301 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
282【挨拶回りの前後編34】休憩タイム
しおりを挟む
【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】
艦長席で、スクイズボトルから水を飲んでいるパラディン。
モルトヴァンはその隣に立っている。
パラディン
「ふう。カンペ読むだけでも疲れたよ!」
モルトヴァン
「お疲れ様でした。二巡目は他の者にやらせましょうか?」
パラディン
「いや! 最後までやる! 私も少しは仕事をしないと!」
モルトヴァン
「そうですね……今回の訓練、全部エリゴール中佐が考えてますしね……」
パラディン、聞こえないふりをして。
パラディン
「一巡目が終わって、暫定一位は十一班。以下、一班、十二班、三班、八班、九班、五班、十班、七班、二班、そして最下位が四班か。ダークホースの三班と失格になった六班以外は、おおむね予想どおりだな」
モルトヴァン
「ええ……特に四班は、期待以上に最下位になってくれましたね……あれ以上悪いタイムは出そうと思っても出せないでしょう……」
パラディン
「願わくは、あれが今回の最長タイムであってほしいが、何事も絶対ということはないからねえ。四班が十位以上になってしまう可能性もなきにしもあらずだ」
モルトヴァン
「確か、三班はどんなにいいタイムを出しても〝留守番〟になってしまうんでしたよね?」
パラディン
「ああ、そうだ。だから、四班より悪いタイムを出した班が三班以外に一班でも出たら、四班は〝留守番〟ではなくなってしまう」
モルトヴァン
「……六班、大丈夫ですか?」
パラディン
「万が一、二巡目でも同じミスをしたら、そのときは見逃してやろう」
モルトヴァン
「……それにしても、三班は暫定四位なのに〝留守番〟ですか。二巡目でどうなるかわかりませんが、もし十位以上で終わったとしたら、三班員たちは悔しい思いをするでしょうね」
パラディン
「しかし、エリゴール中佐は、あくまで臨時の班長だ。正式な班長が決まっても、来週いきなり出撃は厳しいだろう。彼の判断は妥当だよ」
モルトヴァン
「……今度は四班がこれまでの三班のようにならないでしょうか……」
パラディン
「そのときはそのときだ。エリゴール中佐にどうにかしてもらおう」
モルトヴァン
「丸投げする気、満々ですね」
パラディン
「そのほうがうまく回るからな。もちろん、すべての責任は私が負う。そのかわり、一度くらいは食事に付き合ってもらおうか」
モルトヴァン
「まだ諦めていなかったんですか。昨日、クッキー一緒に食べたじゃないですか」
パラディン
「あれは食事じゃない! しかも、三枚しか食べなかった!」
モルトヴァン
「私は一枚も食べていませんが……」
パラディン
「最後の一枚はおまえにやろう」
モルトヴァン
「その一枚は湿気っていそうですね……」
艦長席で、スクイズボトルから水を飲んでいるパラディン。
モルトヴァンはその隣に立っている。
パラディン
「ふう。カンペ読むだけでも疲れたよ!」
モルトヴァン
「お疲れ様でした。二巡目は他の者にやらせましょうか?」
パラディン
「いや! 最後までやる! 私も少しは仕事をしないと!」
モルトヴァン
「そうですね……今回の訓練、全部エリゴール中佐が考えてますしね……」
パラディン、聞こえないふりをして。
パラディン
「一巡目が終わって、暫定一位は十一班。以下、一班、十二班、三班、八班、九班、五班、十班、七班、二班、そして最下位が四班か。ダークホースの三班と失格になった六班以外は、おおむね予想どおりだな」
モルトヴァン
「ええ……特に四班は、期待以上に最下位になってくれましたね……あれ以上悪いタイムは出そうと思っても出せないでしょう……」
パラディン
「願わくは、あれが今回の最長タイムであってほしいが、何事も絶対ということはないからねえ。四班が十位以上になってしまう可能性もなきにしもあらずだ」
モルトヴァン
「確か、三班はどんなにいいタイムを出しても〝留守番〟になってしまうんでしたよね?」
パラディン
「ああ、そうだ。だから、四班より悪いタイムを出した班が三班以外に一班でも出たら、四班は〝留守番〟ではなくなってしまう」
モルトヴァン
