上 下
228 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

210【交換ついでに合同演習編115】合同演習一日目:切りこみ組の場合

しおりを挟む
【パラディン大佐隊・ミーティング室(右側)】

レラージュ
「……〝レフト〟とのトレードの件。真剣に考えたほうがいいかもしれません」 

七班長・カットナー
「え、俺たちの顔見て、開口一番それですか?」

十一班長・ロノウェ
「おまえらの中で、レラージュが投げたチョコ拾わなかったのは、遅刻した六班だけだ!」

三班長・四班長・七班長・九班長
「ぎっくうっ!」

六班長・ラムレイ
「え? 〝先生〟がチョコ投げた?」

七班長・カットナー
「そうだよ。レラージュ副長がフィリップス副長からもらった徳用チョコを、俺たちにぶつけてくれたんだよ」

六班長・ラムレイ
「……は?」

九班長・ビショップ
「馬鹿だなあ、ラムレイ。いつもどおりここに来てたら、おまえも参加できたのに」

六班長・ラムレイ
「え……十一班長、いったいどんなイベントがあったんですか!?」

十一班長・ロノウェ
「……〝変態はチョコを拾う〟」

七班長・カットナー
「十一班長、センスありますねー!」

九班長・ビショップ
「まさにそのとおりですよ!」

十一班長・ロノウェ
「自分たちが変態だということは否定しねえんだな?」

七班長・カットナー
「それも個性の一つですから!」

十一班長・ロノウェ
「ほんとに凡人じゃねえな」

六班長・ラムレイ
「その拾ったチョコはどうしたんだ?」

七班長・カットナー
「もちろん全部食べて、包み紙だけとっておいてある! レラージュ副長が直接触れたのは、その包み紙のほうだからな!」

レラージュ
「……班長。今度はメモリカードぶつけてやってもいいですか?」

十一班長・ロノウェ
「メモリカードはもったいねえから駄目だ。賞味期限思いっきり過ぎたチョコにしてやれ」

レラージュ
「ああ……それはいいですね……」

七班長・カットナー
「え、ということは第二回もあるんですね!? いつですか!? 明日ですか!?」

九班長・ビショップ
「……ラムレイ、どうした?」

六班長・ラムレイ
「今日遅刻して、損したのか得したのかわからない……」

 ***

レラージュ
「この前の出撃では、コールタン大佐の〈デュランダル〉は今までどおり左翼にはいましたが、配置は最後尾から先頭に戻していました。おそらく、いざというときにはパラディン大佐の援護をするためにそうしたのでしょう。しかし、明日の演習ではその必要はありませんから、配置はまた最後尾に戻すと思います」

十一班長・ロノウェ
「つまり、撤退するときには先頭になるってことだな?」

レラージュ
「そうです。フィリップス副長の読みどおりなら、最後尾の班を少しずつ切り崩してくるはずですが、護衛隊形のまま攻撃してくるのか、それとも護衛隊形を崩して攻撃してくるのかはわかりません。でも、いちばん可能性として高いのは、護衛隊形を崩して横列隊形で攻撃ではないでしょうか」

十一班長・ロノウェ
「横列隊形か……それなら〝魚〟が有利か」

レラージュ
「と思います」

十一班長・ロノウェ
「で、肝心の隊列のほうはどうするんだ?」

レラージュ
「面倒ですから、もうこれでいいです」

七班長・カットナー
「ええっ! まさかの横一列!?」

九班長・ビショップ
「うち、四班、十一班、六班、七班、三班……十一班と六班以外は、タイムがよかった順に左から並べただけ!?」

四班長・ワンドレイ
「……まだ順番覚えてたのか」

レラージュ
「作戦は何もありません。とにかくコールタン大佐隊をかわしつづけて、〈フラガラック〉役をしている〈オートクレール〉を撃ってください」

三班長・プライス
「何て大雑把な」

レラージュ
「たった一隻だけでも〈オートクレール〉を撃てれば、それでうちの勝ちになります。最悪、この〝ライト〟が全滅しても、まだ〝レフト〟がいます。正直、俺は〝レフト〟のほうに期待してます」

七班長・カットナー
「そんな! 同じチームなのに!」

レラージュ
「好きで同じチームになったわけじゃありません」

九班長・ビショップ
「うわ、ズバッときた、ズバッと!」

七班長・カットナー
「でも、快感!」

九班長・ビショップ
「……ラムレイ、どうした?」

六班長・ラムレイ
「できるものならおまえたちと縁を切りたい……ズバッと」

 ***

十一班長・ロノウェ
「……レラージュ。ほんとにこれでいいのか?」

レラージュ
「いいです。どんな並び順にしても、ほとんど意味はありません。やられる軍艦ふねはやられるし、生き残る軍艦ふねは生き残ります」

十一班長・ロノウェ
「サバイバルだな」

レラージュ
「……明日、コールタン大佐が本当にこうするかどうかはわかりませんが、フィリップス副長は護衛の〝大佐〟になれそうですね」

十一班長・ロノウェ
「月並みだが、人は見かけによらねえな」

レラージュ
「俺もこの隊の班長にこれほど変態が多いとは思いませんでした」

十一班長・ロノウェ
「……でも、うちの隊にも一人……」

レラージュ
「班ごと〝砲撃隊〟に異動させたいです」

十一班長・ロノウェ
「班長だけは喜ぶな……」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

風紀“副”委員長はギリギリモブです

柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。 俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。 そう、“副”だ。あくまでも“副”。 だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに! BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。

