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プロローグ
Devil of the sound
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今から、約五十年前の、その日、大海に面する国の港町は、火の海に包まれていた。泣き叫ぶ声、咆哮、逃げ惑う民衆、炎の壁に阻まれ、港を警備する兵士らは、火の広がる海辺から、内陸に退却せざるをえなかった。
西方諸国の大海にあるこの港町は、東方のランゴバルト国から来た、大艦隊の襲撃にさらされていた。圧倒的な数の艦隊が、大海を埋め尽くしている。
大艦隊の最前列の、巨大な艦船の船首には、敵国、ランゴバルト国の王の姿がある。彼は鎧を身にまとい、暗い色の髪に、黒いビロードのマントを風にたなびかせている。その隣に美しい絹のマントを羽織った女性が佇んでいる。彼女の瞳は金色で、大混乱に陥った港の人々を睨むように見つめている。
金色の瞳をした女性が、口を開くと不思議な音がどこからともなく聞こえてきた。
彼女の歌は不協和音が何層にも重なったような不思議な旋律だ。敵の王は耳に金属の覆いをしている。彼女の声を聞かないためだ。その歌声は、目の前に広がる西方諸国の砂浜へ、港へと、鳴り響いている。金属が共鳴するような、低い音から高い音へ、徐々に音階が上がっていく。西方諸国の兵士たちは、皆、彼女の歌声を聞き、酷い頭痛に襲われ、意識を失って、次々に、浜辺に倒れていった。
「耳をふさげ! 〈魔の者〉の歌を聞くな!」
誰かが叫んだ。その誰かもまた、意識を失って、砂の上に倒れた。ひとりの兵士がまだ焼けていない建物の中へ、逃げ込もうとした。艦首に乗っている金色の瞳の女性が手をかざすと、その建物は、音を立てて、爆発するように燃えだした。兵士は火だるまになり、浜辺に転がった。
金色の瞳の女性は火を操りながら港を焼き尽くしているのだ。
やがて浜辺は静かになった。動いている者は誰もいない。穏やかに打ち寄せる波際に、千人を超す、西方諸国の兵士たちが黒い点のように倒れている。その光景はずっと浜辺を見渡す限り、続いている。東方から来た恐怖の敵の王は、浜辺に降り立った。金色の瞳の女性は船に残ったまま、無残な光景を眺めている。艦隊の扉が開き、鎧を着たランゴバルト国の兵士たちが次々に砂浜へ上陸し、整列した。
敵の王は右手をさっと上空に挙げた。これからもっと陰惨なことが始まろうとしていた。
敵の王は右手を、すっと下に降ろした。
鎧に身を包んだ兵士たちは、全軍、剣を片手に浜辺に上陸した。そして、浜辺に倒れている人々―――――〈魔の音〉を聞き、その〈音の力〉よって、意識を失っている何千という人々―――――のそばに立ち、剣をかざした。次の瞬間、びゅっと音をたてて、剣が振り下ろされ、倒れている兵士たちを次々と、串刺しにしていった。砂浜は赤い血を吸収し、海水は血の色で赤く染まった。彼らは、無抵抗な西方諸国の兵士たちを、ひとり残らず、惨殺した。
敵の王はその様子を無表情に見渡した。
ふと目をやると、浜辺の焼けた建物から少年がはい出してきた。服装から判断すると、まだ軍隊に入ったばかりなのだろう。戦いには参加していなかったと見える。もっとも、西方の兵士の誰一人として〈魔の力〉の前に、戦うことすらできなかったのだが。
少年はやけどを負っていた。だが、艦船の前に佇む敵国の王の姿をみとめると、ふらつきながら、ひとり、剣を抜いた。金色の瞳の女性が口を開くと不思議な旋律が再び流れてきた。少年はふらふらしながら歩み寄ってきたが、その旋律を聞いた途端、突然、何かに縛られたように動かなくなった。そしてどさりと音を立てて砂浜に倒れた。
