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【02】マクスウェルの悪魔たち(上)
03 相談されました
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事前の連絡どおり、その訪問者はスミスと共にドレイクの執務室に現れた。
身長も年代もスミスと同じくらい。黒髪なのも同じだったが、イルホンにはスミスよりさらに真面目そうに見えた。
「大佐、お忙しいところ、本当にすみません」
恐縮したようにスミスが軽く頭を下げる。
「それって嫌味?」
ドレイクはソファにそっくり返った格好のまま、眉をひそめて激薄コーヒーを飲んだ。
しかし、訪問者は硬い表情を崩すことなく、隊の見本にしたいような敬礼をした。
「お初にお目にかかります。自分が元ウェーバー大佐隊所属のラッセル中佐であります。このたびは貴重なお時間を割いていただき、まことにありがとうございます」
「うわあ、感動だなあ。俺、最後に敬礼されたの、いつだったかなあ」
おざなりに答礼しながら、ドレイクがにやにやする。
「たぶん、初出撃した日の顔合わせのときじゃないですか」
普通濃度のコーヒーを淹れる準備をしつつも、イルホンはすかさず口を挟む。
「でも、そのとき大佐が『めんどくさいから、もう俺には敬礼しなくていいよ』って言ったんですよ」
「そういやそうだったか。あの頃はみんな純真だったね」
「大佐に毒されたんですよ。あっというまに」
「じゃあ、俺はこれで……」
そそくさとスミスは執務室を出ていこうとしたが、ドレイクはそれを許さなかった。
「こらあ、紹介者! 逃げるんじゃねえ! 最後まで面倒見てやれ!」
「紹介って……」
スミスは困惑してドレイクを振り返る。
「俺はただ、こいつが大佐と話したいって言うから、イルホンに知らせただけですよ?」
「結果的には紹介したことになるだろ。……ラッセルくん。とりあえず、そこ座って。スミスも元同僚のよしみでつきあってやれ」
「はあ……」
気乗りしない様子ながらも、スミスはドレイクの向かいのソファに、ラッセルと並んで座った。
「それで、ラッセルくん。俺に話って? 今回の転属に関することらしいけど、はっきり言って俺はそれとは無関係よ?」
――自分が提案したくせに、ぬけぬけとよく言うなあ。
内心イルホンは呆れたが、純真ではなくなっていたので、黙々とコーヒーを淹れた。
「はい、それは存じています。実は……話というより、相談なんです」
「相談?」
イルホンはラッセルとスミスの前にコーヒーを置き、自分の執務机に戻りかけた。が、ドレイクに「イルホンくん」と呼ばれて足を止める。
「君もここに座って。一緒にお話聞いてちょうだい」
「え? 俺もですか?」
「もしかしたら、君の力も必要になるかもしれないから」
「はあ……」
相談事なら自分がいたら余計しづらくなるのではないかとイルホンは思ったが、一応上官の命令に従って、ドレイクの隣、スミスの向かいの席に腰を下ろした。
「はい、準備OK。ラッセルくん、続きをどうぞ」
「はい……本来なら、ドレイク大佐にご相談すべきことではないとは思ったのですが……」
もともと相談しにくい内容なのか、それとも傍聴者が二人もいるせいなのか、ラッセルは言いにくそうにうつむいて両手を組んだ。
「自分は現在、ダーナ大佐の指揮下におります。しかし、明日付でアルスター大佐の指揮下に転属されることになりました。自分も含めて多数の隊員がこのままダーナ大佐隊に残留することを希望しているのですが、ダーナ大佐はウェーバー大佐隊員は例外なくアルスター大佐隊に転属となるとおっしゃっていて……」
ここでラッセルは意を決したように顔を上げた。
「ドレイク大佐。我々がダーナ大佐隊に残留する、何かよい手立てはないでしょうか?」
――ええ!? あのダーナ大佐の下にわざわざ残りたいって……それほどいいの? あの人。
ドレイクを罵るダーナの姿ばかり見ているイルホンには、ラッセルの希望はまったく奇怪なことに思われたが、ドレイクはしごく真剣な表情をしていた。
「そうか。そう言われたか。それじゃあ無理だ。残留はできない」
間をおかず、ドレイクはあっさり断言した。これにはラッセルだけでなく、イルホンもスミスも驚かされた。
「なぜ――」
「うーん……あの男はたぶん、えこひいきをしないか、しないようにしてるだろ?」
