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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
186【交換ついでに合同演習編91】合同演習一日目:副長モテキ
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【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】
パラディン
「今日もエリゴール中佐はいない……が、やる気はある!」
モルトヴァン
「やる気というか……殺る気ですね」
パラディン
「ふふ……この二日間、基地で留守番させられつづけた寂しさ・空しさ・悔しさ……そのすべてを、今日まとめてコールタン大佐隊にぶつけてやる!」
モルトヴァン
「あの……コールタン大佐隊の半分は、元パラディン大佐隊ですよ? 念のため」
パラディン
「それ以前に、今日は『連合』だ!」
副長
「大佐! 今日は我々も、撃って撃って撃ちまくります!」
パラディン
「ああ、撃ちまくれ! ただし、レーザー砲の出力は最小に! エリゴール中佐に怒られる!」
副長
「……はい、了解いたしました」
モルトヴァン
「違うでしょ。怒られるからじゃないでしょ。演習だからでしょ」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
エリゴール
「今朝、待機室入ったとき、野戦病院かと思ったぜ……」
フィリップス
「いやあ、帰るのめんどくなっちゃって、みんなで雑魚寝しちまった。おかげで体の節々が痛い」
エリゴール
「昨日はせっかく早く解散させてやったのに」
ハワード
「すまん。ついメモリカード配りの練習に熱中しちまった」
エリゴール
「何であんなのに熱中するんだ」
フィリップス
「自分でやらせといてよく言うな。元四班長だって、あれで遊んだことあるだろ?」
エリゴール
「あるぞ。ただし、対戦ゲームで。『帝国』と『連合』に分かれてな、メモリカードを一枚旗艦にして、その周りをさらにメモリカードで固めるんだ。で、それを一枚ずつ交替で敵陣に滑らせて、先に旗艦をテーブルから落としたほうが勝ち」
フィリップス
「何それ! すっげー面白そう! 何で昨日言わなかったんだよ!」
エリゴール
「メモリカードの受け渡しに必要なかったからだ」
ハワード
「いや、そもそもテーブルの上を滑らせる必要自体なかっただろう」
フィリップス
「よし、今日帰ったら絶対やる! 細かいルールは!?」
エリゴール
「……もしかして俺は今、また余計なことを教えちまったか?」
ハワード
「ああ。完璧に」
クルーA
「今日は振り返ったら美形がいる!」
クルーB
「振り返る楽しみが戻ってきたな!」
フィリップス
「……おまえらは一生前向いてろ」
クルーA
「副長……俺たち、そんなに前向きに生きてけません……たまには振り返らせてください……」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
六班長・ラムレイ
「くそう! やっぱり編集が心残りだ!」
クルーA
「結局、徹夜で編集してたじゃないですか!」
ラムレイ
「それでも完成はできなかった! こんなことなら、ここに持ちこんで編集の続きをすればよかった!」
クルーA
「班長! 今は編集より演習でしょう!?」
ラムレイ
「いや、〝先生〟だ!」
副長
「思いきり本音言っちゃったよ……」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ザボエス
「今日はミスっても、フィリップス副長には罵ってもらえねえかな……」
ヴァッサゴ
「おまえのそれはどこまで本気なんだ……」
ザボエス
「昨日こっそり録音したのを何度も聞き返すほどには」
ヴァッサゴ
「うわ、ド本気だ!」
ザボエス
「ちなみに、今いちばんの気に入りは、『〝たぶん〟か、役立たず』」
ヴァッサゴ
「そこまで知りたくねえ!」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「八班長の本命を知る方法を考えようとしたら、あっというまに眠くなって寝ちまった」
レラージュ
「考えようとしたんですか。とりあえず、すぐに眠れてよかったですね」
ロノウェ
「なあ、何かいい方法ねえか?」
レラージュ
「どうしてそんなに知りたいんですか?」
ロノウェ
「八班長の本命もフィリップス副長だったら、三つどもえの戦いになるじゃねえか!」
レラージュ
「班長はそれを恐れているんですか。望んでいるんですか」
ゲアプ
(俺が帰った後、いったい何があったんだ……気になる!)
