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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
121【交換ついでに合同演習編26】訓練一日目:半身は二枚
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【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「詐欺でもいい! 姑息でもいい! 卑怯でもいい! やっぱり〝魚〟は気持ちいい!」
ハワード
「……よく考えてみると、今は半身状態で飛んでることになるのか?」
フィリップス
「半身……」
ハワード
「じゃあ、片側は内臓丸見え……」
フィリップス
「おとっつぁん! 人がせっかくいい気分でいるのに、水を差すようなこと言わないでくれよ!」
ハワード
「いや、つい気になって」
エリゴール
「そうか。この状態は半身か」
フィリップス
「元四班長、真面目に考えるな! まさか、今のこの状態を〝半身〟と命名する気か?」
エリゴール
「いや、それも大佐に却下されそうだから非公式にするが、意外と当たらないもんだな」
フィリップス
「うちの操縦士たちの腕がいいんだよ。……ところで、非公式でも今の状態は〝半身〟なのか?」
エリゴール
「〝開き〟を完全に二つに分けた状態だからな」
フィリップス
「大佐も元四班長もおとっつぁんも……どうしてそんなくだらないこと気にするんだ?」
エリゴール
「いや、何か気になって」
フィリップス
「今はもっと他に気にすべきことがあるだろ! このまま五班組と並走しつづけて、本当に砲撃はしないつもりか?」
エリゴール
「できればな。五班組に十二班と七班の間を突き破ってもらって、俺らは両脇の攻撃をかわしながらすり抜けていきたいんだが……十二班もそう簡単には通り抜けさせてくれないだろうな。あとで十一班に何を言われるかわからねえ」
フィリップス
「十二班か……いつも十一班に遠慮してるから、本当の実力がわかりにくいな」
エリゴール
「〝盾〟になるのは得意なんだが」
ハワード
「得意にさせたのはあんただろう」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ザボエス
「くそ! ほんとに当てるの苦手になってた! うちは何隻退場した!?」
オペレータ
「四隻です! 〝椅子〟組の両端が、内側に曲がって加勢してくれてますが……」
ザボエス
「内側に曲がって? そりゃエリゴールには不都合なことになったな!」
ヴァッサゴ
「不都合?」
ザボエス
「あの二匹の〝魚〟は両端を通り抜けていきたかったんだ。エリゴールはいったいどうする気かね?」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
エリゴール
「予想外に頑張ってるな、五班組。十一班と十班まで参戦させてる」
フィリップス
「え? うちは十一班と六班、十班と九班の間を突破する予定だったんじゃないのか? あの状態じゃとても……」
エリゴール
「状況が変わったんだ。どうしてそこで予定変更を考えない?」
フィリップス
「へ?」
エリゴール
「俺たちは、とにかくできるだけ砲撃しないで『帝国』突破できればそれでいい。せっかく〝椅子〟組が五班組にかかりきりになってくれてるのに、何でわざわざあんなところを通過してやらなきゃならない? もう一枚の〝半身〟にも伝えろ。〝椅子〟組を迂回して、徹底的に卑怯者になる」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
六班長・ラムレイ
「ああっ! 〝魚〟が通りすぎていく! 〝先生〟! 俺たちの代わりに撃ってくれ!」
クルーA
「今はそんな余裕はないでしょう! 中央が突破されてしまいます!」
ラムレイ
「畜生、砲撃は正面の班しかできないと思いこんでたが、外側にいる艦も撃てたんだな。しかも意外と当たる!」
クルーA
「この『連合』、数は少なくても、本物の『連合』より強くないですか?」
ラムレイ
「弱いよりはいいだろ! こっちも強くなれる!」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「レラージュ! 〝魚〟が!」
レラージュ
「わかっています! でも〝ロールケーキ〟のスポンジが、うちを狙い撃ちしてきています。きっと元四班長にそう指示されているんでしょう。おそらく左の十班もうちと同じ状態になっていると思います」
ロノウェ
「あの〝ロールケーキ〟、何でそんなに強いんだ?」
レラージュ
「というより、十二班と七班が弱すぎなんじゃないですか」
ロノウェ
「レラージュ……」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
ハワード
「これは……本当に卑怯の極みだ……」
エリゴール
「一度やってみたかったんだ」
フィリップス
「そんなに仲間を撃ちたかったのか」
エリゴール
「訓練じゃなきゃ絶対できないだろ」
ハワード
「いや、訓練でも撃ちたいと思う心が……」
エリゴール
「とりあえず、〝半身〟から横列隊形に移行、気づかれる前に一斉掃射」
通信士
「りょ、了解……」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
クルーA
「班長! 後方で〝魚〟が〝蛇〟になってます!」
六班長・ラムレイ
「何ィ!?」
副長
「〝蛇〟って……ただの横列隊形じゃん」
ラムレイ
「いや、ちょっと待て。この状況であの態勢は明らかに……畜生! 反転しろ!」
クルーA
「駄目です! もう間に合いません!」
ラムレイ
「一班! おまえはもう好敵手なんかじゃない! ただの敵だ!」
副長
「まあ、向こうは最初から好敵手なんて思ってなかったと思うけどな……」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ザボエス
「やっぱり、あの男だけは敵に回しちゃあいけねえな……」
ヴァッサゴ
「ああ……勝つためなら手段を選ばないからな……でも、これで勝ってエリゴールにいったい何のメリットが……?」
ザボエス
「何か俺たちにさせたいことがあるんじゃねえか?」
ヴァッサゴ
「まだあるのか」
ザボエス
「あとは、単なる憂さ晴らし」
ヴァッサゴ
「……俺は本当はエリゴールに恨まれてるのか!?」
ザボエス
「かもな」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「レラージュ……結局、これは何の訓練だったんだ?」
レラージュ
「さあ……とにかくはっきりわかったのは、やはり元四班長は恐ろしいということと、十二班には〝留守番〟がお似合いだということです」
フィリップス
「詐欺でもいい! 姑息でもいい! 卑怯でもいい! やっぱり〝魚〟は気持ちいい!」
ハワード
「……よく考えてみると、今は半身状態で飛んでることになるのか?」
フィリップス
「半身……」
ハワード
「じゃあ、片側は内臓丸見え……」
フィリップス
「おとっつぁん! 人がせっかくいい気分でいるのに、水を差すようなこと言わないでくれよ!」
ハワード
「いや、つい気になって」
エリゴール
「そうか。この状態は半身か」
フィリップス
「元四班長、真面目に考えるな! まさか、今のこの状態を〝半身〟と命名する気か?」
エリゴール
「いや、それも大佐に却下されそうだから非公式にするが、意外と当たらないもんだな」
フィリップス
「うちの操縦士たちの腕がいいんだよ。……ところで、非公式でも今の状態は〝半身〟なのか?」
エリゴール
「〝開き〟を完全に二つに分けた状態だからな」
フィリップス
「大佐も元四班長もおとっつぁんも……どうしてそんなくだらないこと気にするんだ?」
エリゴール
「いや、何か気になって」
フィリップス
「今はもっと他に気にすべきことがあるだろ! このまま五班組と並走しつづけて、本当に砲撃はしないつもりか?」
エリゴール
「できればな。五班組に十二班と七班の間を突き破ってもらって、俺らは両脇の攻撃をかわしながらすり抜けていきたいんだが……十二班もそう簡単には通り抜けさせてくれないだろうな。あとで十一班に何を言われるかわからねえ」
フィリップス
「十二班か……いつも十一班に遠慮してるから、本当の実力がわかりにくいな」
エリゴール
「〝盾〟になるのは得意なんだが」
ハワード
「得意にさせたのはあんただろう」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ザボエス
「くそ! ほんとに当てるの苦手になってた! うちは何隻退場した!?」
オペレータ
「四隻です! 〝椅子〟組の両端が、内側に曲がって加勢してくれてますが……」
ザボエス
「内側に曲がって? そりゃエリゴールには不都合なことになったな!」
ヴァッサゴ
「不都合?」
ザボエス
「あの二匹の〝魚〟は両端を通り抜けていきたかったんだ。エリゴールはいったいどうする気かね?」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
エリゴール
「予想外に頑張ってるな、五班組。十一班と十班まで参戦させてる」
フィリップス
「え? うちは十一班と六班、十班と九班の間を突破する予定だったんじゃないのか? あの状態じゃとても……」
エリゴール
「状況が変わったんだ。どうしてそこで予定変更を考えない?」
フィリップス
「へ?」
エリゴール
「俺たちは、とにかくできるだけ砲撃しないで『帝国』突破できればそれでいい。せっかく〝椅子〟組が五班組にかかりきりになってくれてるのに、何でわざわざあんなところを通過してやらなきゃならない? もう一枚の〝半身〟にも伝えろ。〝椅子〟組を迂回して、徹底的に卑怯者になる」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
六班長・ラムレイ
「ああっ! 〝魚〟が通りすぎていく! 〝先生〟! 俺たちの代わりに撃ってくれ!」
クルーA
「今はそんな余裕はないでしょう! 中央が突破されてしまいます!」
ラムレイ
「畜生、砲撃は正面の班しかできないと思いこんでたが、外側にいる艦も撃てたんだな。しかも意外と当たる!」
クルーA
「この『連合』、数は少なくても、本物の『連合』より強くないですか?」
ラムレイ
「弱いよりはいいだろ! こっちも強くなれる!」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「レラージュ! 〝魚〟が!」
レラージュ
「わかっています! でも〝ロールケーキ〟のスポンジが、うちを狙い撃ちしてきています。きっと元四班長にそう指示されているんでしょう。おそらく左の十班もうちと同じ状態になっていると思います」
ロノウェ
「あの〝ロールケーキ〟、何でそんなに強いんだ?」
レラージュ
「というより、十二班と七班が弱すぎなんじゃないですか」
ロノウェ
「レラージュ……」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
ハワード
「これは……本当に卑怯の極みだ……」
エリゴール
「一度やってみたかったんだ」
フィリップス
「そんなに仲間を撃ちたかったのか」
エリゴール
「訓練じゃなきゃ絶対できないだろ」
ハワード
「いや、訓練でも撃ちたいと思う心が……」
エリゴール
「とりあえず、〝半身〟から横列隊形に移行、気づかれる前に一斉掃射」
通信士
「りょ、了解……」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
クルーA
「班長! 後方で〝魚〟が〝蛇〟になってます!」
六班長・ラムレイ
「何ィ!?」
副長
「〝蛇〟って……ただの横列隊形じゃん」
ラムレイ
「いや、ちょっと待て。この状況であの態勢は明らかに……畜生! 反転しろ!」
クルーA
「駄目です! もう間に合いません!」
ラムレイ
「一班! おまえはもう好敵手なんかじゃない! ただの敵だ!」
副長
「まあ、向こうは最初から好敵手なんて思ってなかったと思うけどな……」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ザボエス
「やっぱり、あの男だけは敵に回しちゃあいけねえな……」
ヴァッサゴ
「ああ……勝つためなら手段を選ばないからな……でも、これで勝ってエリゴールにいったい何のメリットが……?」
ザボエス
「何か俺たちにさせたいことがあるんじゃねえか?」
ヴァッサゴ
「まだあるのか」
ザボエス
「あとは、単なる憂さ晴らし」
ヴァッサゴ
「……俺は本当はエリゴールに恨まれてるのか!?」
ザボエス
「かもな」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「レラージュ……結局、これは何の訓練だったんだ?」
レラージュ
「さあ……とにかくはっきりわかったのは、やはり元四班長は恐ろしいということと、十二班には〝留守番〟がお似合いだということです」
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