「は、はい……そのとおりです」
「だからだよ。あの男も本音はたぶん、君らのうちの誰かは残したいと思ってるだろ。でも、それって見方によってはえこひいきだろ。選ばれないでアルスター大佐隊に転属になった隊員はどう思う?」
「あ……」
ドレイク以外の三人は、思わず声を上げる。
「相変わらず馬鹿だねえ。まっすぐというか不器用というか」
ドレイクは笑ったが、それは嘲笑ではなく苦笑に近かった。同僚である四人の大佐の中で彼がいちばん気に入っているのは、実はダーナなのかもしれない。
「なるほど……確かにダーナ大佐なら……思いつきませんでした……」
ラッセルはショックを受けたように呟いた。
「まあ、実現可能かどうかは置いといて、今日中に元マクスウェル大佐隊に転属っていう手もあるけど、そんな隊員、ダーナ大佐は嫌うだろ?」
「そうですね……たぶん」
「そんなわけでラッセルくん。君が元ウェーバー大佐隊員である以上、ダーナ大佐隊に残留することは不可能だ。いったんアルスター大佐隊に転属されて、それでもやっぱりダーナ大佐の元に戻りたいと思ったら、転属願を出しなさい。でも、どうしてもアルスター大佐の指揮下には入りたくなくて、ダーナ大佐に知られなくてもいいから手助けしたいと思ってるなら、最適な方法が一つある」
ドレイクが急ににこにこ笑い出す。
(あ……)
イルホンがスミスを見ると、スミスも同じことを考えていたようだ。ドレイクとラッセルには見えないように、二人でぬるく笑いあった。
「最適な方法……何でしょうか?」
何も知らないラッセルは、身を乗り出すようにしてドレイクに訊ねた。
「実はうち、今こっそりと追加隊員募集してるのよ。予定は九人。具体的にどうやってかは入隊してからじゃないと教えられないけど、ダーナ大佐の手助けは確実にできる。それだけは約束する」
まったく予想外のことだったらしく、ラッセルは何も言えずに褐色の目を丸くしていた。
(本当にダーナ大佐の対極にいるな、この人)
イルホンは冷ややかにドレイクを横目で見た。が、確かにこれは追加隊員を一気に獲得できる絶好のチャンスではある。
「手助け……もしかして、この前の旧型無人砲撃艦のことですか?」
イルホンとスミスは驚いてラッセルを凝視したが、ドレイクはまったく動じていなかった。
「あら、やっぱり気づかれちゃってた?」
「普通の無人艦に旗艦は落とせませんから……しかも旧型で」
「じゃあ、その後の行動も追跡済み?」
「右翼の無人艦群の中にまぎれこんでいましたよね。姿形は同じでも、明らかに周囲の無人艦とは違っていました」
「ダーナ大佐、何か言ってた?」
「自分は直接聞いていませんが、旧型とは思えないほど高性能なのが一隻まぎれこんでいる――というようなことをおっしゃっていたそうです」
「……ま、そういうわけだ」
どういうわけなのかはいっさい省略して、ドレイクはにたりと笑った。
「ダーナ大佐からお褒めの言葉はいただけないが、彼の隊の中に堂々とまぎれこんで、彼の軍艦を守ることはできる。隊の所属は変わっても、やってることは同じだろ?」
「まさか、それが目的であんな軍艦を?」
「あくまで目的の一つと言っておこう。で、どうする? 俺はアルスター大佐の指揮下に入る前に、うちに入っちまったほうがいいと思うがね。……イルホンくん」
「はい」
イルホンは即座に立ち上がって、自分の執務机の引き出しを開けると、白紙の転属願の束と大きめの封筒を持って戻ってきた。
「ああ……見覚えのある紙が……」
転属願の用紙を見て、スミスが独りごちる。
「ちなみに、ラッセルくん。君の担当は?」
「あ……今は班長をしていますが、以前は砲撃を担当していました」
「班長かい」
そう言って、ドレイクはスミスを見た。
「おまえが一度はなって、すぐに辞めさせられた班長かい」
「昔の話はやめてくださいよ……」
スミスは苦虫を噛みつぶしたような顔をしてそっぽを向いた。
「無理もありません」
そんなスミスの隣で、ラッセルが軽く溜め息をつく。
「この男はことあるごとにウェーバー大佐に逆らっていましたから」
「だから、昔の話はやめてくれって……」
「でも、今うちの隊で、いちばんまともで常識人だとされてるのは、このスミスだよ?」
「ええっ、この男がっ?」
ラッセルは大仰に驚いて、スミスから体を遠ざけた。
「何だよ、その反応は……」
「おまえが〝常識人〟だなんて……そんなにすごいのか、この隊は」
