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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

140【交換ついでに合同演習編45】訓練二日目:タイム計測開始

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【パラディン大佐隊・第四班第一号ブリッジ】

エリゴール
『では、これからタイムの計測に入る。計測するのは、実戦のときを想定して、このスタート地点を発進してから一班組が配置につくゴール地点で〝開き〟になるまでにかかった時間だ。目印とタイムの計測のために、このスタート地点とゴール地点には、一班の班長隊と副班長隊がそれぞれ待機している。六班はどうしても撮影がしたいと言い張って、そのへんを散開している。無様な姿を撮られたくなかったら全力で頑張れ』

四班長・ワンドレイ
「新手のプレッシャーだな」

クルーA
「でも、きっと六班にはそんなつもりはないよな? 俺たちの思い出を記録に残すため?」

クルーB
「そんな、運動会の父親みたいな」

エリゴール
『なお、一班と六班のタイム計測は最後にまとめてする。そのときには一班の代わりに四班が目印とタイムの計測をしてくれ。撮影は一班と六班、交替でしろ』

ワンドレイ
「え! うち? 何で?」

副長
「いずれにしろ班長、これは〝飴ちゃん〟ゼロからの脱出のチャンスでは?」

ワンドレイ
「俺はこの程度では〝飴ちゃん〟はもらえないと思うがな」

副長
「班長。……顔が笑ってます」

エリゴール
『計測はごく普通に班番順。一巡目は〝最初から縦〟、二巡目は希望者だけ〝移動しながら縦〟だ。スタートは〈オートクレール〉方式。……一班長。移動隊形のままでいいから、みんなにコース取りの見本を見せてやってくれ』

副長
「ほう、ああやって……ええっ、〝魚〟になってる!」

ワンドレイ
「こんなときでさえ、〝移動しながら縦〟したいのか!」

エリゴール
『……一班長。ありがとう。もうどんな隊形でもいいから、最速で戻ってきやがれ』

副長
「あ、元四班長がキレかかってる」

ワンドレイ
「いや、あれはすでにキレてるだろ」

エリゴール
『それじゃ、さっそく二班からタイム計測を始める。〝最初から縦〟になって、好きなタイミングでスタートしてくれ』

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

フィリップス
「おとっつぁん……元四班長に怒られちまったよ……」

ハワード
「おまえはいいだろ。俺なんか名指しだぞ? やりたいって言ったのはおまえなのに」

フィリップス
「おとっつぁんだって、反対はしなかったじゃねえかよ!」

クルーA
「元四班長、早く帰ってきて! この〝偽親子〟をどうにかして!」

クルーB
「そして、我々に目の保養を!」

 ***

【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】

クルーA
「班長……撮影の本命は、あくまで〝先生〟ですね?」

六班長・ラムレイ
「ああ。たぶん、今日の会議には来てくれないだろうが、十一班長経由でプレゼントしたい! 他は練習台及びカムフラージュだ!」

副長
「〝先生〟……喜んでくれるかね」

ラムレイ
「それはいまいち自信がないが、もし十一班のタイムが他より悪かったら、分析用に絶対欲しがると思う」

副長
「ああ……負けず嫌いだから」

クルーA
「十一班のタイム、うちに見せにきた段階でもううちを越えそうになってましたよね。それからずっと自主練しつづけてきて、今はいったいどれくらいのタイムに……」

ラムレイ
「わからん! でも〝先生〟になら越えられてもいい! 宿命のライバル一班にだけは絶対越えられたくないが!」

副長
「一班はあくまで宿命のライバルなのか……」

クルーA
「でも、ライバルになった原因の元四班長は尊敬しているのが不思議」

クルーB
「〝飴ちゃん〟たくさんもらってるから?」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

ハワード
「うーん……やはり突貫訓練では〝開き〟は難しいか」

フィリップス
「でも、それなりのタイムで形にはなってる。問題は……次の三班」

ハワード
「何が問題だ?」

フィリップス
「……今の二班、四班、五班より、タイムよかったらどうする……?」

ハワード
「元四班長が〝どうにか〟してくれたってことだろう」

フィリップス
「おとっつぁん……〝親衛隊〟に勝つって息巻いてたのが嘘のようだな」

ハワード
「フィリップス……おまえもな」
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