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【名演技編】第三章 本性八面
0302 心の隙間
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「?! オレは真面目じゃないだと?」
イズルはちょっと驚いた。
「少なくとも、僕から見れば、心を込めてない行動ばかりをなさっています」
「心を込めるものか、全部演技だ。真面目に演じている」
「だったら、その演技を何とかしてください。点数が上がらないと、かなり苦労しますよ」
青野翼はふふっと笑って、一台のタブレットをイズルに渡した。
タブレットの画面にイズルの異能力を訓練するためのメニューが映っている。
それのメニューを見た瞬間、イズルの表情は石化した。
「……火星開拓のための訓練か?」
地球人用に見えないくらい、けた外れのメニューだった。
「こんな訓練メニューはあの点数と何の関係がある? 採点は家庭教師ごっこの建前だろ?」
「建前ではありません」
イズルの引いた表情を見たら、青野翼は陰険そうに微笑んだ。
「異能力を自由に扱う基本な条件は、精神の安定です。どんな厳しい状態でも、自分の精神をコントロールしなければなりません。また、精神の強さは肉体の強さと繋がっています。ですから、肉体強化は大事な一歩です」
「で、点数のとの関係は?」
「その点数はまさにCEOの精神状態を語っています。軽率、混乱、焦燥、不安定、一貫性がない、口任せ、熟考できない、緊張感がない、学習しない、失敗を繰り返している……CEOの危機意識を引き出すために、もっと真面目な態度を引き出すために、より厳しい訓練が必要と判断しました」
「……」
「復讐は簡単なものではありません。本当にやりたいなら、もうちょっと現実をよく見てください」
「……」
点数の説明より、叱りだ。
イズルは知っている。心のどこかでリカを侮っていた。
そして、まだどこかで家族の死を受け入れていない。
だから、復讐に真剣になりきれない。
現実を、よく見ないと……
彼は拳を強く握った。
しかし、だけど、それでも――青野翼がむかつく。
イズルは心の中でもう一つの決意をした――
(万代家の次に、お前を滅ぼす)
「訓練の詳細はメールで送ります。明日の夜から始まります。何があったら電話で連絡してください。そろそろ会議の終わりです。お姫様に待たせるのはよくありません。早く降りて迎えてあげてください」
イズルも青野翼と対面したくない。
全ての怒りと怨念を眼差しに盛って、強く青野翼を睨んでから、会議室を後にした。
青野翼は気にしないように軽く笑って、携帯電話を取り出した。
ダイヤルしようとしたら、机に置かれているタブレットからメール到着のメッセージ音がした。
「おや、面白いものが来ましたね」
神農グループの表向きのメイン事業は、ビジネス施設建設と製薬。特に、高層ビジネスビルを作るのが得意。
自社にも数十棟の高層ビルを有している。
イズルと青野翼が会議をした場所は、その数十棟の自社ビルの中の一つ――番号11、完全に自社用で、セキュリティーが一番整備されているところだ。
この11番ビルで行われるのは全部機密性の高い仕事。盗聴盗撮を防ぐために、毎日、三つのセキュリティーチームは不定時に会議室を巡回する。
外部からのハッキングに備えて、ネットワークのファイアウォールは5階層も張られている。
ビルの頂上に電波発信機が設置されて、衛星よりのスキャンを干渉できる。
認証されてない電話番号とネットワークアドレスからの受信と送信はほぼ不可能。
「新登場」のことを表に出してはいけないから、イズルは青野翼行動範囲をこの11番ビルの21階に制限した。
仕事の連絡は全部電話かネットで行う。自分以外の人と彼との単独面会も禁止。
「新登場」の理由以外に、「こんな人は秘書だなんて」と誰かに見られたら恥ずかしいのもある。
21階から降りて、イズルはリカと約束した一階のロビーまで来た。
時計を見たらちょうど時間通り、だけどリカはいなかった。
「遅刻か。自分に減点すべきじゃない」
笑おうとすると、いきなり、ガラスの窓を越してリカの姿を見た。
リカは外の庭にいる。
石柱の影の下で、耳にイヤホンを付けていて、携帯に何かを話している。
いつも持ち歩きのサーブルのカバンは石柱に預けられて、足の隣に立っている。
その姿に、イズルは戸惑った。
リカの表情はこの二週間で見たものと全く違うものだから。
いつものリカの表情は極寒氷山だとすると、今のリカの表情は暖炉から出てくるぽかぽかな暖気。
いつも感じている硬いバリアもどこかに消えたようだ。
「!」
イズルの観察は始まったばかりなのに、リカは彼の視線に気づいた。
ガラスの向こうのイズルを見ると、リカはすぐ暖炉の電源を切った。
イズルはさっそく外に出て、爽やかな笑顔でリカを迎える。
「誰と話をしていますか?楽しそうに見えるけど、何かいいことでもあります?」
リカは「どこが楽しい?」というイズルの判断力を疑う目線で見返して、普通に返事をした。
「妹」
妹がいるの?!
