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第二章越後からの脱出作戦と武田四天王始動
信玄救出隊始動!!、巻き込まれる「綾」
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時は遡り、三日前程まだ「景虎」と宇佐美が頭を抱える前までに遡る。
先の模擬戦での決戦による被害状況の確認の為武田家は奔走していた。
幸い死者行方不明者は出ておらず、最悪の事態は防がれていたのだが……。
瓦礫の片付けや家の修繕などのが終わり皆が館に戻る途中、それは一人の発言から始まった。
「待って、お館様がいないのだけど……」
盲点だった、それどころか誰も探そうともしなかった。
誰もが心配していたのは事実だが、それでもどこかでふんぞり返ってそうなイメージが彼にはあったからだ。
川中島の時も皆が戦意を失いかけた時、真っ先にあの軍神に立ち向かい、退けた我らの殿に全幅の信頼を置いていた。
だが、その予想は外れて、彼の所在が見当たらない。
それどころか誰一人会ってはいないのだ。
「探せ!どこかにおいでのはずだ!皆の者早く探すのだ!!」
今までの疲労感は吹き飛び、一斉に探し始めた。だがいくら探しても見つからない。
「一体、お館様はどこに行かれたのだろうか?」
「これからこの国はどうあるべきなんだ?」
板垣や甘利といった重臣が慌てふためく中一人の女性が彼等に平静さを取り戻させる。
「狼狽えてはなりません!お館様の所在がわかりました」
「そ、其方は望月千代女!」
名前を呼ばれた、彼女は微笑みながら会釈をする、そして簡潔的に状況の説明を始める。
「今、忍びの者を使い調べてみたところお館様は現在、上杉の本城春日山におられます」
彼女の報告に皆が驚きを隠せなかった。
「いかなる、理由があるかわかりませんが無断でわが殿を拉致したのは事実でありますのでここはすぐに救助隊を結成すべきだと思います!」
彼女の凛とした言葉に先程まで慌てていた彼等の表情が変わり、すぐに動きを始める。
「さぁ、「綾」殿も私達と共に動きましょう」
「えっ!私ですか?」
いきなり話を振られた私は困惑してしまうのだがそれをお構いなしに千代女は話を続け始める。
「この救出作戦は少数精鋭でいかなければなりません。なので、あなた方「四天王」のお力をお借りしたいのです」
「えぇ!ちょっと待ってください!もう少し準備などさせてもらってもいいですか!それにほかのメンバーにも話をつけないと!」
「その点は、大丈夫です。皆さん既に準備はできております。あとはあなただけなのですから、では向かいますよ!いざ春日山へ」
千代女は、「綾」の手を取るとものすごい勢いで、走り始める。
「ちょっと!本当に理解が追いつかないんですけど!!」
こうして、千代女の強引な勧誘と共に「信玄救出隊」は結成され、彼女達は残りのメンバーのいる場所に向かうのであった。
先の模擬戦での決戦による被害状況の確認の為武田家は奔走していた。
幸い死者行方不明者は出ておらず、最悪の事態は防がれていたのだが……。
瓦礫の片付けや家の修繕などのが終わり皆が館に戻る途中、それは一人の発言から始まった。
「待って、お館様がいないのだけど……」
盲点だった、それどころか誰も探そうともしなかった。
誰もが心配していたのは事実だが、それでもどこかでふんぞり返ってそうなイメージが彼にはあったからだ。
川中島の時も皆が戦意を失いかけた時、真っ先にあの軍神に立ち向かい、退けた我らの殿に全幅の信頼を置いていた。
だが、その予想は外れて、彼の所在が見当たらない。
それどころか誰一人会ってはいないのだ。
「探せ!どこかにおいでのはずだ!皆の者早く探すのだ!!」
今までの疲労感は吹き飛び、一斉に探し始めた。だがいくら探しても見つからない。
「一体、お館様はどこに行かれたのだろうか?」
「これからこの国はどうあるべきなんだ?」
板垣や甘利といった重臣が慌てふためく中一人の女性が彼等に平静さを取り戻させる。
「狼狽えてはなりません!お館様の所在がわかりました」
「そ、其方は望月千代女!」
名前を呼ばれた、彼女は微笑みながら会釈をする、そして簡潔的に状況の説明を始める。
「今、忍びの者を使い調べてみたところお館様は現在、上杉の本城春日山におられます」
彼女の報告に皆が驚きを隠せなかった。
「いかなる、理由があるかわかりませんが無断でわが殿を拉致したのは事実でありますのでここはすぐに救助隊を結成すべきだと思います!」
彼女の凛とした言葉に先程まで慌てていた彼等の表情が変わり、すぐに動きを始める。
「さぁ、「綾」殿も私達と共に動きましょう」
「えっ!私ですか?」
いきなり話を振られた私は困惑してしまうのだがそれをお構いなしに千代女は話を続け始める。
「この救出作戦は少数精鋭でいかなければなりません。なので、あなた方「四天王」のお力をお借りしたいのです」
「えぇ!ちょっと待ってください!もう少し準備などさせてもらってもいいですか!それにほかのメンバーにも話をつけないと!」
「その点は、大丈夫です。皆さん既に準備はできております。あとはあなただけなのですから、では向かいますよ!いざ春日山へ」
千代女は、「綾」の手を取るとものすごい勢いで、走り始める。
「ちょっと!本当に理解が追いつかないんですけど!!」
こうして、千代女の強引な勧誘と共に「信玄救出隊」は結成され、彼女達は残りのメンバーのいる場所に向かうのであった。
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