「ああ、すごいぞ。特におまえの前に座っていらっしゃるお方が」
ドレイクから目をそらせたまま、ぼそぼそとスミスは答える。
「あの殿下に〝説教〟しても、まったく処罰されないからな」
「説教?」
「ああ、俺って口下手だから、自分では進言してるつもりなんだけど、人には説教に聞こえちゃうみたいなんだよねえ」
「ほら、すごいだろ」
「ああ……すごい」
ラッセルは真顔でうなずいた。
「とにかく、ラッセルくん。君にその気があるなら、今日の午後五時までに、ここに転属願を持ってもう一度来てくれ。君の他にここの隊員になってもいいからダーナ大佐の力になりたいっていう奇特な人間がいたら、そいつも一緒に連れてきて。でも、採用枠は九人までだから、この話をする相手はよーく考えてね」
ドレイクが話している間に、イルホンは封筒の中に九枚の転属願を入れ、ラッセルの前に置いた。
「はい……」
まだラッセルは呆然としているようだったが、急がなければまずいということはわかったらしい。
「了解いたしました。ドレイク大佐、本当にありがとうございます。今から早急に自分の他の班長に話をしてみます。こちらにお伺いする前には、またスミスに連絡を入れさせていただきます」
「何で俺を通すんだよ……」
「うん、そうして。で、そのときスミスに誰が転属希望者か伝えて。スミスが入れたくない人間は、何があっても入れないから」
屈託なく笑っているドレイクを、スミスとラッセルは無言で見つめた。
「俺は自分が気に入らない人間は、絶対採用したくないんだ。スミスも気に入ったから採用した。そのスミスが気に入らない人間なら、俺もいらない」
――なるほど。これなら〝今いる奴らとうまくやっていける〟をクリアしやすいかもしれないな。
イルホンは合点がいったが、スミスとラッセルはそれぞれ複雑な思いに駆られたようだ。
「先におまえが気に入っていた人間を教えてもらって、そいつらだけにこの話をしたほうがいいのかな……」
「そうだな……」
「よし、じゃあ、早く行けい。あ、それからそのコーヒー。一気飲みするか持ち帰って。せっかくイルホンくんが淹れてくれたんだ、もったいないだろ」
スミスとラッセルはすっかり冷めてしまったコーヒーを見下ろし、どちらも迷わず一気飲みした。
「ご馳走様でした。では、自分はこれで失礼させていただきます」
コーヒーを飲み終えたラッセルは、白紙の転属願が入った封筒を持って立ち上がると、再びドレイクに対して敬礼した。ドレイクは今度は敬礼ではなく、片手を挙げて応えた。
「あいあい。……スミス。帰りがけ、ラッセルくんに〈ワイバーン〉と〈新型〉見せてやれ。たぶん今頃は、整備という名の井戸端会議をしてるだろう」
「監視カメラでも仕掛けてあるんですか……」
引きつった笑みを浮かべながら、スミスはラッセルと一緒に執務室を出ていった。
「ようし、これで五人は確保できたな」
自動ドアが閉まったとたん、ドレイクが嬉しげににやついた。
「え、五人ですか?」
せっかく九枚入れたのに、と口には出さなくても顔にはしっかり出ていたのか、ドレイクは少しだけ申し訳なさそうな表情をした。
「ここは〝大佐〟のすぐ下は班長クラスなんだろ? ダーナのためならうちに転属になってもかまわないとまで思えるのは、あのラッセルくんと同じ班長クラスまでじゃないかなあ。その下は正直、指揮官がアルスター大佐に変わっても、別にかまわないと思ってると思うよ」
「その……俺はあのラッセルさんが、大佐に相談してまでダーナ大佐の下に残りたいというのに、ものすごく違和感を覚えたんですけど……」
イルホンが顔をこわばらせて言うと、ドレイクは愉快そうに笑った。
「ああ、俺たちは会議のときのダーナしか知らないからねえ。ああ見えて、意外と人使いはうまいんじゃないの? 自分の隊なら意のままに動かせるって言って、実際動かしてたしね。馬鹿正直だから、みんなほっとけないと思っちゃうんじゃない? 部下だけじゃなくて、コールタン大佐とかパラディン大佐とかも」
「大佐もですか?」
「俺はもっと打算的。両翼しっかり潰してもらえないと、こっちが大変だから。ただでさえ中央、むちゃくちゃ厚いのに」
ドレイクはおどけていたが、イルホンには照れ隠しのようにしか見えなかった。
* * *
「ああいう〝大佐〟がおまえの理想だったのか……」
スミスと並んで歩いていたラッセルが、ふと独り言のように言った。
