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今後のこと①
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公爵夫人の案内で公爵家のある部屋に通されます。
その部屋には既にどなたかいらっしゃるようでした。
私も知っている人物です。
と言っても本当に知っているだけなのですが…義弟…と言っていいのでしょうか?のヴィンセント・レナイトです。
あっ!ヴィンセント・ジェダイナになるのでしょうか?混乱してきました。
「ヴィンス?」
イザベルお義姉様が愛称で呼びます。
「イザベルお姉ち…姉さん、それから…ネイオウミ姉さん。」
私達を呼ぶその声に私は思い出して、つい言ってしまいました。
「ヴィーさっきはありがとう。」
ハル様とイザベルお義姉さまが「「ヴィー?」」と聞きエド様とダニー様が「「さっきって?」」と同時に聞いてきます。
当然私はおろおろして直ぐに答えられません。
そんな私を見てハル様が話して下さいます。
「ヴィーってイオを助けてくれた男の子だったよね?」
「はい。」
私の返答にハル様はヴィーを見ます。
ヴィーはにっこり笑ってハル様にこう言います。
「ごめんねハロルド様。ネイオウミ姉さんの騎士は僕だったみたいで。」
騎士?助けてくれたから?
「いや。ありがとう“イオ“を助けてくれて。俺からも感謝を伝えたかったんだ。」
「そう…でもハロルド様から感謝される必要はないから。だってハロルド様はネイオウミ姉さんと何の関係もないでしょう?」
“何の関係もない。“
確かに私達は婚約者候補としてあっただけで、どんな関係か聞かれたら困ってしまいます。
ヴィーが言っていることは正しいのに、気持ちがモヤモヤしてしまいます。
「コホンっ。2人ともその辺になさって下さい。ヴィンスもあまり失礼な態度を取らないで。」
「は~い。」
「申し訳ありません。」
「はぁ。まぁいいです、今は今回の事の謝罪とこれからの事についてお話がしたくて集まって頂いたのですから。まずはこちらにお集まり頂いた皆様、この度は申し訳ございませんでした。」
そう言うと深々と頭を下げたまま微動だにしません。
「俺がもういいと言うまでそうしている気か?」
「お許し頂けるまで。」
そう言っている間も公爵夫人は動きませんでした。
「確かに公爵夫人にも夫を御せず俺の妹を殺した事について怒りがないわけではない。だから、ネイオウミを助けたことで公爵夫人に咎めがないことが俺の最大の赦しだと思っていい。それ以上はない。…と俺に言わせたいのだろう?大丈夫だ決めたことを覆すことはない。だから俺を試すような真似をするな。」
「そのような事は考えておりませんでした。国王様、私もあの男により娘を失ったのです。」
顔を上げるとそう話す公爵夫人は母親の顔をしていました。
「まぁいい。それで?今後のことと言うのは?」
「先ずはイザベルのことです。イザベルはレナイト家の当主ということでよろしいですね?」
「あぁ。」
「ではイザベル、レナイト家に入って下さる方を直ぐに探しましょう。」
「えっ?」
「今回このような事があったのですから直ぐには決まらないでしょうからね。」
「それについてですが、俺がイザベル嬢と結婚します。」
なんとエド様はお義姉様に結婚を申し込まれた?のですか?
その部屋には既にどなたかいらっしゃるようでした。
私も知っている人物です。
と言っても本当に知っているだけなのですが…義弟…と言っていいのでしょうか?のヴィンセント・レナイトです。
あっ!ヴィンセント・ジェダイナになるのでしょうか?混乱してきました。
「ヴィンス?」
イザベルお義姉様が愛称で呼びます。
「イザベルお姉ち…姉さん、それから…ネイオウミ姉さん。」
私達を呼ぶその声に私は思い出して、つい言ってしまいました。
「ヴィーさっきはありがとう。」
ハル様とイザベルお義姉さまが「「ヴィー?」」と聞きエド様とダニー様が「「さっきって?」」と同時に聞いてきます。
当然私はおろおろして直ぐに答えられません。
そんな私を見てハル様が話して下さいます。
「ヴィーってイオを助けてくれた男の子だったよね?」
「はい。」
私の返答にハル様はヴィーを見ます。
ヴィーはにっこり笑ってハル様にこう言います。
「ごめんねハロルド様。ネイオウミ姉さんの騎士は僕だったみたいで。」
騎士?助けてくれたから?
「いや。ありがとう“イオ“を助けてくれて。俺からも感謝を伝えたかったんだ。」
「そう…でもハロルド様から感謝される必要はないから。だってハロルド様はネイオウミ姉さんと何の関係もないでしょう?」
“何の関係もない。“
確かに私達は婚約者候補としてあっただけで、どんな関係か聞かれたら困ってしまいます。
ヴィーが言っていることは正しいのに、気持ちがモヤモヤしてしまいます。
「コホンっ。2人ともその辺になさって下さい。ヴィンスもあまり失礼な態度を取らないで。」
「は~い。」
「申し訳ありません。」
「はぁ。まぁいいです、今は今回の事の謝罪とこれからの事についてお話がしたくて集まって頂いたのですから。まずはこちらにお集まり頂いた皆様、この度は申し訳ございませんでした。」
そう言うと深々と頭を下げたまま微動だにしません。
「俺がもういいと言うまでそうしている気か?」
「お許し頂けるまで。」
そう言っている間も公爵夫人は動きませんでした。
「確かに公爵夫人にも夫を御せず俺の妹を殺した事について怒りがないわけではない。だから、ネイオウミを助けたことで公爵夫人に咎めがないことが俺の最大の赦しだと思っていい。それ以上はない。…と俺に言わせたいのだろう?大丈夫だ決めたことを覆すことはない。だから俺を試すような真似をするな。」
「そのような事は考えておりませんでした。国王様、私もあの男により娘を失ったのです。」
顔を上げるとそう話す公爵夫人は母親の顔をしていました。
「まぁいい。それで?今後のことと言うのは?」
「先ずはイザベルのことです。イザベルはレナイト家の当主ということでよろしいですね?」
「あぁ。」
「ではイザベル、レナイト家に入って下さる方を直ぐに探しましょう。」
「えっ?」
「今回このような事があったのですから直ぐには決まらないでしょうからね。」
「それについてですが、俺がイザベル嬢と結婚します。」
なんとエド様はお義姉様に結婚を申し込まれた?のですか?
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