もしもし幕府ですか?越後からストーカーが来るのですが!

タクポス

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第二章越後からの脱出作戦と武田四天王始動

従者の正体と決着

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(「ここにきて、彼が動くとは予想外だわ」)

 掴まれた槍を私は手放し刀を引き抜き、彼に斬りかかる。
 
 だが奴はかわすのではなく、鎧の小手でガードする。

 「ッ!?、魔力を込めて放った一撃であったのに!」

 わざわざこの戦闘に連れてこられたからそれなりの実力者だと思ったが、想像以上な強さを彼は私に示した。

 (「あの一閃を片手でしかも顔色ひとつ変えずに防ぐなんてやはりこの男私より強い」)

    「綾」はそう分析すると一気に下がり態勢を直し、「虎」と「トヨ」の方を見る。

 「二人とも!ありったけのバフを私にかけてくれる!!」

 二人は言われるがまま「綾」にありったけのバフを乗せる。

 (「ここまできて……失敗は許されない」)

  全身にみなぎる魔力に少しだけ安心する、それでも奴には届かないと「綾」はすぐに実感にする、それほどまでに奴の強さは想像以上であった。

 「それでも……やらなければならない」

  赤い色のオーラが体が滲みで始める。

 「「赤備え」のスキルかやっと使う気になった様だな」

 従者はないか呟いていたが私には聞こえなかった。

 (「私の奥の手である「赤備え」使うとしばらく動けなくなるけどやるしか無い!」)

 「綾」が襲名する「山県昌景」のスキル「赤備え」、発動条件はかなり簡単で「赤い」鎧を身につけていたら使える。


 効果は、身体強化しかも己の身体能力の限界まで上げる。

 さらに「武田の赤備え」というもう一つのスキルを使うことで、限界化した能力が上積みされ、副作用が出てくる。

 それは「先読みできる魔眼」が一時的に手に入ることだ。

 (「これで少し先の未来が読む事ができるのだけど……」)

 普通の人からしたらかなりのチート能力ではあるのだが意外な弱点がある。

 私が覚悟を決める前に従者が先に動く。

 (「まず一歩右に回り込み横一閃を放ってくるだろう)」

 確かに見える、だが見えるだけで対処するのは自分の力量に全ては掛かってくる。

 動きに合わせてギリギリの所で彼の一閃をかわし、腹部に拳を叩き込む。

 ただのパンチでは無く、魔力を込めた重い一撃を放つ。

 凄まじい轟音と赤い魔力の火花が奴の体を貫き、その場で彼は倒れてしまう。

 「効いた!なら!」

 動きを止めた相手に畳み掛けるかける為にもう一度拳をたたみ込む。

 奴は咄嗟に左手を出し、ギリギリの所で防ごうとしたが、その瞬間衝撃で左手の小手が吹き飛び左手は使いものにならなくなる。

 「ぐっ!、まさかこんな奥の手を隠していたとは」

 だらりとした左手と事は気にせず従者はすぐさま刀を構え一気に立ち上がりこちらに斬りかかる。

 「くっ、しつこい!!」

 「先読み」を使い、かわしすぐに刀を抜き応戦する。

 そのまま数回打ち合う、フェイトをかけ逆方向から斬りかかったりしてみたが従者は難なく対応してくる。

 「くっ!」

 (「「先読み」をしているのにすぐに対応されてしまうのは厳しいそれにこのままでは刀が限界をむかえてしまう」)

 純粋な実力差が出始めていた、両者刀に魔力をかけながらの斬り合いでかなり押されてしまい、すでに刀は刃こぼれでボロボロになってしまう。

 (「だけど「今」の私にはこれしかできないなんとか出し抜く事ができれば…」)

   だが、私に考える余裕はすでになかった。
 
 パキィン!と甲高い音を立てて刀が折れる音がした。

 だが気にせず私はさらに魔力を回して一気に懐に飛び込む。

 だがそれが限界だった、右目から血が流れ始め次に激痛が走る。

 「ッ!」

 そこで態勢を崩してしまう。

 「よく粘った方だ…だがこれで終わりだよくやった「綾」」

 従者が何故自分の名前を呼んだのか、わからないまま私はそのまま意識を失ってしまう。

 
 「やれやれ、どうにか穏便に済ます事ができましたね!」

 いつもの調子で彼女は俺に言ってくる、その後ろには残りの四天王三人がのされていたのだ。

 「何が!穏便だ!!俺の左手と腹を引き換えにしてだろ。ったく、ここまでこいつ等が本気になったのもそもそもお前達の尻拭いをやったんだからな!」

 使い物にならなくなった、左手に治癒魔術をかけながら俺は悪態をつく。

 「それでも、よくバレずにやれたね!まさかハル君も参加するなんて!」

 「いや、あのまま参加しなかったらお前一撃食らっていただろう、そして次は本気でやり合うきだっただろう?」

 「まぁね、流石に私も楽しくなってね」

 「楽しくなってで、俺の大切な部下を殺される訳にはいかないからな……」

 事実「景虎」はまったく本気を出していなかった。一度川中島で戦った事がある、「四天王」でさえわからないほどに実力を隠していた。

 「まったく趣味が悪過ぎる……結局俺が出張る事になったが……結果的にはよかったかな。みんなの成長が見れたからな」

 横たわる、彼女を、抱き抱えながら俺達の歓迎会の準備をしている下の階へと向かうのであった。

 

 
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