ドレイクの執務室がある棟――ドレイク大佐隊内では〝ドレイク棟〟と呼ばれている――は、総司令部など中枢機関が置かれている基地の中央部にある。
まるで城郭都市のようなそこを抜け出ると、視界は一変して広大な平原――もちろん、まったく何もないわけではなく、各所に軍事施設はあるが――に変わる。
その平原を走る、これまた広大な道路に歩道はなかったが、交通量は少なかったため、二人は安心して車道の左端を歩くことができた。
一定間隔ごとに道路灯があり、樹木もあって木陰もある。しかし、もしここが〝温帯区域〟ではなく〝熱帯区域〟内にあったら、このような徒歩移動は不可能だった。間違いなく途中で行き倒れている。
「理想……うーん……素直にうなずけないが、不満はないからそうなんだろうな……」
そう答えつつもやはり認めがたいのか、スミスは両腕を組んで唸る。
「あの人は一見変人のように見えるが、頭はウェーバーとは比べものにもならないほど切れる。部下に口答えされてもまったく気にしない。むしろそれを楽しんでる」
「確かに頭は切れるな。だから相談しようと思ったんだが……まさか転属願を渡されることになるとは思いもしなかった」
「で、どうするんだ? おまえはうちに入隊したいのか?」
スミスの問いに、ラッセルは軽く苦笑いした。
「おまえの許可がないと、入隊はできないんだろう?」
「俺がおまえを大佐に紹介した時点で、もう許可したことになっちまってるよ」
「なるほどな。すまないが、よろしく頼むよ、先輩」
「本当にいいのか? うちには班長制度はないぞ。さすがに大佐は〝大佐〟と呼ばれてるが、隊員の階級はまったく無視だ。俺は隊の中で最年長だから〝さん〟づけで呼ばれてるが、基本、隊員同士の立場は対等。たとえおまえが〝中佐〟でも、〝ラッセル中佐〟ではなく〝ラッセルさん〟と呼ばれつづけるわけだ」
「それもドレイク大佐の方針なのか?」
「ああ。ちなみに敬礼も嫌いだ。自分がしたくないから、部下にもやらせないんだ」
「じゃあ、さっきは仕方なく答礼したのか。……本当に軍人か?」
「俺もしばしばそう思うが、結果はちゃんと残してるからな。ところで、おまえはさっきの話を誰にしようと考えてるんだ?」
「ああ、先におまえの許可をもらっておかないといけないんだったな。バラード、オールディス、ディック、スターリング。今、ダーナ大佐の指揮下にいる俺以外の四班の班長だ。どうだ? 大丈夫そうか?」
「ああ、そいつらなら。……九班、十班は班長が変わったんだな」
「おまえんとこの真似をして戦死した。ついでに言うと、二班、三班もな。うちは余剰人員が結構あったから、欠員が出てもどうにかなったが、班長や副班長の任命はさすがにアルスター大佐とダーナ大佐がした。班長が戦死した班は副班長をそのまま繰り上げたり、副班長も戦死している班は新たに班長を任命したり……まあ、いろいろだ」
ラッセルの話を聞いて、スミスは強く眉をひそめる。
「やっぱり、あれはウェーバーの命令だったのか」
「ああ。でも、それに素直に従ったのは、ウェーバーにひいきされてた奴らばかりだ。まさか無人艦に盾になってもらえないとは、ウェーバーも奴らも思ってもみなかったんだろう」
「あれを見て、おまえはどう思った? ……殿下を恨んだか?」
再びラッセルは苦笑したが、先ほどよりも深く暗かった。
「一言では言えん。俺はあのとき、上官命令を無視して生き残った側の人間だからな。ただ、殿下の憤りもわからんでもない。下手な猿真似をしておまえたちの邪魔をする俺たちは、目障りで仕方なかっただろう」
「でも、殿下に強制撤収をうながしたのは、うちの大佐だ」
「……何?」
ラッセルはスミスを見たが、彼は前を向いたままだった。
「あれ以上、無能な上官命令をされる前に、大佐がウェーバーとマクスウェルの隊が邪魔だからどうにかしてくれと殿下に言って、殿下が強制撤収させた。もしかしたら、そのおかげでおまえたちは命拾いしたかもしれないぞ」
「……それほど……それほどドレイク大佐は、殿下に強い影響力を持っているのか?」
そう問うラッセルの声音には、怯えのようなものが含まれている。
「ああ、空恐ろしいほどな。でも、それは殿下がうちの大佐を気に入ってるからで、気に入っている理由は大佐が有能だからだ――と大佐は思っている」
「何だ、その〝大佐は思っている〟っていうのは?」
「うちに入隊すればわかる。とりあえず、おまえたちはダーナ大佐の手助けができればそれでいいんだろ?」
「あ、ああ……」
