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第二章越後からの脱出作戦と武田四天王始動
暴走機関車、馬場信房
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「ノブ」さんが門を蹴破ってから予定が崩れてしまった。
私達は、城門を抜け一直線で敵の城へと向かっている。
意外にも警備している兵士は少なく、なんとか切り抜けられる状況であったのだ。
「へへ、なんだ。あまり大した事はないんだな!」
槍を振るい上杉勢をのしていく我等の暴走機関車「ノブ」さんを先頭に私達は突き進んでいく。
「あーもう!もしかしたら話し合いができたかもしれなかったのに、あなたがあんな行動するから全部ダメになってしまったじゃないですか!」
涙目になりながら私は叫ぶ。
門番の人が何かを察したらしく穏便に事を済ませてくれそうな矢先に彼女の暴走によって全てが変わってしまった。
すでに望月千代女は忍びとしての真骨頂が使えなくなったのが分かるとただの動いてついくる人形と化してしまった。
「いや!お館様も拉致した奴等がそう簡単に返してくれるわけがないだろう?むしろ話し合いをするって言ってそのまま時間稼ぎされるのも困る。その間にお館様の命が危なくなっていたかも知れない。だったら動くしかないのではないかしら?」
「たまに、筋が通る事を言うよね」
信房の言っている事がわからないわけでも無い。その為、彼女は敵を殺さず、気絶だけですませている。
「それに、このまま何もせずにお館様が死んだ場合。助けられたのに無理でしたは流石に無い。ならこの件が勘違いなら私達が罰を受ければいいだいたい」
そこまで言い終わると急に暴走機関車が急停止する。
「わぁ!」
「ぎゃ!」
「むぎゅ!」
「………」
いきなりの急停止に全員ぶつかってしまいそのまま態勢を崩して倒れてしまう。
「おい、いきなり止まる事はないだろう」
「イタタタ、「ノブ」ちゃん急に止まらないでください」
「「フサ」ちゃん、止まるなら止まるって言ってくれないとこまるでしょ」
「いや、すまん。あと「トヨ」ちゃんその「フサ」ちゃんはみんなの前では恥ずいからあまり言わないでくれ」
「信房」の顔が真っ赤になるがすぐに治まり、彼女は咳払いをし話始める。
「だって、あのお館様大好きで通っている「景虎」様が拉致するわけないだろう?だったらもっと早く行動に移しているはずだ」
「「「あ~確かに」」」
なんと満場一致であった。
そうここにいるメンツはこともあろうにも「景虎」とは仲が良いというより友達なのであり、ある程度彼女の事を知っているのだ。
「確かに、あの「景虎」様に限ってそこまでするとは思えないですし、むしろ逆に甲斐に家を建てている方が信じられます」
一度だけ、長尾不動産という訳の分からない会社ができた事があり、甲斐の土地を買おうとする動きがあった。同時社長に抜擢された。神崎の話を聞くと「景虎」が別荘建てる気でいたとのこと。
それを知った「信玄」は全力を尽くしてこの不動産を撤退させた事がある。
「なるほど、それでとりあえずまずは「景虎」さんに直接聞いた方が早いと……確かにその方が手っ取り早いですね、これが「景虎」さんの指示では無かった場合も検討するのなら、このまま直接会いに行くのが一番早いかもしれませんね」
もし、仮にこれが第三者の思惑であった場合は話し合いと言うのは無しになるだろう。
最悪、暗殺される可能性もある。
だったらこのまま春日山に向かう方が第三者の準備などの予定も狂い、比較的に私達が優位な状況になりやすい。
「確かに、筋は通る。でも本当の所はどうなんだ?」
今まで、最もらしい事を言っていた、「ノブ」さんは裏表の無い屈託の無い笑顔でこう答えた。
「戦いたいから!!」
「………………そうか…….」
それ以上は何も答えずに私達は城内へと侵入する。
私達は、城門を抜け一直線で敵の城へと向かっている。
意外にも警備している兵士は少なく、なんとか切り抜けられる状況であったのだ。
「へへ、なんだ。あまり大した事はないんだな!」
槍を振るい上杉勢をのしていく我等の暴走機関車「ノブ」さんを先頭に私達は突き進んでいく。
「あーもう!もしかしたら話し合いができたかもしれなかったのに、あなたがあんな行動するから全部ダメになってしまったじゃないですか!」
涙目になりながら私は叫ぶ。
門番の人が何かを察したらしく穏便に事を済ませてくれそうな矢先に彼女の暴走によって全てが変わってしまった。
すでに望月千代女は忍びとしての真骨頂が使えなくなったのが分かるとただの動いてついくる人形と化してしまった。
「いや!お館様も拉致した奴等がそう簡単に返してくれるわけがないだろう?むしろ話し合いをするって言ってそのまま時間稼ぎされるのも困る。その間にお館様の命が危なくなっていたかも知れない。だったら動くしかないのではないかしら?」
「たまに、筋が通る事を言うよね」
信房の言っている事がわからないわけでも無い。その為、彼女は敵を殺さず、気絶だけですませている。
「それに、このまま何もせずにお館様が死んだ場合。助けられたのに無理でしたは流石に無い。ならこの件が勘違いなら私達が罰を受ければいいだいたい」
そこまで言い終わると急に暴走機関車が急停止する。
「わぁ!」
「ぎゃ!」
「むぎゅ!」
「………」
いきなりの急停止に全員ぶつかってしまいそのまま態勢を崩して倒れてしまう。
「おい、いきなり止まる事はないだろう」
「イタタタ、「ノブ」ちゃん急に止まらないでください」
「「フサ」ちゃん、止まるなら止まるって言ってくれないとこまるでしょ」
「いや、すまん。あと「トヨ」ちゃんその「フサ」ちゃんはみんなの前では恥ずいからあまり言わないでくれ」
「信房」の顔が真っ赤になるがすぐに治まり、彼女は咳払いをし話始める。
「だって、あのお館様大好きで通っている「景虎」様が拉致するわけないだろう?だったらもっと早く行動に移しているはずだ」
「「「あ~確かに」」」
なんと満場一致であった。
そうここにいるメンツはこともあろうにも「景虎」とは仲が良いというより友達なのであり、ある程度彼女の事を知っているのだ。
「確かに、あの「景虎」様に限ってそこまでするとは思えないですし、むしろ逆に甲斐に家を建てている方が信じられます」
一度だけ、長尾不動産という訳の分からない会社ができた事があり、甲斐の土地を買おうとする動きがあった。同時社長に抜擢された。神崎の話を聞くと「景虎」が別荘建てる気でいたとのこと。
それを知った「信玄」は全力を尽くしてこの不動産を撤退させた事がある。
「なるほど、それでとりあえずまずは「景虎」さんに直接聞いた方が早いと……確かにその方が手っ取り早いですね、これが「景虎」さんの指示では無かった場合も検討するのなら、このまま直接会いに行くのが一番早いかもしれませんね」
もし、仮にこれが第三者の思惑であった場合は話し合いと言うのは無しになるだろう。
最悪、暗殺される可能性もある。
だったらこのまま春日山に向かう方が第三者の準備などの予定も狂い、比較的に私達が優位な状況になりやすい。
「確かに、筋は通る。でも本当の所はどうなんだ?」
今まで、最もらしい事を言っていた、「ノブ」さんは裏表の無い屈託の無い笑顔でこう答えた。
「戦いたいから!!」
「………………そうか…….」
それ以上は何も答えずに私達は城内へと侵入する。
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