***
【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】
八班長・ブロック
「うーん。まさかうちが第二の撮影班候補になるとは思わなかった」
副長・ウィルスン
「俺も。内心十班には勝ってると思ってたけど」
ブロック
「やっぱり、一班もあれには不満を持ったんだな」
ウィルスン
「まあ、一応撮れてはいたけどな。だから元四班長もOK出したんだろうけど」
ブロック
「元四班長が十班に〝移動しながら縦〟のエキシビション撮らせたのは、たぶん〝飴ちゃん〟一個やるためだったと思うんだよな……つまり、撮れてればよかった」
ウィルスン
「え?」
ブロック
「で、あれをあえて全班に配ったのは、本当は全班に〝移動しながら縦〟をできるようになってもらいたいと思ってるから。でも、一班にとっては〝夢の映像〟だったから、六班並みに撮れる六班以外の班が欲しいって思ったんだろうなあ」
ウィルスン
「六班並みって……無理だろ。あそこはもうプロ並みになってるぞ」
ブロック
「俺も無理だと思うけど、一班長の命令には逆らえない。一班長に命令してるの、きっとフィリップス副長だろうし」
ウィルスン
「元四班長は?」
ブロック
「今回のこれには関わっていない気がする。元四班長は撮影班は六班一つでいいと思っていそうだ。その証拠に、昨日、元四班長が本気で撮れって六班に言ったのは〝最初から縦〟のエキシビションだけで、それは〝出演者〟だけにしか配られなかった。……〝出演者〟だけそれ見て反省しろってことだと思う」
ウィルスン
「確かに、一班に比べると、他の三班は完全に見劣りしたな」
ブロック
「元四班長が六班に撮影させるのは、あくまで参考資料として使うためであって、鑑賞するためじゃないんだよ。俺たちは本当に自分たちで楽しむために撮ってたけど」
ウィルスン
「楽しむって……一班だけ執拗に撮りためて楽しんでるの、おまえだけだろうが」
ブロック
「元四班長が異動してきてからの一班は、まるで生まれ変わったように生き生きしてる。それを見てるのが楽しい」
ウィルスン
「見てるだけじゃなくて、うちも少しでも一班レベルに近づけるように努力すべきだろ。おかげで次回の出撃は〝留守番〟だ」
ブロック
「一班が〝留守番〟にならなかったからいい。うちは〝留守番〟のボーダーライン上をキープしつづける」
ウィルスン
「何でまた……出撃したくないのか?」
ブロック
「そういうわけじゃないけど、出撃するなら一班と同じ組になりたい」
ウィルスン
「は?」
ブロック
「たぶん、大佐は……というか、元四班長は、今日の演習の結果を見て、次の出撃の配置を変えてくると思う。今回は様子見して、もし一班と同じ組になれそうだったら本気で頑張る」
ウィルスン
「おまえ……どうしてそんなに一班が好きなんだ?」
ブロック
「一班が俺のことかまってくれるようになったから」
ウィルスン
「何だ、その子供みたいな理由」
ブロック
「元四班長が異動してくるまで、一班は近寄りがたい感じだったけど、今じゃ元四班長が俺の思いつきに〝飴ちゃん〟くれて、フィリップス副長が俺のこといじってくれる」
ウィルスン
「最後のは何だよ、最後のは。おまえはお笑い芸人か」
ブロック
「無視されるよりずっといい……」
ウィルスン
「何だか危険な方向へ……そういや、十二班長もそんな感じ……」
ブロック
「そう。今、十二班長が危ないんだ。フィリップス副長は変態だって言って嫌がってるけど、まだどこかそれを楽しんでるところがある。もともと気は合ってたから心配で……」
ウィルスン
「心配って……いったい何の心配をしてるんだ?」
ブロック
「元四班長もフィリップス副長のこと気に入ってるから、取り返しのつかないことにはならないと思うけど……」
ウィルスン
「取り返しって……レラージュ副長ならともかく、フィリップス副長で……」
ブロック
「俺はフィリップス副長のほうがいいけど」
ウィルスンと聞き耳を立てていたクルーたち
「ええッ!?」
ブロック
「確かに、レラージュ副長は若くて綺麗だけど、俺は気さくで明るいほうがいい」
ウィルスン
「超ベタだが正論だ」
パラディン