「なら、あそこに明日からおまえたち専用になる軍艦がある」
そう言って、スミスはようやく見えたドレイク大佐隊のドックを無造作に指さした。
身長も年代もスミスと同じくらい。黒髪なのも同じだったが、イルホンにはスミスよりさらに真面目そうに見えた。
「大佐、お忙しいところ、本当にすみません」
恐縮したようにスミスが軽く頭を下げる。
「それって嫌味?」
ドレイクはソファにそっくり返った格好のまま、眉をひそめて激薄コーヒーを飲んだ。
しかし、訪問者は硬い表情を崩すことなく、隊の見本にしたいような敬礼をした。
「お初にお目にかかります。自分が元ウェーバー大佐隊所属のラッセル中佐であります。このたびは貴重なお時間を割いていただき、まことにありがとうございます」
「うわあ、感動だなあ。俺、最後に敬礼されたの、いつだったかなあ」
おざなりに答礼しながら、ドレイクがにやにやする。
「たぶん、初出撃した日の顔合わせのときじゃないですか」
普通濃度のコーヒーを淹れる準備をしつつも、イルホンはすかさず口を挟む。
「でも、そのとき大佐が『めんどくさいから、もう俺には敬礼しなくていいよ』って言ったんですよ」
「そういやそうだったか。あの頃はみんな純真だったね」
「大佐に毒されたんですよ。あっというまに」
「じゃあ、俺はこれで……」
そそくさとスミスは執務室を出ていこうとしたが、ドレイクはそれを許さなかった。
「こらあ、紹介者! 逃げるんじゃねえ! 最後まで面倒見てやれ!」
「紹介って……」
スミスは困惑してドレイクを振り返る。
「俺はただ、こいつが大佐と話したいって言うから、イルホンに知らせただけですよ?」
「結果的には紹介したことになるだろ。……ラッセルくん。とりあえず、そこ座って。スミスも元同僚のよしみでつきあってやれ」
「はあ……」
気乗りしない様子ながらも、スミスはドレイクの向かいのソファに、ラッセルと並んで座った。
「それで、ラッセルくん。俺に話って? 今回の転属に関することらしいけど、はっきり言って俺はそれとは無関係よ?」
――自分が提案したくせに、ぬけぬけとよく言うなあ。
内心イルホンは呆れたが、純真ではなくなっていたので、黙々とコーヒーを淹れた。
「はい、それは存じています。実は……話というより、相談なんです」
「相談?」
イルホンはラッセルとスミスの前にコーヒーを置き、自分の執務机に戻りかけた。が、ドレイクに「イルホンくん」と呼ばれて足を止める。
「君もここに座って。一緒にお話聞いてちょうだい」
「え? 俺もですか?」
「もしかしたら、君の力も必要になるかもしれないから」
「はあ……」
相談事なら自分がいたら余計しづらくなるのではないかとイルホンは思ったが、一応上官の命令に従って、ドレイクの隣、スミスの向かいの席に腰を下ろした。
「はい、準備OK。ラッセルくん、続きをどうぞ」
「はい……本来なら、ドレイク大佐にご相談すべきことではないとは思ったのですが……」
もともと相談しにくい内容なのか、それとも傍聴者が二人もいるせいなのか、ラッセルは言いにくそうにうつむいて両手を組んだ。
「自分は現在、ダーナ大佐の指揮下におります。しかし、明日付でアルスター大佐の指揮下に転属されることになりました。自分も含めて多数の隊員がこのままダーナ大佐隊に残留することを希望しているのですが、ダーナ大佐はウェーバー大佐隊員は例外なくアルスター大佐隊に転属となるとおっしゃっていて……」
ここでラッセルは意を決したように顔を上げた。
「ドレイク大佐。我々がダーナ大佐隊に残留する、何かよい手立てはないでしょうか?」
――ええ!? あのダーナ大佐の下にわざわざ残りたいって……それほどいいの? あの人。
ドレイクを罵るダーナの姿ばかり見ているイルホンには、ラッセルの希望はまったく奇怪なことに思われたが、ドレイクはしごく真剣な表情をしていた。
「そうか。そう言われたか。それじゃあ無理だ。残留はできない」
間をおかず、ドレイクはあっさり断言した。これにはラッセルだけでなく、イルホンもスミスも驚かされた。
「なぜ――」
「うーん……あの男はたぶん、えこひいきをしないか、しないようにしてるだろ?」
「は、はい……そのとおりです」
「だからだよ。あの男も本音はたぶん、君らのうちの誰かは残したいと思ってるだろ。でも、それって見方によってはえこひいきだろ。選ばれないでアルスター大佐隊に転属になった隊員はどう思う?」
「あ……」