「……六班、大丈夫ですか?」
パラディン
「万が一、二巡目でも同じミスをしたら、そのときは見逃してやろう」
モルトヴァン
「……それにしても、三班は暫定四位なのに〝留守番〟ですか。二巡目でどうなるかわかりませんが、もし十位以上で終わったとしたら、三班員たちは悔しい思いをするでしょうね」
パラディン
「しかし、エリゴール中佐は、あくまで臨時の班長だ。正式な班長が決まっても、来週いきなり出撃は厳しいだろう。彼の判断は妥当だよ」
モルトヴァン
「……今度は四班がこれまでの三班のようにならないでしょうか……」
パラディン
「そのときはそのときだ。エリゴール中佐にどうにかしてもらおう」
モルトヴァン
「丸投げする気、満々ですね」
パラディン
「そのほうがうまく回るからな。もちろん、すべての責任は私が負う。そのかわり、一度くらいは食事に付き合ってもらおうか」
モルトヴァン
「まだ諦めていなかったんですか。昨日、クッキー一緒に食べたじゃないですか」
パラディン
「あれは食事じゃない! しかも、三枚しか食べなかった!」
モルトヴァン
「私は一枚も食べていませんが……」
パラディン
「最後の一枚はおまえにやろう」
モルトヴァン
「その一枚は湿気っていそうですね……」
1
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
弟いわく、ここは乙女ゲームの世界らしいです
慎
BL
――‥ 昔、あるとき弟が言った。此処はある乙女ゲームの世界の中だ、と。我が侯爵家 ハワードは今の代で終わりを迎え、父・母の散財により没落貴族に堕ちる、と… 。そして、これまでの悪事が晒され、父・母と共に令息である僕自身も母の息の掛かった婚約者の悪役令嬢と共に公開処刑にて断罪される… と。あの日、珍しく滑舌に喋り出した弟は予言めいた言葉を口にした――‥ 。
目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件
水野七緒
BL
一見チャラそうだけど、根はマジメな男子高校生・星井夏樹。
そんな彼が、ある日、現代とよく似た「別の世界(パラレルワールド)」の夏樹と入れ替わることに。
この世界の夏樹は、浮気性な上に「妹の彼氏」とお付き合いしているようで…?
※終わり方が2種類あります。9話目から分岐します。※続編「目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件」連載中です(2022.8.14)
なぜか第三王子と結婚することになりました
鳳来 悠
BL
第三王子が婚約破棄したらしい。そしておれに急に婚約話がやってきた。……そこまではいい。しかし何でその相手が王子なの!?会ったことなんて数えるほどしか───って、え、おれもよく知ってるやつ?身分偽ってたぁ!?
こうして結婚せざるを得ない状況になりました…………。
金髪碧眼王子様×黒髪無自覚美人です
ハッピーエンドにするつもり
長編とありますが、あまり長くはならないようにする予定です
無自覚美少年のチート劇~ぼくってそんなにスゴいんですか??~
白ねこ
BL
ぼくはクラスメイトにも、先生にも、親にも嫌われていて、暴言や暴力は当たり前、ご飯もろくに与えられない日々を過ごしていた。
そんなぼくは気づいたら神さま(仮)の部屋にいて、呆気なく死んでしまったことを告げられる。そして、どういうわけかその神さま(仮)から異世界転生をしないかと提案をされて―――!?
前世は嫌われもの。今世は愛されもの。
自己評価が低すぎる無自覚チート美少年、爆誕!!!
****************
というようなものを書こうと思っています。
初めて書くので誤字脱字はもちろんのこと、文章構成ミスや設定崩壊など、至らぬ点がありすぎると思いますがその都度指摘していただけると幸いです。
暇なときにちょっと書く程度の不定期更新となりますので、更新速度は物凄く遅いと思います。予めご了承ください。
なんの予告もなしに突然連載休止になってしまうかもしれません。
この物語はBL作品となっておりますので、そういうことが苦手な方は本作はおすすめいたしません。
R15は保険です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる