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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
06【引っ越しついでに演習編03】一班長の苦悩
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【護衛艦隊内病院・病室(個室)】
フィリップス
「というわけで、明日、全十二班で演習することになった。演習内容の説明は、今日の十四時に作戦説明室でするそうだ。その前に大佐に挨拶しときたいんだが……班長、大丈夫か?」
一班長・ハワード
「俺……まだ入院しててもいいか?」
フィリップス
「駄目だ。退院許可はもう出てる」
ハワード
「だってもう、滅茶苦茶すぎるだろ! 元マクスウェル大佐隊員追い出しといて、何で元マクスウェル大佐隊員引き連れてくるんだ? それも二班分も!」
フィリップス
「パラディン大佐にしか懐いてないからじゃないのか?」
ハワード
「番犬か!」
フィリップス
「真面目な話、そうかもな。とりあえず、うちにいた元マクスウェル大佐隊員は明日まで自宅待機ということにしておいた。その間にダーナ大佐隊への転属も決まるだろ」
ハワード
「転属というか……出戻るだけだよな?」
フィリップス
「それでも、書類上は転属だろ。恨むならアルスター大佐を選んだ自分自身を恨め」
ハワード
「まったくだ。こっちには選ぶ余地もなかったぞ」
フィリップス
「そんなわけで退院だ。帰りに総務寄って、元マクスウェル大佐隊員の転属願提出するぞ。朝一に提出せよとのご命令だ」
ハワード
「朝一なら、提出してからこっちに来いよ」
フィリップス
「駄目だ。委任状の代理人の名前は全部あんたにしてある」
ハワード
「何? 俺はサインしてないぞ!」
フィリップス
「そりゃそうだ。俺があんたの筆跡真似てサインした」
ハワード
「不正行為だろ!」
フィリップス
「あんたの代理しただけだ。この出来栄えを見よ!」
ハワード
「……おまえ、他の書類にもこのサインしてないだろうな?」
フィリップス
「安心しろ。俺に借金はない」
ハワード
「いま検査したら、退院取り消しになりそうな気がする……」
***
【元ウェーバー大佐隊・第一班第一号待機室】
フィリップス
「班長、よかったな! 大佐に胃の心配してもらえて!」
ハワード
「……演習の内容については、訊いても教えてくれなかったな……」
フィリップス
「二度手間になるからだろ」
ハワード
「そういう問題か?」
フィリップス
「パラディン大佐は若くて美形だっただろ?」
ハワード
「……執務室もいい匂いがした」
フィリップス
「ウェーバーが使ってたときとは別人ならぬ別室みたいだったよな」
ハワード
「くそう……あれじゃ文句も言えない! それどころか、すべて笑って許してしまえそうな自分が怖い!」
フィリップス
「それは……俺もちょっと怖いかな……」
フィリップス
「というわけで、明日、全十二班で演習することになった。演習内容の説明は、今日の十四時に作戦説明室でするそうだ。その前に大佐に挨拶しときたいんだが……班長、大丈夫か?」
一班長・ハワード
「俺……まだ入院しててもいいか?」
フィリップス
「駄目だ。退院許可はもう出てる」
ハワード
「だってもう、滅茶苦茶すぎるだろ! 元マクスウェル大佐隊員追い出しといて、何で元マクスウェル大佐隊員引き連れてくるんだ? それも二班分も!」
フィリップス
「パラディン大佐にしか懐いてないからじゃないのか?」
ハワード
「番犬か!」
フィリップス
「真面目な話、そうかもな。とりあえず、うちにいた元マクスウェル大佐隊員は明日まで自宅待機ということにしておいた。その間にダーナ大佐隊への転属も決まるだろ」
ハワード
「転属というか……出戻るだけだよな?」
フィリップス
「それでも、書類上は転属だろ。恨むならアルスター大佐を選んだ自分自身を恨め」
ハワード
「まったくだ。こっちには選ぶ余地もなかったぞ」
フィリップス
「そんなわけで退院だ。帰りに総務寄って、元マクスウェル大佐隊員の転属願提出するぞ。朝一に提出せよとのご命令だ」
ハワード
「朝一なら、提出してからこっちに来いよ」
フィリップス
「駄目だ。委任状の代理人の名前は全部あんたにしてある」
ハワード
「何? 俺はサインしてないぞ!」
フィリップス
「そりゃそうだ。俺があんたの筆跡真似てサインした」
ハワード
「不正行為だろ!」
フィリップス
「あんたの代理しただけだ。この出来栄えを見よ!」
ハワード
「……おまえ、他の書類にもこのサインしてないだろうな?」
フィリップス
「安心しろ。俺に借金はない」
ハワード
「いま検査したら、退院取り消しになりそうな気がする……」
***
【元ウェーバー大佐隊・第一班第一号待機室】
フィリップス
「班長、よかったな! 大佐に胃の心配してもらえて!」
ハワード
「……演習の内容については、訊いても教えてくれなかったな……」
フィリップス
「二度手間になるからだろ」
ハワード
「そういう問題か?」
フィリップス
「パラディン大佐は若くて美形だっただろ?」
ハワード
「……執務室もいい匂いがした」
フィリップス
「ウェーバーが使ってたときとは別人ならぬ別室みたいだったよな」
ハワード
「くそう……あれじゃ文句も言えない! それどころか、すべて笑って許してしまえそうな自分が怖い!」
フィリップス
「それは……俺もちょっと怖いかな……」
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