「今日もエリゴール中佐はいない……が、やる気はある!」
モルトヴァン
「やる気というか……殺る気ですね」
パラディン
「ふふ……この二日間、基地で留守番させられつづけた寂しさ・空しさ・悔しさ……そのすべてを、今日まとめてコールタン大佐隊にぶつけてやる!」
モルトヴァン
「あの……コールタン大佐隊の半分は、元パラディン大佐隊ですよ? 念のため」
パラディン
「それ以前に、今日は『連合』だ!」
副長
「大佐! 今日は我々も、撃って撃って撃ちまくります!」
パラディン
「ああ、撃ちまくれ! ただし、レーザー砲の出力は最小に! エリゴール中佐に怒られる!」
副長
「……はい、了解いたしました」
モルトヴァン
「違うでしょ。怒られるからじゃないでしょ。演習だからでしょ」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
エリゴール
「今朝、待機室入ったとき、野戦病院かと思ったぜ……」
フィリップス
「いやあ、帰るのめんどくなっちゃって、みんなで雑魚寝しちまった。おかげで体の節々が痛い」
エリゴール
「昨日はせっかく早く解散させてやったのに」
ハワード
「すまん。ついメモリカード配りの練習に熱中しちまった」
エリゴール
「何であんなのに熱中するんだ」
フィリップス
「自分でやらせといてよく言うな。元四班長だって、あれで遊んだことあるだろ?」
エリゴール
「あるぞ。ただし、対戦ゲームで。『帝国』と『連合』に分かれてな、メモリカードを一枚旗艦にして、その周りをさらにメモリカードで固めるんだ。で、それを一枚ずつ交替で敵陣に滑らせて、先に旗艦をテーブルから落としたほうが勝ち」
フィリップス
「何それ! すっげー面白そう! 何で昨日言わなかったんだよ!」
エリゴール
「メモリカードの受け渡しに必要なかったからだ」
ハワード
「いや、そもそもテーブルの上を滑らせる必要自体なかっただろう」
フィリップス
「よし、今日帰ったら絶対やる! 細かいルールは!?」
エリゴール
「……もしかして俺は今、また余計なことを教えちまったか?」
ハワード
「ああ。完璧に」
クルーA
「今日は振り返ったら美形がいる!」
クルーB
「振り返る楽しみが戻ってきたな!」
フィリップス
「……おまえらは一生前向いてろ」
クルーA
「副長……俺たち、そんなに前向きに生きてけません……たまには振り返らせてください……」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
六班長・ラムレイ
「くそう! やっぱり編集が心残りだ!」
クルーA
「結局、徹夜で編集してたじゃないですか!」
ラムレイ
「それでも完成はできなかった! こんなことなら、ここに持ちこんで編集の続きをすればよかった!」
クルーA
「班長! 今は編集より演習でしょう!?」
ラムレイ
「いや、〝先生〟だ!」
副長
「思いきり本音言っちゃったよ……」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ザボエス
「今日はミスっても、フィリップス副長には罵ってもらえねえかな……」
ヴァッサゴ
「おまえのそれはどこまで本気なんだ……」
ザボエス
「昨日こっそり録音したのを何度も聞き返すほどには」
ヴァッサゴ
「うわ、ド本気だ!」
ザボエス
「ちなみに、今いちばんの気に入りは、『〝たぶん〟か、役立たず』」
ヴァッサゴ
「そこまで知りたくねえ!」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「八班長の本命を知る方法を考えようとしたら、あっというまに眠くなって寝ちまった」
レラージュ
「考えようとしたんですか。とりあえず、すぐに眠れてよかったですね」
ロノウェ
「なあ、何かいい方法ねえか?」
レラージュ
「どうしてそんなに知りたいんですか?」
ロノウェ
「八班長の本命もフィリップス副長だったら、三つどもえの戦いになるじゃねえか!」
レラージュ
「班長はそれを恐れているんですか。望んでいるんですか」
ゲアプ
(俺が帰った後、いったい何があったんだ……気になる!)