ドレイク以外の三人は、思わず声を上げる。
「相変わらず馬鹿だねえ。まっすぐというか不器用というか」
ドレイクは笑ったが、それは嘲笑ではなく苦笑に近かった。同僚である四人の大佐の中で彼がいちばん気に入っているのは、実はダーナなのかもしれない。
「なるほど……確かにダーナ大佐なら……思いつきませんでした……」
ラッセルはショックを受けたように呟いた。
「まあ、実現可能かどうかは置いといて、今日中に元マクスウェル大佐隊に転属っていう手もあるけど、そんな隊員、ダーナ大佐は嫌うだろ?」
「そうですね……たぶん」
「そんなわけでラッセルくん。君が元ウェーバー大佐隊員である以上、ダーナ大佐隊に残留することは不可能だ。いったんアルスター大佐隊に転属されて、それでもやっぱりダーナ大佐の元に戻りたいと思ったら、転属願を出しなさい。でも、どうしてもアルスター大佐の指揮下には入りたくなくて、ダーナ大佐に知られなくてもいいから手助けしたいと思ってるなら、最適な方法が一つある」
ドレイクが急ににこにこ笑い出す。
(あ……)
イルホンがスミスを見ると、スミスも同じことを考えていたようだ。ドレイクとラッセルには見えないように、二人でぬるく笑いあった。
「最適な方法……何でしょうか?」
何も知らないラッセルは、身を乗り出すようにしてドレイクに訊ねた。
「実はうち、今こっそりと追加隊員募集してるのよ。予定は九人。具体的にどうやってかは入隊してからじゃないと教えられないけど、ダーナ大佐の手助けは確実にできる。それだけは約束する」
まったく予想外のことだったらしく、ラッセルは何も言えずに褐色の目を丸くしていた。
(本当にダーナ大佐の対極にいるな、この人)
イルホンは冷ややかにドレイクを横目で見た。が、確かにこれは追加隊員を一気に獲得できる絶好のチャンスではある。
「手助け……もしかして、この前の旧型無人砲撃艦のことですか?」
イルホンとスミスは驚いてラッセルを凝視したが、ドレイクはまったく動じていなかった。
「あら、やっぱり気づかれちゃってた?」
「普通の無人艦に旗艦は落とせませんから……しかも旧型で」
「じゃあ、その後の行動も追跡済み?」
「右翼の無人艦群の中にまぎれこんでいましたよね。姿形は同じでも、明らかに周囲の無人艦とは違っていました」
「ダーナ大佐、何か言ってた?」
「自分は直接聞いていませんが、旧型とは思えないほど高性能なのが一隻まぎれこんでいる――というようなことをおっしゃっていたそうです」
「……ま、そういうわけだ」
どういうわけなのかはいっさい省略して、ドレイクはにたりと笑った。
「ダーナ大佐からお褒めの言葉はいただけないが、彼の隊の中に堂々とまぎれこんで、彼の軍艦を守ることはできる。隊の所属は変わっても、やってることは同じだろ?」
「まさか、それが目的であんな軍艦を?」
「あくまで目的の一つと言っておこう。で、どうする? 俺はアルスター大佐の指揮下に入る前に、うちに入っちまったほうがいいと思うがね。……イルホンくん」
「はい」
イルホンは即座に立ち上がって、自分の執務机の引き出しを開けると、白紙の転属願の束と大きめの封筒を持って戻ってきた。
「ああ……見覚えのある紙が……」
転属願の用紙を見て、スミスが独りごちる。
「ちなみに、ラッセルくん。君の担当は?」
「あ……今は班長をしていますが、以前は砲撃を担当していました」
「班長かい」
そう言って、ドレイクはスミスを見た。
「おまえが一度はなって、すぐに辞めさせられた班長かい」
「昔の話はやめてくださいよ……」
スミスは苦虫を噛みつぶしたような顔をしてそっぽを向いた。
「無理もありません」
そんなスミスの隣で、ラッセルが軽く溜め息をつく。
「この男はことあるごとにウェーバー大佐に逆らっていましたから」
「だから、昔の話はやめてくれって……」
「でも、今うちの隊で、いちばんまともで常識人だとされてるのは、このスミスだよ?」
「ええっ、この男がっ?」
ラッセルは大仰に驚いて、スミスから体を遠ざけた。
「何だよ、その反応は……」
「おまえが〝常識人〟だなんて……そんなにすごいのか、この隊は」
「ああ、すごいぞ。特におまえの前に座っていらっしゃるお方が」
ドレイクから目をそらせたまま、ぼそぼそとスミスは答える。
「あの殿下に〝説教〟しても、まったく処罰されないからな」
「説教?」
「ああ、俺って口下手だから、自分では進言してるつもりなんだけど、人には説教に聞こえちゃうみたいなんだよねえ」