青野翼め! こんな重要なことも資料に書かれていないとは!
「妹さんがいますか? おいくつですか? 名前は? きっとリカさんに似てて、かわいいでしょう!」
イズルは思わずその情報にフォローした。
「……」
しまった!
一連の質問が口から走ったら、イズルは心の中でやばいと叫んだ。
他人のプライベート情報に口を出してうるさくてCEOらしくない!
減点パターンだ!
でも、なぜなのか、リカは減点しなかった。
逆に、目線が少し柔らかくなって、素直に答えた。
「あかりと言いうの。12歳。私に似ていない、かわいい」
!
「頭もいい」
?!
「とてもいい子」
?!!
イズルはショック三連を食らった。
呼吸からも減点ポイントを見つけられるリカに三回も褒められた子供、一体どんな子?!
神の子か?それとも魔王の娘?!
その子は天使か悪魔かのことを差し置いて、とにかく、減点されなかったのはラッキー。
リカの機嫌はよさそう。もしかしたら、誘いに乗ってくるかも!
リカの眼中の優しさが消えないうちに、イズルはさりげなく聞いてみた。
「そういえば、お昼は食べました? よかったら一緒に食べませんか? リカさんが食べたいものでいいです」
「ケバブとミルクティーでいいなら」
「?!!」
ダメもとで聞いたイズルは雷にでも打たれたような気分だ。
初めて、食事の誘いにまともな返事があった。
今までは「食べた」「食べない」「食べたくない」「買った」の繰り返しだけだった!
リカは別にイズルと食事をしたくて承認したわけではない。
ただ、先ほどあかりが送ってきた写真のことを思い出した。
写真に映したのはケバブとプリンミルクティーのツーセット。
場所はとある中学生や女子高生に人気な商店街。
あかりは友達と一緒に遊びにいくのはめずらしいことだ。
リカは根拠なく、そのケバブとミルクティーは美味しいと思った。
「嫌なら別別で食べよう……」
「大好物です!」
断れる前に、イズルはリカの話を遮った。
ちょうど、ケバブは彼の守備範囲でもあった。
「歩いて15分くらいのところにケバブの店があります。量は大盛で、ソースも10種類があります……」
「シ―イ―オ――!!」
イズルの話の途中で、後ろから悲鳴のような呼び声が走ってきた。
その声にイズルは思わず鳥肌がた立った。
またあいつか!