***
【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】
八班長・ブロック
「うーん。まさかうちが第二の撮影班候補になるとは思わなかった」
副長・ウィルスン
「俺も。内心十班には勝ってると思ってたけど」
ブロック
「やっぱり、一班もあれには不満を持ったんだな」
ウィルスン
「まあ、一応撮れてはいたけどな。だから元四班長もOK出したんだろうけど」
ブロック
「元四班長が十班に〝移動しながら縦〟のエキシビション撮らせたのは、たぶん〝飴ちゃん〟一個やるためだったと思うんだよな……つまり、撮れてればよかった」
ウィルスン
「え?」
ブロック
「で、あれをあえて全班に配ったのは、本当は全班に〝移動しながら縦〟をできるようになってもらいたいと思ってるから。でも、一班にとっては〝夢の映像〟だったから、六班並みに撮れる六班以外の班が欲しいって思ったんだろうなあ」
ウィルスン
「六班並みって……無理だろ。あそこはもうプロ並みになってるぞ」
ブロック
「俺も無理だと思うけど、一班長の命令には逆らえない。一班長に命令してるの、きっとフィリップス副長だろうし」
ウィルスン
「元四班長は?」
ブロック
「今回のこれには関わっていない気がする。元四班長は撮影班は六班一つでいいと思っていそうだ。その証拠に、昨日、元四班長が本気で撮れって六班に言ったのは〝最初から縦〟のエキシビションだけで、それは〝出演者〟だけにしか配られなかった。……〝出演者〟だけそれ見て反省しろってことだと思う」
ウィルスン
「確かに、一班に比べると、他の三班は完全に見劣りしたな」
ブロック
「元四班長が六班に撮影させるのは、あくまで参考資料として使うためであって、鑑賞するためじゃないんだよ。俺たちは本当に自分たちで楽しむために撮ってたけど」
ウィルスン
「楽しむって……一班だけ執拗に撮りためて楽しんでるの、おまえだけだろうが」
ブロック
「元四班長が異動してきてからの一班は、まるで生まれ変わったように生き生きしてる。それを見てるのが楽しい」
ウィルスン
「見てるだけじゃなくて、うちも少しでも一班レベルに近づけるように努力すべきだろ。おかげで次回の出撃は〝留守番〟だ」
ブロック
「一班が〝留守番〟にならなかったからいい。うちは〝留守番〟のボーダーライン上をキープしつづける」
ウィルスン
「何でまた……出撃したくないのか?」
ブロック
「そういうわけじゃないけど、出撃するなら一班と同じ組になりたい」
ウィルスン
「は?」
ブロック
「たぶん、大佐は……というか、元四班長は、今日の演習の結果を見て、次の出撃の配置を変えてくると思う。今回は様子見して、もし一班と同じ組になれそうだったら本気で頑張る」
ウィルスン
「おまえ……どうしてそんなに一班が好きなんだ?」
ブロック
「一班が俺のことかまってくれるようになったから」
ウィルスン
「何だ、その子供みたいな理由」
ブロック
「元四班長が異動してくるまで、一班は近寄りがたい感じだったけど、今じゃ元四班長が俺の思いつきに〝飴ちゃん〟くれて、フィリップス副長が俺のこといじってくれる」
ウィルスン
「最後のは何だよ、最後のは。おまえはお笑い芸人か」
ブロック
「無視されるよりずっといい……」
ウィルスン
「何だか危険な方向へ……そういや、十二班長もそんな感じ……」
ブロック
「そう。今、十二班長が危ないんだ。フィリップス副長は変態だって言って嫌がってるけど、まだどこかそれを楽しんでるところがある。もともと気は合ってたから心配で……」
ウィルスン
「心配って……いったい何の心配をしてるんだ?」
ブロック
「元四班長もフィリップス副長のこと気に入ってるから、取り返しのつかないことにはならないと思うけど……」
ウィルスン
「取り返しって……レラージュ副長ならともかく、フィリップス副長で……」
ブロック
「俺はフィリップス副長のほうがいいけど」
ウィルスンと聞き耳を立てていたクルーたち
「ええッ!?」
ブロック
「確かに、レラージュ副長は若くて綺麗だけど、俺は気さくで明るいほうがいい」
ウィルスン
「超ベタだが正論だ」
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