「ほら、すごいだろ」
「ああ……すごい」
ラッセルは真顔でうなずいた。
「とにかく、ラッセルくん。君にその気があるなら、今日の午後五時までに、ここに転属願を持ってもう一度来てくれ。君の他にここの隊員になってもいいからダーナ大佐の力になりたいっていう奇特な人間がいたら、そいつも一緒に連れてきて。でも、採用枠は九人までだから、この話をする相手はよーく考えてね」
ドレイクが話している間に、イルホンは封筒の中に九枚の転属願を入れ、ラッセルの前に置いた。
「はい……」
まだラッセルは呆然としているようだったが、急がなければまずいということはわかったらしい。
「了解いたしました。ドレイク大佐、本当にありがとうございます。今から早急に自分の他の班長に話をしてみます。こちらにお伺いする前には、またスミスに連絡を入れさせていただきます」
「何で俺を通すんだよ……」
「うん、そうして。で、そのときスミスに誰が転属希望者か伝えて。スミスが入れたくない人間は、何があっても入れないから」
屈託なく笑っているドレイクを、スミスとラッセルは無言で見つめた。
「俺は自分が気に入らない人間は、絶対採用したくないんだ。スミスも気に入ったから採用した。そのスミスが気に入らない人間なら、俺もいらない」
――なるほど。これなら〝今いる奴らとうまくやっていける〟をクリアしやすいかもしれないな。
イルホンは合点がいったが、スミスとラッセルはそれぞれ複雑な思いに駆られたようだ。
「先におまえが気に入っていた人間を教えてもらって、そいつらだけにこの話をしたほうがいいのかな……」
「そうだな……」
「よし、じゃあ、早く行けい。あ、それからそのコーヒー。一気飲みするか持ち帰って。せっかくイルホンくんが淹れてくれたんだ、もったいないだろ」
スミスとラッセルはすっかり冷めてしまったコーヒーを見下ろし、どちらも迷わず一気飲みした。
「ご馳走様でした。では、自分はこれで失礼させていただきます」
コーヒーを飲み終えたラッセルは、白紙の転属願が入った封筒を持って立ち上がると、再びドレイクに対して敬礼した。ドレイクは今度は敬礼ではなく、片手を挙げて応えた。
「あいあい。……スミス。帰りがけ、ラッセルくんに〈ワイバーン〉と〈新型〉見せてやれ。たぶん今頃は、整備という名の井戸端会議をしてるだろう」
「監視カメラでも仕掛けてあるんですか……」
引きつった笑みを浮かべながら、スミスはラッセルと一緒に執務室を出ていった。
「ようし、これで五人は確保できたな」
自動ドアが閉まったとたん、ドレイクが嬉しげににやついた。
「え、五人ですか?」
せっかく九枚入れたのに、と口には出さなくても顔にはしっかり出ていたのか、ドレイクは少しだけ申し訳なさそうな表情をした。
「ここは〝大佐〟のすぐ下は班長クラスなんだろ? ダーナのためならうちに転属になってもかまわないとまで思えるのは、あのラッセルくんと同じ班長クラスまでじゃないかなあ。その下は正直、指揮官がアルスター大佐に変わっても、別にかまわないと思ってると思うよ」
「その……俺はあのラッセルさんが、大佐に相談してまでダーナ大佐の下に残りたいというのに、ものすごく違和感を覚えたんですけど……」
イルホンが顔をこわばらせて言うと、ドレイクは愉快そうに笑った。
「ああ、俺たちは会議のときのダーナしか知らないからねえ。ああ見えて、意外と人使いはうまいんじゃないの? 自分の隊なら意のままに動かせるって言って、実際動かしてたしね。馬鹿正直だから、みんなほっとけないと思っちゃうんじゃない? 部下だけじゃなくて、コールタン大佐とかパラディン大佐とかも」
「大佐もですか?」
「俺はもっと打算的。両翼しっかり潰してもらえないと、こっちが大変だから。ただでさえ中央、むちゃくちゃ厚いのに」
ドレイクはおどけていたが、イルホンには照れ隠しのようにしか見えなかった。
* * *
「ああいう〝大佐〟がおまえの理想だったのか……」
スミスと並んで歩いていたラッセルが、ふと独り言のように言った。
ドレイクの執務室がある棟――ドレイク大佐隊内では〝ドレイク棟〟と呼ばれている――は、総司令部など中枢機関が置かれている基地の中央部にある。
まるで城郭都市のようなそこを抜け出ると、視界は一変して広大な平原――もちろん、まったく何もないわけではなく、各所に軍事施設はあるが――に変わる。