ランゴバルト国王は、その少年の方へ歩きだした。そして倒れている彼の前で剣を抜いた。敵の王は剣を振り上げると、少年の手の平に刃を刺した。そして、すぐに剣を引き抜いた。少年の身体がびくりと、けいれんした。赤黒い血が少年の手から、どくどくと浜に流れ出し、砂があっという間に鮮血を吸収していく。敵の王は少年の前に膝をついた。
「命は奪わぬ。私はランゴバルト国王。我が名はラルス・ジーモン」
少年の目だけが見開いて、敵の王を映している。「覚えておくがいい」。そういうとランゴバルト国王は、立ち上がり、剣を鞘に収めた。
少年の目に、ラルス・ジーモンが港町へ近づいていく姿が見えていた。ラルス・ジーモンの、鈍い光を放つ、銀色のブーツが遠ざかっていく。少年は激しい痛みと戦いながら恐怖の中にいた。少年の目の中で、ラルス・ジーモンの姿が段々と、遠ざかっていく。少年の目に、焼き付くように、その光景が映っている。少年の魂が震えていた。身体は硬直したように動けないまま、目からは涙が流れ出た。再び意識が遠のいていく。このまま現実に戻りたくない。彼はそう願った。
焼けた港に、ランゴバルト国の大艦隊から兵士たちが、剣を片手に、内陸へと進軍していく。先頭の艦隊にいた、金色の瞳の女性もまた、砂浜に降りた。
ごおおおっ……。
その途端、轟音が響いた。
ぐらりと大地が大きく揺れ、大きな空気と大地の衝撃に、兵士たちは立っていることができず、皆、倒れた。大地の揺れは収まることが無く、断続的に続き、轟が不気味に鳴り続けている。港町から内陸に逃げた人々も、艦隊から地面に降りた敵の兵士たちも、大きな地震に悲鳴を上げ大混乱が広がっていく。地面が引き割かれ、大地にひびが入った。海辺に停泊している艦隊も大きく揺れて互いに船体がぶつかり合っている。
金色の瞳の女性は、地面に手を付いて身体を支えているラルス・ジーモンと目が合った。二人は何かを確信した。
「ゲゼリア! 船内に戻れ!」
ラルス・ジーモンが叫び、ゲゼリアと呼ばれた金色の瞳の女性は、欄干につかまりながら船に戻った。すると大地の揺れが収まってきた。しかしまだ轟音は続いている。何かを威嚇しているような、怒りのような轟音。
(やはり、そうだ。マンスフェルトの森だ……。このままでは津波が起こる)
ラルス・ジーモンは大声を上げ、兵士たちに退却を命じた。その声を聞いた将軍たちは内陸に進軍した兵士に艦隊へ戻ることを伝えた。
ランゴバルト国は、西方諸国の海辺においては、大勝利を得たが、結局、進軍を諦め、大艦隊はその日のうちに、大海へと引き上げた。この日を限りに、ランゴバルト国は、西方諸国の地を踏むことはなかった。
氷河におおわれた山脈がはるか遠くに見える深い森、〈マンスフェルトの森〉。この自然の強大な森の西側に十三の国があり、東側にランゴバルト国という巨大な国がある。
かつて東側には二十カ国以上の国々が存在していたが、約二百年前に滅んでしまった。ランゴバルト国の王、ラルス・ジーモンによって征服されたのだ。
マンスフェルトの森を人が越えることはできない。登山家なら挑んでみたい美しく青い山脈の嶺が太陽の光に照らされて、白く輝いている。しかし森は磁場が狂い、森に入る者は森の持つ魔の力により幻覚を見せられ、出口を求めてさまよい、力尽きていく。森を越えようとして戻ってきた者は一人もいない。自然界の力と、この森が持つ魔の力に守られたマンスフェルトの森は人を近づけることはなかった。そのため、東西の国の交流、交易は、大海を通り、航海によって行われてきた。
ラルス・ジーモンが残酷な征服王として君臨し、長い平和の時代は幕を閉じた。彼は、大海から西方の十三カ国を攻め続けた。のちに〈暗黒の百年戦争〉と呼ばれる侵略戦争が始まった。西方諸国は大海に面する国々に巨大な要塞を造り、ランゴバルトからの襲撃に備えた。