俺は成人してるんだが!?~長命種たちが赤子扱いしてくるが本当に勘弁してほしい~

アイミノ
BL
ブラック企業に務める社畜である鹿野は、ある日突然異世界転移してしまう。転移した先は森のなか、食べる物もなく空腹で途方に暮れているところをエルフの青年に助けられる。 これは長命種ばかりの異世界で、主人公が行く先々「まだ赤子じゃないか!」と言われるのがお決まりになる、少し変わった異世界物語です。 ※BLですがR指定のエッチなシーンはありません、ただ主人公が過剰なくらい可愛がられ、尚且つ主人公や他の登場人物にもカップリングが含まれるため、念の為R15としました。 初投稿ですので至らぬ点が多かったら申し訳ないです。 投稿頻度は亀並です。

大好きな乙女ゲームの世界に転生したぞ!……ってあれ?俺、モブキャラなのに随分シナリオに絡んでませんか!?

あるのーる
BL
普通のサラリーマンである俺、宮内嘉音はある日事件に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。 しかし次に目を開けた時、広がっていたのは中世ファンタジー風の風景だった。前世とは似ても似つかない風貌の10歳の侯爵令息、カノン・アルベントとして生活していく中、俺はあることに気が付いてしまう。どうやら俺は「きっと未来は素晴らしく煌めく」、通称「きみすき」という好きだった乙女ゲームの世界に転生しているようだった。 ……となれば、俺のやりたいことはただ一つ。シナリオの途中で死んでしまう運命である俺の推しキャラ(モブ)をなんとしてでも生存させたい。 学園に入学するため勉強をしたり、熱心に魔法の訓練をしたり。我が家に降りかかる災いを避けたり辺境伯令息と婚約したり、と慌ただしく日々を過ごした俺は、15になりようやくゲームの舞台である王立学園に入学することができた。 ……って、俺の推しモブがいないんだが? それに、なんでか主人公と一緒にイベントに巻き込まれてるんだが!? 由緒正しきモブである俺の運命、どうなっちゃうんだ!? ・・・・・ 乙女ゲームに転生した男が攻略対象及びその周辺とわちゃわちゃしながら学園生活を送る話です。主人公が攻めで、学園卒業まではキスまでです。 始めに死ネタ、ちょくちょく虐待などの描写は入るものの相手が出てきた後は基本ゆるい愛され系みたいな感じになるはずです。

愛されなかった俺の転生先は激重執着ヤンデレ兄達のもと

糖 溺病
BL
目が覚めると、そこは異世界。 前世で何度も夢に見た異世界生活、今度こそエンジョイしてみせる!ってあれ?なんか俺、転生早々監禁されてね!? 「俺は異世界でエンジョイライフを送るんだぁー!」 激重執着ヤンデレ兄達にトロトロのベタベタに溺愛されるファンタジー物語。 注※微エロ、エロエロ ・初めはそんなエロくないです。 ・初心者注意 ・ちょいちょい細かな訂正入ります。

攻略対象者に転生したので全力で悪役を口説いていこうと思います

りりぃ
BL
俺、百都 涼音は某歌舞伎町の人気№1ホストそして、、、隠れ腐男子である。 仕事から帰る途中で刺されてわりと呆気なく26年間の生涯に幕を閉じた、、、、、、、、、はずだったが! 転生して自分が最もやりこんでいたBLゲームの世界に転生することとなったw まあ転生したのは仕方ない!!仕方ないから俺の最推し 雅きゅん(悪役)を口説こうではないか(( ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーキリトリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー タイトルどうりの内容になってます、、、 完全不定期更新でございます。暇つぶしに書き始めたものなので、いろいろゆるゆるです、、、 作者はリバが大好物です。基本的に主人公攻めですが、後々ifなどで出すかも知れません、、、 コメント下さると更新頑張ります。誤字脱字の報告でもいいので、、、 R18は保険です、、、 宜しくお願い致します、、、

管理委員長なんてさっさと辞めたい

白鳩 唯斗
BL
王道転校生のせいでストレス爆発寸前の主人公のお話

悪役無双

四季
BL
 主人公は、神様の不注意によって命を落とし、異世界に転生する。  3歳の誕生日を迎えた時、前世のBLゲームの悪役令息であることに気づく。  しかし、ゲームをプレイしたこともなければ、当然のごとく悪役になるつもりもない主人公は、シナリオなど一切無視、異世界を精一杯楽しんでいく。  本人はただ楽しく生きてるだけなのに、周りはどんどん翻弄されていく。  兄も王子も、冒険者や従者まで、無自覚に愛されていきます。 いつかR-18が出てくるかもしれませんが、まだ未定なので、R指定はつけないでおきます。 ご意見ご要望お待ちしております。 最後に、第9回BL小説大賞に応募しております。応援よろしくお願いします。

処理中です...