その平原を走る、これまた広大な道路に歩道はなかったが、交通量は少なかったため、二人は安心して車道の左端を歩くことができた。
一定間隔ごとに道路灯があり、樹木もあって木陰もある。しかし、もしここが〝温帯区域〟ではなく〝熱帯区域〟内にあったら、このような徒歩移動は不可能だった。間違いなく途中で行き倒れている。
「理想……うーん……素直にうなずけないが、不満はないからそうなんだろうな……」
そう答えつつもやはり認めがたいのか、スミスは両腕を組んで唸る。
「あの人は一見変人のように見えるが、頭はウェーバーとは比べものにもならないほど切れる。部下に口答えされてもまったく気にしない。むしろそれを楽しんでる」
「確かに頭は切れるな。だから相談しようと思ったんだが……まさか転属願を渡されることになるとは思いもしなかった」
「で、どうするんだ? おまえはうちに入隊したいのか?」
スミスの問いに、ラッセルは軽く苦笑いした。
「おまえの許可がないと、入隊はできないんだろう?」
「俺がおまえを大佐に紹介した時点で、もう許可したことになっちまってるよ」
「なるほどな。すまないが、よろしく頼むよ、先輩」
「本当にいいのか? うちには班長制度はないぞ。さすがに大佐は〝大佐〟と呼ばれてるが、隊員の階級はまったく無視だ。俺は隊の中で最年長だから〝さん〟づけで呼ばれてるが、基本、隊員同士の立場は対等。たとえおまえが〝中佐〟でも、〝ラッセル中佐〟ではなく〝ラッセルさん〟と呼ばれつづけるわけだ」
「それもドレイク大佐の方針なのか?」
「ああ。ちなみに敬礼も嫌いだ。自分がしたくないから、部下にもやらせないんだ」
「じゃあ、さっきは仕方なく答礼したのか。……本当に軍人か?」
「俺もしばしばそう思うが、結果はちゃんと残してるからな。ところで、おまえはさっきの話を誰にしようと考えてるんだ?」
「ああ、先におまえの許可をもらっておかないといけないんだったな。バラード、オールディス、ディック、スターリング。今、ダーナ大佐の指揮下にいる俺以外の四班の班長だ。どうだ? 大丈夫そうか?」
「ああ、そいつらなら。……九班、十班は班長が変わったんだな」
「おまえんとこの真似をして戦死した。ついでに言うと、二班、三班もな。うちは余剰人員が結構あったから、欠員が出てもどうにかなったが、班長や副班長の任命はさすがにアルスター大佐とダーナ大佐がした。班長が戦死した班は副班長をそのまま繰り上げたり、副班長も戦死している班は新たに班長を任命したり……まあ、いろいろだ」
ラッセルの話を聞いて、スミスは強く眉をひそめる。
「やっぱり、あれはウェーバーの命令だったのか」
「ああ。でも、それに素直に従ったのは、ウェーバーにひいきされてた奴らばかりだ。まさか無人艦に盾になってもらえないとは、ウェーバーも奴らも思ってもみなかったんだろう」
「あれを見て、おまえはどう思った? ……殿下を恨んだか?」
再びラッセルは苦笑したが、先ほどよりも深く暗かった。
「一言では言えん。俺はあのとき、上官命令を無視して生き残った側の人間だからな。ただ、殿下の憤りもわからんでもない。下手な猿真似をしておまえたちの邪魔をする俺たちは、目障りで仕方なかっただろう」
「でも、殿下に強制撤収をうながしたのは、うちの大佐だ」
「……何?」
ラッセルはスミスを見たが、彼は前を向いたままだった。
「あれ以上、無能な上官命令をされる前に、大佐がウェーバーとマクスウェルの隊が邪魔だからどうにかしてくれと殿下に言って、殿下が強制撤収させた。もしかしたら、そのおかげでおまえたちは命拾いしたかもしれないぞ」
「……それほど……それほどドレイク大佐は、殿下に強い影響力を持っているのか?」
そう問うラッセルの声音には、怯えのようなものが含まれている。
「ああ、空恐ろしいほどな。でも、それは殿下がうちの大佐を気に入ってるからで、気に入っている理由は大佐が有能だからだ――と大佐は思っている」
「何だ、その〝大佐は思っている〟っていうのは?」
「うちに入隊すればわかる。とりあえず、おまえたちはダーナ大佐の手助けができればそれでいいんだろ?」
「あ、ああ……」
「なら、あそこに明日からおまえたち専用になる軍艦がある」
そう言って、スミスはようやく見えたドレイク大佐隊のドックを無造作に指さした。
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