しかし不意に〈暗黒の百年戦争〉は停戦となった。ランゴバルト国からの攻撃が唐突に止んだのだ。何が起こったのか。それを西方の諸国が知る術はなかった。
突然の停戦からさらに五十年が経った。
今から、約五十年前の、その日、大海に面する国の港町は、火の海に包まれていた。泣き叫ぶ声、咆哮、逃げ惑う民衆、炎の壁に阻まれ、港を警備する兵士らは、火の広がる海辺から、内陸に退却せざるをえなかった。
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大艦隊の最前列の、巨大な艦船の船首には、敵国、ランゴバルト国の王の姿がある。彼は鎧を身にまとい、暗い色の髪に、黒いビロードのマントを風にたなびかせている。その隣に美しい絹のマントを羽織った女性が佇んでいる。彼女の瞳は金色で、大混乱に陥った港の人々を睨むように見つめている。
金色の瞳をした女性が、口を開くと不思議な音がどこからともなく聞こえてきた。
彼女の歌は不協和音が何層にも重なったような不思議な旋律だ。敵の王は耳に金属の覆いをしている。彼女の声を聞かないためだ。その歌声は、目の前に広がる西方諸国の砂浜へ、港へと、鳴り響いている。金属が共鳴するような、低い音から高い音へ、徐々に音階が上がっていく。西方諸国の兵士たちは、皆、彼女の歌声を聞き、酷い頭痛に襲われ、意識を失って、次々に、浜辺に倒れていった。
「耳をふさげ! 〈魔の者〉の歌を聞くな!」
誰かが叫んだ。その誰かもまた、意識を失って、砂の上に倒れた。ひとりの兵士がまだ焼けていない建物の中へ、逃げ込もうとした。艦首に乗っている金色の瞳の女性が手をかざすと、その建物は、音を立てて、爆発するように燃えだした。兵士は火だるまになり、浜辺に転がった。
金色の瞳の女性は火を操りながら港を焼き尽くしているのだ。
やがて浜辺は静かになった。動いている者は誰もいない。穏やかに打ち寄せる波際に、千人を超す、西方諸国の兵士たちが黒い点のように倒れている。その光景はずっと浜辺を見渡す限り、続いている。東方から来た恐怖の敵の王は、浜辺に降り立った。金色の瞳の女性は船に残ったまま、無残な光景を眺めている。艦隊の扉が開き、鎧を着たランゴバルト国の兵士たちが次々に砂浜へ上陸し、整列した。
敵の王は右手をさっと上空に挙げた。これからもっと陰惨なことが始まろうとしていた。
敵の王は右手を、すっと下に降ろした。
鎧に身を包んだ兵士たちは、全軍、剣を片手に浜辺に上陸した。そして、浜辺に倒れている人々―――――〈魔の音〉を聞き、その〈音の力〉よって、意識を失っている何千という人々―――――のそばに立ち、剣をかざした。次の瞬間、びゅっと音をたてて、剣が振り下ろされ、倒れている兵士たちを次々と、串刺しにしていった。砂浜は赤い血を吸収し、海水は血の色で赤く染まった。彼らは、無抵抗な西方諸国の兵士たちを、ひとり残らず、惨殺した。
敵の王はその様子を無表情に見渡した。
ふと目をやると、浜辺の焼けた建物から少年がはい出してきた。服装から判断すると、まだ軍隊に入ったばかりなのだろう。戦いには参加していなかったと見える。もっとも、西方の兵士の誰一人として〈魔の力〉の前に、戦うことすらできなかったのだが。
少年はやけどを負っていた。だが、艦船の前に佇む敵国の王の姿をみとめると、ふらつきながら、ひとり、剣を抜いた。金色の瞳の女性が口を開くと不思議な旋律が再び流れてきた。少年はふらふらしながら歩み寄ってきたが、その旋律を聞いた途端、突然、何かに縛られたように動かなくなった。そしてどさりと音を立てて砂浜に倒れた。
ランゴバルト国王は、その少年の方へ歩きだした。そして倒れている彼の前で剣を抜いた。敵の王は剣を振り上げると、少年の手の平に刃を刺した。そして、すぐに剣を引き抜いた。少年の身体がびくりと、けいれんした。赤黒い血が少年の手から、どくどくと浜に流れ出し、砂があっという間に鮮血を吸収していく。敵の王は少年の前に膝をついた。
