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出会いと執着 ※エロ

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 晴留の家庭は少し複雑だ。
 晴留の母は晴留を産んですぐに他界。晴留の父は母を失った穴を仕事で埋めていて、晴留に興味がない。そのため晴留は一人暮らしをしていて、晴留の顔が母にそっくりであることに気がつかない。
 気がついていたらどうなっていたかわかったものじゃないほど、母を愛していた。

 柳はもちろんこのことを知っている。父が気がつかなかったことと、晴留を産んでくれた母にすごく感謝しているのだ。


 ここまでくると分かるだろう。晴留は女顔だ。美人よりは可愛い系の。
 本人は全然気づいておらず、顔も覚えていない母を時折思い出して暗い雰囲気を漂わせるときがある。
 自分のせいで死んでしまったと思っている。夢に出ては苦しんでいる。
 男が好きなのは、血の繋がりがある自分の父に愛されたかったという思いが原因なのかもしれない。


 柳が晴留に惚れたのは、中学生の頃だった。一目惚れだった。

 毎日のように集まってくる女どもにうんざりして人気のない道を歩いていた。ここには来ないだろう、と考えて。
 恵まれていると誰もが言うが、こんな生活は退屈以外なんでもなかった。お願いをすればなんでも聞いてくれる。
 ただの一人として扱われることなんてなかった。

 夕方になり、上を見れば家々の間から眩しい光が届いた。
 毎日見ているため特別綺麗だとは思わない。けれど、その日は違った。

「そろそろ家に帰るか」

 柳が家に向かうために1歩踏み出すと、走ってきた人にぶつかった。

「っ…! 大丈夫か?」

 二人は勢い良く倒れ、柳はぶつかってきた人…晴留を見た。
 晴留は泣いていた。


 晴留はほとんど家に帰ってこない父が珍しく「話がある」と言って呼び出していた。
 晴留の父はなんでもないかのように、高校をここにしろといい、この高校の近くに一人暮らししろと言った。
 それだけを伝えると、どこかへ行ってしまった。一回も目を合わせずに…
 一方的に用件を言って、一度も顔を見てはくれなかった父に晴留は心が辛くなってしまった。頑張れば父が認めてくれると心の隅で考えていたのかもしれない。けれど、これは晴留に対する――完全な拒絶だった。

 晴留は訳もわからず、外へ出た。家には、居たくなかった。前も見ず走った。人通りのないところを我武者羅に。
 そして、柳にぶつかった。

 柳は泣き止むまで慰めると、晴留から家を聞き出した。なんとか晴留の家まで届け、足早に家へ帰った。
 自室に入ると、壁に寄りかかり、顔を片手で覆った。晴留が泣いていた顔が、触れたときの温もりがまだ手に残っている。高鳴る胸を抑え、呟く。

「……欲しい」

 それは今まで欲を示さなかった柳が初めて欲したものだった。

 これが二人の出会い。



 ***



「んっ…ぁ」

 柳は、ようやく手に入った晴留の中を優しく解しながら抱き締める。晴留を手に入れるためにいろんなことをした。柳は初めて自分の環境に感謝した。
 晴留は既に何回か達しているが、柳は晴留の中を入念に解していて、中には指が三本入っている。
 広げるように開き、奥の方を少し触ると、晴留の体が大きく跳ねた。柳は狙いを定めたようにそこをしつこく触る。

「んぅっ…あっ、あぁ…、そこ、やぁっ…! っう…」

「晴留可愛い。ここが好きなんだね」

「ひんっ…りゅ、う…」

「どうしたの?」

 柳は晴留が何を言いたいか薄々気づいているが、言わせたかったため動くのやめて聞く。
 晴留は恥ずかしくてなかなかその一言が言えなかったが、我満できなかった。

「…あ、もっ…う…いいか、ら…は、やく…りゅうの、ちょ…うだい…」

 柳に顔が見えないように抱きつき、最後の方は消えそうなくらい小さな声になったが、柳は満足だった。

 晴留を仰向けの状態にして、片足を肩に持ち上げると、ゆっくり晴留の中に入った。
 晴留は、挿入ってくると同時に襲った快感をなんとかするために、柳にすがり付く。
 柳は晴留に深いキスをすると、最後まで挿れた。

「んん…はっ、あん…、あっ」

「…っは」

 晴留の中は狭く、きゅうきゅうと柳にくっついてきた。
 涙と自分の精液でぐしゃぐしゃな顔の晴留はずっと喘ぎっぱなしだ。柳はそんな晴留も愛おしいかった。
 そして、柳の嗜虐心を煽っていた。

「っ晴留、動くぞ」

「へっ…、あ、ああっ…あん!」

 突然動いた柳に晴留は喘ぐのを止められない。少し抜かれたと思ったら隙間を埋めるように奥を突かれた。
 ずちゅんっ、ずっ、と卑猥な音が鳴り響く。

「あ、あっ…あん…りゅうっ…っん!…す、きぃ…へぁっ!あっ…は、げしっ…!」

 腕を緩めたかと思ったら晴留は柳に思いを伝えた。
 柳の残りの理性は木っ端微塵の粉々である。ぎりぎりまで抜くと、奥へ思いっきり貫く。
 さっきと雰囲気が一変し、晴留は快楽の波に流された。


 晴留は何度も何度も達して、潮を吹いた。初日で潮吹きと中イキを晴留は経験したのだった。
 行為は晴留が気絶しても続き、終わったのは、朝日が見える頃だった。

「晴留。俺のモノ。絶対に離さないし、逃がさないよ。愛してる」

 腕の中で気絶する晴留に柳は甘い声で囁いたのだった。






▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪

これで完結です。

屋上の鍵の入手について説明すると、屋上の鍵は教師にお願いして借りました。そしてそれを複製して、何事もなかったかのように教師に返したのが真相です。複製は犯罪なので絶対に真似しないでください。

初めてエロを書いたので物足りない方はすみません。m(_ _)m
初だったんです!

思い付きの作品ですが、読んでくださり、ありがとうございました!
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