「CEO――!大変です!!」
イズルはすぐ向きを変えて、青野翼が到着する前に彼をリカから10メートル以上のところに止めた。
「この…人格異常者……わざと食事の約束ができそうな時を選んだのか。」
ゴールを決めそうな時に審判にファウルを判定された気分は、こういうものだろう。
イズルは青野翼の胸倉をつかんで、リカの聞かない音量と悪魔の顔で青野翼に迫った。
「大丈夫、大丈夫! 食べながら仕事のことを話し合うのはちょうどいいじゃないですか」
青野翼はへらへらと笑いながら、タブレットの画面をイズルに見せた。
「!」
確かに、やばそうな用件だ。
いいえ、やばいというより、極めて嫌な用件だ。
イズルはちょっと驚いた。
「少なくとも、僕から見れば、心を込めてない行動ばかりをなさっています」
「心を込めるものか、全部演技だ。真面目に演じている」
「だったら、その演技を何とかしてください。点数が上がらないと、かなり苦労しますよ」
青野翼はふふっと笑って、一台のタブレットをイズルに渡した。
タブレットの画面にイズルの異能力を訓練するためのメニューが映っている。
それのメニューを見た瞬間、イズルの表情は石化した。
「……火星開拓のための訓練か?」
地球人用に見えないくらい、けた外れのメニューだった。
「こんな訓練メニューはあの点数と何の関係がある? 採点は家庭教師ごっこの建前だろ?」
「建前ではありません」
イズルの引いた表情を見たら、青野翼は陰険そうに微笑んだ。
「異能力を自由に扱う基本な条件は、精神の安定です。どんな厳しい状態でも、自分の精神をコントロールしなければなりません。また、精神の強さは肉体の強さと繋がっています。ですから、肉体強化は大事な一歩です」
「で、点数のとの関係は?」
「その点数はまさにCEOの精神状態を語っています。軽率、混乱、焦燥、不安定、一貫性がない、口任せ、熟考できない、緊張感がない、学習しない、失敗を繰り返している……CEOの危機意識を引き出すために、もっと真面目な態度を引き出すために、より厳しい訓練が必要と判断しました」
「……」
「復讐は簡単なものではありません。本当にやりたいなら、もうちょっと現実をよく見てください」
「……」
点数の説明より、叱りだ。
イズルは知っている。心のどこかでリカを侮っていた。
そして、まだどこかで家族の死を受け入れていない。
だから、復讐に真剣になりきれない。
現実を、よく見ないと……
彼は拳を強く握った。
しかし、だけど、それでも――青野翼がむかつく。
イズルは心の中でもう一つの決意をした――
(万代家の次に、お前を滅ぼす)
「訓練の詳細はメールで送ります。明日の夜から始まります。何があったら電話で連絡してください。そろそろ会議の終わりです。お姫様に待たせるのはよくありません。早く降りて迎えてあげてください」
イズルも青野翼と対面したくない。
全ての怒りと怨念を眼差しに盛って、強く青野翼を睨んでから、会議室を後にした。
青野翼は気にしないように軽く笑って、携帯電話を取り出した。
ダイヤルしようとしたら、机に置かれているタブレットからメール到着のメッセージ音がした。
「おや、面白いものが来ましたね」
神農グループの表向きのメイン事業は、ビジネス施設建設と製薬。特に、高層ビジネスビルを作るのが得意。
自社にも数十棟の高層ビルを有している。
イズルと青野翼が会議をした場所は、その数十棟の自社ビルの中の一つ――番号11、完全に自社用で、セキュリティーが一番整備されているところだ。
この11番ビルで行われるのは全部機密性の高い仕事。盗聴盗撮を防ぐために、毎日、三つのセキュリティーチームは不定時に会議室を巡回する。
外部からのハッキングに備えて、ネットワークのファイアウォールは5階層も張られている。
ビルの頂上に電波発信機が設置されて、衛星よりのスキャンを干渉できる。
認証されてない電話番号とネットワークアドレスからの受信と送信はほぼ不可能。
「新登場」のことを表に出してはいけないから、イズルは青野翼行動範囲をこの11番ビルの21階に制限した。
仕事の連絡は全部電話かネットで行う。自分以外の人と彼との単独面会も禁止。
「新登場」の理由以外に、「こんな人は秘書だなんて」と誰かに見られたら恥ずかしいのもある。
21階から降りて、イズルはリカと約束した一階のロビーまで来た。
時計を見たらちょうど時間通り、だけどリカはいなかった。
「遅刻か。自分に減点すべきじゃない」
笑おうとすると、いきなり、ガラスの窓を越してリカの姿を見た。
リカは外の庭にいる。
石柱の影の下で、耳にイヤホンを付けていて、携帯に何かを話している。
いつも持ち歩きのサーブルのカバンは石柱に預けられて、足の隣に立っている。
その姿に、イズルは戸惑った。
リカの表情はこの二週間で見たものと全く違うものだから。
いつものリカの表情は極寒氷山だとすると、今のリカの表情は暖炉から出てくるぽかぽかな暖気。
いつも感じている硬いバリアもどこかに消えたようだ。
「!」
イズルの観察は始まったばかりなのに、リカは彼の視線に気づいた。
ガラスの向こうのイズルを見ると、リカはすぐ暖炉の電源を切った。
イズルはさっそく外に出て、爽やかな笑顔でリカを迎える。
「誰と話をしていますか?楽しそうに見えるけど、何かいいことでもあります?」
リカは「どこが楽しい?」というイズルの判断力を疑う目線で見返して、普通に返事をした。
「妹」
妹がいるの?!
