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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

71【異動編20】訓練二日目:一回戦表・Aチーム攻撃

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【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】

ラムレイ
「一班長から指示があって、俺たちも〝横縦ぐるり〟をやれることになった!」

クルーA
「おおっ!」

クルーB
「もちろん、移動しながら〝横縦〟ですよね!?」

ラムレイ
「当然だ! 撮影はまた一班がしてくれるそうだ! 一発で、美しく決めるぜ!」

ラムレイ以外
「おうっ!」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

ハワード
「……やっぱり、一回では無理だったな」

フィリップス
「そう簡単にマスターされてたまるものか……」

エリゴール
「で、うちも〝横縦ぐるり〟で行くのか、班長」

ハワード
「もちろん! 六班に本物を見せつけてやる!」

エリゴール
「妙な対抗意識燃やしてるな」

フィリップス
「他人事のように……俺たちにこれ教えたの、あんたでしょうが」

 ***

【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】

ラムレイ
「くそう! やっぱり一班のほうが速い! しかも、やるたび完成度が上がっている!」

クルーA
「畜生! 今すぐやり直したい! ずっと〝横縦ぐるり〟の練習だけしていたい!」

クルーB
「〝横縦ぐるり〟に比べたら、〝蛇〟なんか子供の遊びだ!」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

ハワード
「ふ……勝ったな」

フィリップス
「やっぱり〝横縦ぐるり〟は移動しながら〝横縦〟だ」

エリゴール
「……あんたらが、そんなにこれを気に入ってくれるとは思わなかった。でも、何で移動しながら〝縦〟にそこまでこだわるのかがわからない……」

 ***

【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】

ザボエス
「ああ……あれは本来、ああやって展開するもんだったんだな。……砲撃艦が一斉に正面を向くのがこええ……」

ヴァッサゴ
「俺らはどうする? 今までの方法で護衛隊形作るのか?」

ザボエス
「いや、エリゴールのもう一つのあれをやってみよう。もし、うちがあれで護衛隊形作ってたら何十秒かかってたのか知りてえんだ」

 ***

【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】

ラムレイ
「十二班が……〝蛇〟をやっている……!」

副長
「え、ぶっつけ本番でできるのか?」

クルーA
「……できちゃってるよ……」

ラムレイ
「何十秒かかった!?」

副長
「〈オートクレール〉判定じゃどうなるかわからないが、うちの判定では五十七秒四九……」

クルーA
「俺らの記録、あっさり破られた!」

ラムレイ
「さすが親衛隊……できるぜ!」

副長
「ところで班長。そろそろ班に戻らないと」

ラムレイ
「しまった、つい撮影に熱中しちまった」

クルーA
「一班に注意されたら、〝横縦ぐるり〟を完璧にマスターするためですって言い訳しましょう」

 ***

【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】

ザボエス
「よかったな……これやらなくて……」

ヴァッサゴ
「ああ……十一班越えるどころか一位になっちまってたら、今頃大変なことに……!」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

フィリップス
「今日初めて〝蛇〟を見たはずの十二班が、あんなにあっさり……」

ハワード
「改めて、三班の立場は……」

フィリップス
「元四班長! 三班、どうにかならないか!?」

エリゴール
「……まず、三班員の弱みを握ってから……」

フィリップス
「いや、それ以外の方法で!」

 ***

【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】

ロノウェ
「ああ、やっぱり護衛隊形六つ並べて〝ファイアー・ウォール〟だな」

レラージュ
「実戦ではきっと、六班と一班がやったあの方法であそこに入るつもりですね」

ロノウェ
「……かっこいいな」

レラージュ
「でもあれ、ものすごく高度ですよ。最初から移動隊形を〝縦〟にしておけば、もっと簡単になるのに」

ロノウェ
「それじゃ駄目だろ。移動しながら〝縦〟になるとこがいいんだろ」

レラージュ
「時間と労力の無駄です」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

パラディン
『両チーム、準備いいね? それじゃ、スタート!』

ハワード
「……気抜けする号令だ」

フィリップス
「でも、少しずつテンションは上がってきてるような……来た!」

ハワード
「移動隊形の半隊を、縦に三段・横に四列……ずれなきゃ被害は九隻で済むが……」

エリゴール
「ずれなきゃな」




フィリップス
「ほんとに、あっ! という間だったな」

ハワード
「オートじゃなかったら、とても対応できない……」

フィリップス
「当たったかどうかすらわからねえよ」

パラディン
『一回戦表終了ー。結果発表しまーす。Bチーム・十九隻被弾』

フィリップス
「十九隻!? 当たりすぎだろ!?」

エリゴール
「かなりずれてたってことだな。移動隊形で〝盾〟と位置合わせするのは、それだけ難しいってことだ」

フィリップス
「まあ、言われてみれば確かに。それより、大佐のテンション、さらに上がったな」

ハワード
「いいことだ」

エリゴール
「いいのか?」

パラディン
『じゃあ、今度はBチームが攻撃。攻守交替して』
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