「命は奪わぬ。私はランゴバルト国王。我が名はラルス・ジーモン」
少年の目だけが見開いて、敵の王を映している。「覚えておくがいい」。そういうとランゴバルト国王は、立ち上がり、剣を鞘に収めた。
少年の目に、ラルス・ジーモンが港町へ近づいていく姿が見えていた。ラルス・ジーモンの、鈍い光を放つ、銀色のブーツが遠ざかっていく。少年は激しい痛みと戦いながら恐怖の中にいた。少年の目の中で、ラルス・ジーモンの姿が段々と、遠ざかっていく。少年の目に、焼き付くように、その光景が映っている。少年の魂が震えていた。身体は硬直したように動けないまま、目からは涙が流れ出た。再び意識が遠のいていく。このまま現実に戻りたくない。彼はそう願った。
焼けた港に、ランゴバルト国の大艦隊から兵士たちが、剣を片手に、内陸へと進軍していく。先頭の艦隊にいた、金色の瞳の女性もまた、砂浜に降りた。
ごおおおっ……。
その途端、轟音が響いた。
ぐらりと大地が大きく揺れ、大きな空気と大地の衝撃に、兵士たちは立っていることができず、皆、倒れた。大地の揺れは収まることが無く、断続的に続き、轟が不気味に鳴り続けている。港町から内陸に逃げた人々も、艦隊から地面に降りた敵の兵士たちも、大きな地震に悲鳴を上げ大混乱が広がっていく。地面が引き割かれ、大地にひびが入った。海辺に停泊している艦隊も大きく揺れて互いに船体がぶつかり合っている。
金色の瞳の女性は、地面に手を付いて身体を支えているラルス・ジーモンと目が合った。二人は何かを確信した。
「ゲゼリア! 船内に戻れ!」
ラルス・ジーモンが叫び、ゲゼリアと呼ばれた金色の瞳の女性は、欄干につかまりながら船に戻った。すると大地の揺れが収まってきた。しかしまだ轟音は続いている。何かを威嚇しているような、怒りのような轟音。
(やはり、そうだ。マンスフェルトの森だ……。このままでは津波が起こる)
ラルス・ジーモンは大声を上げ、兵士たちに退却を命じた。その声を聞いた将軍たちは内陸に進軍した兵士に艦隊へ戻ることを伝えた。
ランゴバルト国は、西方諸国の海辺においては、大勝利を得たが、結局、進軍を諦め、大艦隊はその日のうちに、大海へと引き上げた。この日を限りに、ランゴバルト国は、西方諸国の地を踏むことはなかった。
氷河におおわれた山脈がはるか遠くに見える深い森、〈マンスフェルトの森〉。この自然の強大な森の西側に十三の国があり、東側にランゴバルト国という巨大な国がある。
かつて東側には二十カ国以上の国々が存在していたが、約二百年前に滅んでしまった。ランゴバルト国の王、ラルス・ジーモンによって征服されたのだ。
マンスフェルトの森を人が越えることはできない。登山家なら挑んでみたい美しく青い山脈の嶺が太陽の光に照らされて、白く輝いている。しかし森は磁場が狂い、森に入る者は森の持つ魔の力により幻覚を見せられ、出口を求めてさまよい、力尽きていく。森を越えようとして戻ってきた者は一人もいない。自然界の力と、この森が持つ魔の力に守られたマンスフェルトの森は人を近づけることはなかった。そのため、東西の国の交流、交易は、大海を通り、航海によって行われてきた。
ラルス・ジーモンが残酷な征服王として君臨し、長い平和の時代は幕を閉じた。彼は、大海から西方の十三カ国を攻め続けた。のちに〈暗黒の百年戦争〉と呼ばれる侵略戦争が始まった。西方諸国は大海に面する国々に巨大な要塞を造り、ランゴバルトからの襲撃に備えた。
しかし不意に〈暗黒の百年戦争〉は停戦となった。ランゴバルト国からの攻撃が唐突に止んだのだ。何が起こったのか。それを西方の諸国が知る術はなかった。
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