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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
248【交換ついでに合同演習編153】合同演習二日目:路線変更
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【パラディン大佐隊・第十二班第一号待機室】
ザボエス
「おーす」
班員たち
「うぃーす」
ヴァッサゴ
「今日は珍しく早く帰ってきたな」
ザボエス
「あー、今日はエリゴールが早く上がりたかったみてえでな。結局、野暮用があるからって途中で抜けてったわ。まあ、大佐んとこ行ったんだろうな。一班長の代わりに」
ヴァッサゴ
「代わりっていうか……実質、一班長だよな」
ザボエス
「俺もそう思うが、エリゴールはぜってえ認めねえな」
ヴァッサゴ
「しかし、軍艦を交換するための合同演習だったとはいえ、とても実戦には活かせそうもない内容だったな……」
ザボエス
「ああ、それでエリゴールがめちゃくちゃ腹立ててたわ。昨日も今日も、コールタン大佐のせいでグダグダになったってよ」
ヴァッサゴ
「それはまあ……確かにそうだな」
ザボエス
「実際のところ、今日は勝てなくてもいいって思ってたんじゃねえのかな、エリゴール。ところが、よりにもよってコールタン大佐がアルスターと同じことしようとしたもんだから、予定変更してどんな手を使ってでも勝つことにした。あいつ、実はああいう〝ズル〟は好きじゃねえから」
ヴァッサゴ
「でも、そんな〝ズル〟ができたのも、三班に〝死んだふり〟してた奴がいたからだろ? まさか、あの三班にそんな奴がいるとは思わなかった……」
ザボエス
「どこにでも例外はいるわな。そういや、エリゴールが出てった後に、三班長が一班長に話がしたいって申し出てたわ。三人で会議室行っちまったから、どんな話をしたかはわかんねえけど」
ヴァッサゴ
「うーん……〝死んだふり〟した奴の話かねえ……って、三人?」
ザボエス
「ああ。一班長の介添えで、フィリップス副長もついてったから」
ヴァッサゴ
「介添え……」
ザボエス
「いいよなあ……フィリップス副長の介添え……うらやましすぎる……」
ヴァッサゴ
「……ザボエス」
ザボエス
「何だ?」
ヴァッサゴ
「おまえ……フィリップス副長には気に入られなくてもいいって言ってたよな? 褒め言葉は罵り言葉よりバリエーションが少ないとか何とかかんとか」
ザボエス
「そうだな。そんなことを言っていたときもあったな」
ヴァッサゴ
「……今は違うのか?」
ザボエス
「罵られるのもいいが、今日みたいな演習では褒められたいよな」
ヴァッサゴ
「……あれ、褒めてたか……?」
ザボエス
「少なくとも、俺らの働きを認めてはくれただろ」
ヴァッサゴ
「でも、勝ったせいで、〝飴ちゃん〟はもらえなくなっただろうが。うちだけもらえてないって、あんなに欲しがってたのに」
ザボエス
「欲しくねえことはねえよ。ただ、もらうなら実力でもらいてえな。あと、エリゴールから直接じゃなくて、フィリップス副長経由でもらいてえ」
ヴァッサゴ
「……それ、エリゴールにもフィリップス副長にも絶対言うなよ?」
ザボエス
「言わねえよ。言ったが最後、元パラディン大佐隊に飛ばされる」
ヴァッサゴ
「そこはわかってるんだな。……よかった」
ザボエス
「とりあえず、今日は声も録れて、顔も見れて、会話もちょっとだけできたから、満足満足」
ヴァッサゴ
「やっぱりよくなかった……!」
プルソン
(元三班長……俺たちには何も言えないので、これからもよろしくお願いいたします……!)
ザボエス
「おーす」
班員たち
「うぃーす」
ヴァッサゴ
「今日は珍しく早く帰ってきたな」
ザボエス
「あー、今日はエリゴールが早く上がりたかったみてえでな。結局、野暮用があるからって途中で抜けてったわ。まあ、大佐んとこ行ったんだろうな。一班長の代わりに」
ヴァッサゴ
「代わりっていうか……実質、一班長だよな」
ザボエス
「俺もそう思うが、エリゴールはぜってえ認めねえな」
ヴァッサゴ
「しかし、軍艦を交換するための合同演習だったとはいえ、とても実戦には活かせそうもない内容だったな……」
ザボエス
「ああ、それでエリゴールがめちゃくちゃ腹立ててたわ。昨日も今日も、コールタン大佐のせいでグダグダになったってよ」
ヴァッサゴ
「それはまあ……確かにそうだな」
ザボエス
「実際のところ、今日は勝てなくてもいいって思ってたんじゃねえのかな、エリゴール。ところが、よりにもよってコールタン大佐がアルスターと同じことしようとしたもんだから、予定変更してどんな手を使ってでも勝つことにした。あいつ、実はああいう〝ズル〟は好きじゃねえから」
ヴァッサゴ
「でも、そんな〝ズル〟ができたのも、三班に〝死んだふり〟してた奴がいたからだろ? まさか、あの三班にそんな奴がいるとは思わなかった……」
ザボエス
「どこにでも例外はいるわな。そういや、エリゴールが出てった後に、三班長が一班長に話がしたいって申し出てたわ。三人で会議室行っちまったから、どんな話をしたかはわかんねえけど」
ヴァッサゴ
「うーん……〝死んだふり〟した奴の話かねえ……って、三人?」
ザボエス
「ああ。一班長の介添えで、フィリップス副長もついてったから」
ヴァッサゴ
「介添え……」
ザボエス
「いいよなあ……フィリップス副長の介添え……うらやましすぎる……」
ヴァッサゴ
「……ザボエス」
ザボエス
「何だ?」
ヴァッサゴ
「おまえ……フィリップス副長には気に入られなくてもいいって言ってたよな? 褒め言葉は罵り言葉よりバリエーションが少ないとか何とかかんとか」
ザボエス
「そうだな。そんなことを言っていたときもあったな」
ヴァッサゴ
「……今は違うのか?」
ザボエス
「罵られるのもいいが、今日みたいな演習では褒められたいよな」
ヴァッサゴ
「……あれ、褒めてたか……?」
ザボエス
「少なくとも、俺らの働きを認めてはくれただろ」
ヴァッサゴ
「でも、勝ったせいで、〝飴ちゃん〟はもらえなくなっただろうが。うちだけもらえてないって、あんなに欲しがってたのに」
ザボエス
「欲しくねえことはねえよ。ただ、もらうなら実力でもらいてえな。あと、エリゴールから直接じゃなくて、フィリップス副長経由でもらいてえ」
ヴァッサゴ
「……それ、エリゴールにもフィリップス副長にも絶対言うなよ?」
ザボエス
「言わねえよ。言ったが最後、元パラディン大佐隊に飛ばされる」
ヴァッサゴ
「そこはわかってるんだな。……よかった」
ザボエス
「とりあえず、今日は声も録れて、顔も見れて、会話もちょっとだけできたから、満足満足」
ヴァッサゴ
「やっぱりよくなかった……!」
プルソン
(元三班長……俺たちには何も言えないので、これからもよろしくお願いいたします……!)
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