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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

282【挨拶回りの前後編34】休憩タイム

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【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】

 艦長席で、スクイズボトルから水を飲んでいるパラディン。
 モルトヴァンはその隣に立っている。

パラディン
「ふう。カンペ読むだけでも疲れたよ!」

モルトヴァン
「お疲れ様でした。二巡目は他の者にやらせましょうか?」

パラディン
「いや! 最後までやる! 私も少しは仕事をしないと!」

モルトヴァン
「そうですね……今回の訓練、全部エリゴール中佐が考えてますしね……」

 パラディン、聞こえないふりをして。

パラディン
「一巡目が終わって、暫定一位は十一班。以下、一班、十二班、三班、八班、九班、五班、十班、七班、二班、そして最下位が四班か。ダークホースの三班と失格になった六班以外は、おおむね予想どおりだな」

モルトヴァン
「ええ……特に四班は、期待以上に最下位になってくれましたね……あれ以上悪いタイムは出そうと思っても出せないでしょう……」

パラディン
「願わくは、あれが今回の最長タイムであってほしいが、何事も絶対ということはないからねえ。四班が十位以上になってしまう可能性もなきにしもあらずだ」

モルトヴァン
「確か、三班はどんなにいいタイムを出しても〝留守番〟になってしまうんでしたよね?」

パラディン
「ああ、そうだ。だから、四班より悪いタイムを出した班が三班以外に一班でも出たら、四班は〝留守番〟ではなくなってしまう」

モルトヴァン
「……六班、大丈夫ですか?」

パラディン
「万が一、二巡目でも同じミスをしたら、そのときは見逃してやろう」

モルトヴァン
「……それにしても、三班は暫定四位なのに〝留守番〟ですか。二巡目でどうなるかわかりませんが、もし十位以上で終わったとしたら、三班員たちは悔しい思いをするでしょうね」

パラディン
「しかし、エリゴール中佐は、あくまで臨時の班長だ。正式な班長が決まっても、来週いきなり出撃は厳しいだろう。彼の判断は妥当だよ」

モルトヴァン
「……今度は四班がこれまでの三班のようにならないでしょうか……」

パラディン
「そのときはそのときだ。エリゴール中佐にどうにかしてもらおう」

モルトヴァン
「丸投げする気、満々ですね」

パラディン
「そのほうがうまく回るからな。もちろん、すべての責任は私が負う。そのかわり、一度くらいは食事に付き合ってもらおうか」

モルトヴァン
「まだ諦めていなかったんですか。昨日、クッキー一緒に食べたじゃないですか」

パラディン
「あれは食事じゃない! しかも、三枚しか食べなかった!」

モルトヴァン
「私は一枚も食べていませんが……」

パラディン
「最後の一枚はおまえにやろう」

モルトヴァン
「その一枚は湿気っていそうですね……」
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