!』
八班長・ブロック
「もう最下位内定してるのに、二巡目やるの、つらいなあ」
副長・ウィルスン
「いや、まだわからないぞ? 六班がまた失格になる可能性もある」
ブロック
「それはあるけど……〝移動しながら縦〟、一巡目よりはましになったけど、二班レベルにも届いてないなあ」
ウィルスン
「さりげなく、二班もディスってるな」
ブロック
「これは……ペナルティで元四班長を派遣しないと!」
ウィルスン
「四班に元四班長を派遣。……元四班長、〝今日だけ四班長〟って呼ばれるの、すごく複雑だろうな……」
ブロック
「四班長より、元四班長にものすごく同情する」
***
【パラディン大佐隊・第四班第一号ブリッジ】
パラディン
『四班、お疲れ様! 二巡目のタイムは……五分二十三秒七二! 五分台にはなれたね! でも、最終タイムは一巡目の六分三秒〇五! 他の班はこれ以上悪いタイムは出さないでね!』
ワンドレイ
「二班の一巡目のタイムさえ越えられなかった……!」
副長
「大佐のコメントもひどい! でも、そう言いたくなる気持ちはよくわかります!」
ワンドレイ
「……俺も班長やめたくなってきた……」
副長
「やめてくださいよ。こうなった責任とってからやめてくださいよ」
ワンドレイ
「……何が悪かったんだろうな……」
副長
「合同演習のとき、八班を見逃してしまったのがいちばん悪かったと思いますが、とりあえず、練習不足ということにしておきましょう」
ワンドレイ
「やっぱりあれか! ……そうだな。そういうことにしとくしかないな」
1
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。
無冠の皇帝
有喜多亜里
BL
「連邦」、「連合」に次ぐ銀河系内の第三勢力「帝国」。その宗主であった「連合」五星系の一つザイン星系は「帝国」の再植民地化をもくろみ侵攻しようとするも「帝国」宇宙軍と皇帝軍護衛艦隊に阻まれる。「帝国」の元皇太子アーウィンが司令官を務める皇帝軍護衛艦隊の鉄則はただ一つ。〝全艦殲滅〟。――なーんて感じの「なんちゃってSF」。コメディ寄りのボーイズラブ(自称)。大佐(変態だけどまとも)×元皇太子(ツンデレストーカー)。
----
◆BOOTH様で同人誌を通販しています。既刊4冊(https://aarikita.booth.pm/)。
◆表紙はかんたん表紙メーカー様で作成いたしました。ありがとうございました(2023/03/16)。
----
◆「第11回BL小説大賞」(2023)で奨励賞をいただきました。ありがとうございました。
◆「第12回BL大賞」(2024)で奨励賞をいただきました。ありがとうございました。
心からの愛してる
マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。
全寮制男子校
嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります
※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる