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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

48【悪魔の居場所編13】パラディン大佐親衛隊的完勝会?

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【パラディン大佐隊・第十一班第一号待機室】

エリゴール
「まさかとは思ったが……今日も差し入れあったのか」

ロノウェ
「おう、エリゴール。俺も今日はさすがにないと思ったんだがなあ……最後に出撃権もぎとったのがいけなかったんかなあ……」

レラージュ
「でも、発注はいつもここを出る前にしているようですよ。直筆メッセージにはその日の結果のことは書いてありませんから」

エリゴール
「またあったのか、それ」

レラージュ
「はい。……『今日もお疲れ様。今回も元ウェーバー大佐隊には差し入れしていないからね。絶対バレないようにするんだよ♡♡♡』」

エリゴール
「やっぱり、ハートマークが一つ増えてる……」

ザボエス
「俺は倍倍で、今回は四つになるんじゃないかと思ってたがな」

ヴァッサゴ
「そしたら、次は八つ書かなきゃならなくなるぞ。大変だろうが」

ロノウェ
「その前に、何で倍倍にしなきゃならねえんだよ?」

エリゴール
「……何か、また少しグレードアップしてないか?」

レラージュ
「十一班と十二班の全待機室に同じものを届けてあるのも相変わらずです」

エリゴール
「いったいいつまで続ける気だ……大佐はそんなに金持ってんのか……」

ロノウェ
「少なくとも、俺らよりは持ってると思うが……何かもう怖くなってきたな……」

エリゴール
「そうだろ? これ以上エスカレートしていったら……」

ロノウェ
「いや……これの代償が……」

ザボエス
「大佐の金が尽きる前に、俺らの発想力がすでに尽きそうな……」

エリゴール
「おまえら、何言ってるんだ?」

ロノウェ
「あー、とにかく食おう! 食っちまおう! 元ウェーバー大佐隊には何もないんだ!」

ヴァッサゴ
「大佐もなあ……グレード思いきり下げて、元ウェーバー大佐隊にも差し入れしてやったらいいのに……」

ロノウェ
「でも、元ウェーバー大佐隊って一〇〇〇人くらいいるんだろ? それなら俺らだけのほうがグレード上げても安くつかないか?」

ヴァッサゴ
「そんな金銭的な理由で、大佐は元ウェーバー大佐隊に差し入れしてないのか?」

ロノウェ
「……それはねえな」

ザボエス
「ねえねえ。絶対ねえ」

エリゴール
「どうしたら、差し入れ、もうやめてくれるんだ……」

ザボエス
「おまえが明日にでも、もう差し入れはやめてくださいって大佐に言えば、それでやめてくれるんじゃねえのか?」

エリゴール
「……やめてもらえる自信がねえ」

ロノウェ
「遠回しに自慢してるのかそうじゃないのかわからねえ」

 ***

【パラディン大佐隊・執務室】

パラディン
「ふふ……またエリゴール中佐に逃げられた……」

モルトヴァン
「本当にこの艦隊から逃げ出されないだけいいじゃないですか」

パラディン
「モルトヴァン……おまえ、何て恐ろしいことを……!」

モルトヴァン
「見返り目的で差し入れを続ける大佐のほうが、ずっと恐ろしいです……」
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