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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

155【交換ついでに合同演習編60】訓練二日目:今日だけ三班長の逆襲

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【パラディン大佐隊・第三班第一号ブリッジ】

クルーA
「まさか、あの十一班が全滅させられるなんて……」

クルーB
「それも、同じ〝護衛隊〟から〝卑怯撃ち〟……」

エリゴール
「卑怯じゃねえだろ、卑怯じゃ」

クルーA
「あ、そうか! 今日だけ三班長にとっては、あれは当たり前!」

エリゴール
「そう、当たり前! 突破されたら何をされても文句は言えねえ!」

副長補佐
「そ、そうなんですか……」

エリゴール
「通信士!」

通信士
「はっ、はいっ!」

エリゴール
「大至急、九班長と七班長を呼び出せ! やってもらいたいことがある!」

通信士
「りょ、了解っ!」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

十班長・ヒールド
『十二班長! 大変です!』

十二班長・ザボエス
『どうした! 十班!』

十班長・ヒールド
『九班と七班が……Aチームのときの十二班のように、護衛隊形を縦に走らせています!』

十二班長・ザボエス
『何ィ!?』

十班長・ヒールド
『しかも、九班は横から、七班は後ろから、二班を攻撃しようとしています!』

十二班長・ザボエス
『エリゴールだ! 間違いなくエリゴールの命令だ!』

十班長・ヒールド
『うちはいったいどうしたら……!』

十二班長・ザボエス
『逃げろ! おまえらの数じゃ援護できねえ! それどころか、次に狙われるのはおまえらだ!』

二班長・キャンベル
『うわああ! たった三隻に二十隻がかりかああ!』

十二班長・ザボエス
『二班長!』

フィリップス
「……おとっつぁん。元四班長が逆襲を始めたよ……」

ハワード
「三班が使えないから、元Aチームの九班と七班を……さすが、嫌いな言葉は〝正々堂々〟……」

十班長・ヒールド
『十二班長! 今度はうちに九班と七班が……!』

十二班長・ザボエス
『逃げろ! とにかく逃げろ! 直線は駄目だ! 蛇行しろ!』

十班長・ヒールド
『うちもそう思ってそうしてるんですが……ぴったりくっついてきて離れません……!』

十二班長・ザボエス
『向こうもエリゴールが怖いから必死だな……何とか……何とか振りきれ!』

十班長・ヒールド
『あ……九班が、九班が……!』

十二班長・ザボエス
『十班長!』

フィリップス
「……ホラー?」




十二班長・ザボエス
『二班と十班が全滅した!』

フィリップス
「ああ……通信回線つながってたから、ライブでわかった……」

十二班長・ザボエス
『これで今、〝レフト〟で生き残ってるのは、そっちの五隻とうちの十隻だけだ!』

フィリップス
「こっちも必死で追いかけてはいるんだが……それより、あんたんとこは大丈夫なのか?」

十二班長・ザボエス
『大丈夫じゃねえよ! 俺らも九班と七班に追われながら砲撃もされてんだよ!』

ハワード
「す、すまん……」

十二班長・ザボエス
『だいたい、何で〝魚〟が〝ロールケーキ〟に追いつけねえんだ! 〝最初から縦〟部門一位はたまたまか!』

ハワード
「はっ、そうだった! 俺たちは〝最初から縦〟でも〝移動しながら縦〟でも、六班だけには勝っていた! ここで六班に負けたら、それもパアだ!」

フィリップス
「飛ばせ! 熱帯魚から飛び魚になれ!」

操縦士
「了解!」

 ***

【パラディン大佐隊・第三班第一号ブリッジ】

七班長・カットナー
『今日だけ三班長! どうしても十二班には追いつけません!』

九班長・ビショップ
『いくら撃っても、まるで後ろに目がついてるみたいに当たらないんです!』

エリゴール
「うーん……よっぽど〝飴ちゃん〟欲しいんだな」

七班長・九班長
『え、それが十二班のモチベーション!?』
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