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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

244【交換ついでに合同演習編149】合同演習二日目:それだけはわかる

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【パラディン大佐隊・ミーティング室】

エリゴール
「何だ、俺たちが最後か。いつも思うが、速やかすぎるほど速やかに集合してくれるな」

フィリップス
「昨日は遅刻者多かったけどな」

六班長・ラムレイ
「うっ!」

七班長・カットナー
「でも、そのおかげで楽しいイベントが……」

レラージュ
「……徳用チョコじゃなくて干物投げつけてやりたくなりますね」

十一班長・ロノウェ
「たぶん、あいつらは何投げたって喜んで拾うぞ」

レラージュ
「よく考えたら拾われるほうが嫌ですね。やめておきます」

七班長・カットナー
「ええっ!」

エリゴール
「それじゃあ、速やかに解散できるよう、とっとと総括するぞ」

ロノウェ・ザボエス
「うぃーす」

〝砲撃隊〟の班長たち
「……す」

フィリップス
「慣れなくて、まだ言えない」

一班長・ハワード
「『イエッサー』のほうがまだ言いやすいな」

エリゴール
「ちなみに、今日の総括は一班長がするはずだったが、胃が痛いそうなので、今日も俺がすることになった。残念だろうが我慢してくれ」

一班長以外の班長たち
「うぃーす」

フィリップス
「もう慣れたのか。早いな」

一班長・ハワード
「俺も元四班長の嫌味にはもう慣れた……」

フィリップス
「慣れるなよ。悔しがれよ」

エリゴール
「とりあえずはお疲れさん。いろいろあったが、今日もうちが勝った。よって、十二班長に〝飴ちゃん〟をやる必要はなくなった。よかったな」

十二班長以外の班長たち
「うぃーす」

十二班長・ザボエス
「最初に言うのがそれかよ」

エリゴール
「いちばん大事なことだろ」

フィリップス
「そうそう。手段はともかく、二日連続でうちが勝ったってことだからな。手段はともかく」

一班長・ハワード
「二度も言うことないだろ」

フィリップス
「大事なことなので二度言った」

エリゴール
「それと、フィリップス副長の予想どおり、最初だけだがコールタン大佐隊はいつもの陣を敷いていた。よって、フィリップス副長に〝飴ちゃん〟十個を進呈する。……ほらよ」

 エリゴール、飴の入った保存袋をフィリップスに手渡す。

フィリップス
「やった! ……何だ。投げて渡さないのか」

エリゴール
「この距離でどうやって投げるんだよ」

フィリップス
「距離が必要か? じゃあ、自動ドアのとこまで移動するか?」

エリゴール
「そんなに投げ渡されたいのか」

フィリップス
「いや、何か楽しそうだったから」

六班長・ラムレイ
「楽しそう……」

八班長・ブロック
「そんなふうに見えてたんだ……」

エリゴール
「悪いが、今日はとっとと終わらせたいから手渡しだ。あと、それはフィリップス副長個人のもので、一班のものじゃないぞ。一班分に加算するなよ」

一班長・ハワード
「そ、そんな!」

フィリップス
「元四班長……俺から一班に寄贈するのは駄目か?」

エリゴール
「フィリップス副長がよければそれでもいいぞ」

一班長・ハワード
「フィリップス!」

フィリップス
「よし! じゃあ、五個だけ一班にやるよ、おとっつぁん!」

一班長・ハワード
「……十個全部じゃないのか?」

フィリップス
「もともと全部俺のもんなんだから、五個だけでも有り難いと思いなよ、おとっつぁん」

一班長・ハワード
「フィリップス……」

エリゴール
「というわけで、今日の演習内容だ。……俺が殿下だったら、今日付でコールタン大佐を〝栄転〟にする」

フィリップス
「ひい! 昨日よりも怒りが深い!」

一班長・ハワード
「まあ、護衛としては不安を覚える出来だったしな……」

エリゴール
「コールタン大佐隊を〝砲撃〟と〝護衛〟の二隊に分けさせたのはうちの大佐だろうから、そこは申し訳ないなと大目に見るとして、どうして〈デュランダル〉単独で背面撃ちしようとした! そんな暇があったら正面から俺たちを撃ち落とせ! その無駄に長い有効射程を活かせ!」

フィリップス
「いや、それをやられてたら、うちは負けてたよ」

エリゴール
「負けていいだろう! 今日のうちは『連合』だ!」

フィリップス
「そういえばそうだった!」

一班長・ハワード
「でも、『連合』になりきって、最後まで勝ちにこだわっていたよな……」

レラージュ
「それは当然です。演習ですから」

フィリップス
「真顔で断言!」

一班長・ハワード
「確かにそのとおりだが……〝墓場〟から撃つのはありか?」

三班長・プライス
「うちの班員が申し訳ない……!」

フィリップス
「いや、その班員……第二号の艦長のおかげで今日は勝てたんだけど……やっぱり、その艦長の独断だったのか」

三班長・プライス
「周囲によるとそうらしい。本人は今、大佐の軍艦ふねを撃ったショックで寝こんでいるそうだ……」

一班長・ハワード
「そうか……」

三班長以外
(絶対に嘘だな)

 ***

【コールタン大佐隊・執務室】

コールタン
「ドレイク大佐が挨拶回り……いったい何が目的だ?」

クルタナ
「さあ……とにかく、殿下からのメールでなくてよかったですね」

コールタン
「殿下なら、今頃このメール見て、自分には挨拶しないのかってヘソ曲げてるだろ」

クルタナ
「ドレイク大佐がメールを出してくれていて、本当によかったですね」
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