青野翼め! こんな重要なことも資料に書かれていないとは!
「妹さんがいますか? おいくつですか? 名前は? きっとリカさんに似てて、かわいいでしょう!」
イズルは思わずその情報にフォローした。
「……」
しまった!
一連の質問が口から走ったら、イズルは心の中でやばいと叫んだ。
他人のプライベート情報に口を出してうるさくてCEOらしくない!
減点パターンだ!
でも、なぜなのか、リカは減点しなかった。
逆に、目線が少し柔らかくなって、素直に答えた。
「あかりと言いうの。12歳。私に似ていない、かわいい」
!
「頭もいい」
?!
「とてもいい子」
?!!
イズルはショック三連を食らった。
呼吸からも減点ポイントを見つけられるリカに三回も褒められた子供、一体どんな子?!
神の子か?それとも魔王の娘?!
その子は天使か悪魔かのことを差し置いて、とにかく、減点されなかったのはラッキー。
リカの機嫌はよさそう。もしかしたら、誘いに乗ってくるかも!
リカの眼中の優しさが消えないうちに、イズルはさりげなく聞いてみた。
「そういえば、お昼は食べました? よかったら一緒に食べませんか? リカさんが食べたいものでいいです」
「ケバブとミルクティーでいいなら」
「?!!」
ダメもとで聞いたイズルは雷にでも打たれたような気分だ。
初めて、食事の誘いにまともな返事があった。
今までは「食べた」「食べない」「食べたくない」「買った」の繰り返しだけだった!
リカは別にイズルと食事をしたくて承認したわけではない。
ただ、先ほどあかりが送ってきた写真のことを思い出した。
写真に映したのはケバブとプリンミルクティーのツーセット。
場所はとある中学生や女子高生に人気な商店街。
あかりは友達と一緒に遊びにいくのはめずらしいことだ。
リカは根拠なく、そのケバブとミルクティーは美味しいと思った。
「嫌なら別別で食べよう……」
「大好物です!」
断れる前に、イズルはリカの話を遮った。
ちょうど、ケバブは彼の守備範囲でもあった。
「歩いて15分くらいのところにケバブの店があります。量は大盛で、ソースも10種類があります……」
「シ―イ―オ――!!」
イズルの話の途中で、後ろから悲鳴のような呼び声が走ってきた。
その声にイズルは思わず鳥肌がた立った。
またあいつか!
「CEO――!大変です!!」
イズルはすぐ向きを変えて、青野翼が到着する前に彼をリカから10メートル以上のところに止めた。
「この…人格異常者……わざと食事の約束ができそうな時を選んだのか。」
ゴールを決めそうな時に審判にファウルを判定された気分は、こういうものだろう。
イズルは青野翼の胸倉をつかんで、リカの聞かない音量と悪魔の顔で青野翼に迫った。
「大丈夫、大丈夫! 食べながら仕事のことを話し合うのはちょうどいいじゃないですか」
青野翼はへらへらと笑いながら、タブレットの画面をイズルに見せた。
「!」
確かに、やばそうな用件だ。
いいえ、やばいというより、極めて嫌な用件だ。
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