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見苦しい者の後
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「さて公爵夫人…そろそろ、この夜会もお開きにした方が良いのではないか?」
「そうですわね。そういたしましょうか。」
国王様の問いかけに夫人が同意します。
夫人が立ち上がり夜会の終わりを告げようとした時でした。
「待って下さい!私はどうなるのですか!私は何も悪いことをしてないのに罰するというのですか?」
「何も悪い事をしていない?」
「そうです。確かに私はクリスティーンが亡くなる事を“知っていたが止められなかった“。それを私が殺したなどと言うなんて…大体証拠があると言っていますが、私は公爵として恨まれることも少なくありません。証言したものが私を陥れようとして行なった可能性もあるでしょう。」
公爵様が言っていることは私にはもっともらしく聞こえるのですが…嘘ですよね。
嘘だと分かっていても信じてしまいそうになる私は世界を知らないのですよね…
「それで?だから自分は悪くないと?クリスティーンについてはそうだったとしよう。ではパトリシアは?なぜ毒殺した?」
「パトリシア夫人のことは何も知りません。私は無関係です。」
「無関係か…アイザック・ジョセフよ。」
アイザックさん?どうしてここでアイザックさん?
「は、はい。」
「本来であればお前は俺の娘を拐った罪で処刑すべきところだが…まぁ、実際にはネイオウミを俺の娘にする手続きはこれからだ。そこで聞くが、お前は処刑されるのと真実を話してキャサリンと同じ地に行くのであればどちらを選ぶ?」
!!!
な、なんてことを聞くのですか?そ、そんなことを選ばせるなんて…ア、アイザックさんはどうするのでしょうか?
「そんなもの選ぶ必要もない。俺はキャサリン様について行く。どんな証言でも証拠でも出してやる。一番近くにいた俺が一番知っているからな。だが約束は守れよ。必ずキャサリン様の元に俺を連れて行け。」
お、王様になんて強気な発言を…
「アイザック~裏切る気か?ここまで面倒を見てやったのに!!」
「俺の命を救ってくれたのはキャサリン様です。あんたじゃない。今まではキャサリン様のためにジェダイナ家に仕えていただけだ。勘違いするな。」
「それでは話をじっくり聞かせてもらおう。その話を聞いて処罰を決定しよう。関係者を捕らえ連れていけ。」
そこからは逃げる公爵様やラグデル家の人達を捕らえる騎士団の人達や大人しく捕まるキャサリン様達が会場からいなくなるのを黙って見ているのみでした。
処罰が決定したら私達にも通達が来るそうです。
「皆様、お見苦しいところをお見せし大変申し訳ございませんでした。つきましては後日、皆様にはお詫びお品を届けさせて頂きたく存じます。本日はこのような状況でございますので夜会はひとまずお開きとさせて戴きます。」
公爵夫人のその声に会場にいた人達は徐々に帰って行きました。
あ、あれ?そ、そう言えば…私が国王様の娘になるとかなんとか言ってませんでしたっけ?娘になるのですか?
「あ、あのハル様…」
「ん?どうしたのイオ」
「あ、あの国王様は…私を娘になんて言ってましたが、ご冗談を仰っていらっしゃるのですか?」
「ん~恐らく本気だと思うよ。俺にも牽制かけてくるくらいだから。」
「ハル様に牽制?」
「この話は後でゆっくり時間をもらってしてもいいかな?」
「は、はい。もちろんです。」
はっ!待って下さい。
ハル様は国王様は冗談で言っているわけではないと言ってませんでした?
つ、つまり…私は国王様の娘になるのですか⁉︎
「そうですわね。そういたしましょうか。」
国王様の問いかけに夫人が同意します。
夫人が立ち上がり夜会の終わりを告げようとした時でした。
「待って下さい!私はどうなるのですか!私は何も悪いことをしてないのに罰するというのですか?」
「何も悪い事をしていない?」
「そうです。確かに私はクリスティーンが亡くなる事を“知っていたが止められなかった“。それを私が殺したなどと言うなんて…大体証拠があると言っていますが、私は公爵として恨まれることも少なくありません。証言したものが私を陥れようとして行なった可能性もあるでしょう。」
公爵様が言っていることは私にはもっともらしく聞こえるのですが…嘘ですよね。
嘘だと分かっていても信じてしまいそうになる私は世界を知らないのですよね…
「それで?だから自分は悪くないと?クリスティーンについてはそうだったとしよう。ではパトリシアは?なぜ毒殺した?」
「パトリシア夫人のことは何も知りません。私は無関係です。」
「無関係か…アイザック・ジョセフよ。」
アイザックさん?どうしてここでアイザックさん?
「は、はい。」
「本来であればお前は俺の娘を拐った罪で処刑すべきところだが…まぁ、実際にはネイオウミを俺の娘にする手続きはこれからだ。そこで聞くが、お前は処刑されるのと真実を話してキャサリンと同じ地に行くのであればどちらを選ぶ?」
!!!
な、なんてことを聞くのですか?そ、そんなことを選ばせるなんて…ア、アイザックさんはどうするのでしょうか?
「そんなもの選ぶ必要もない。俺はキャサリン様について行く。どんな証言でも証拠でも出してやる。一番近くにいた俺が一番知っているからな。だが約束は守れよ。必ずキャサリン様の元に俺を連れて行け。」
お、王様になんて強気な発言を…
「アイザック~裏切る気か?ここまで面倒を見てやったのに!!」
「俺の命を救ってくれたのはキャサリン様です。あんたじゃない。今まではキャサリン様のためにジェダイナ家に仕えていただけだ。勘違いするな。」
「それでは話をじっくり聞かせてもらおう。その話を聞いて処罰を決定しよう。関係者を捕らえ連れていけ。」
そこからは逃げる公爵様やラグデル家の人達を捕らえる騎士団の人達や大人しく捕まるキャサリン様達が会場からいなくなるのを黙って見ているのみでした。
処罰が決定したら私達にも通達が来るそうです。
「皆様、お見苦しいところをお見せし大変申し訳ございませんでした。つきましては後日、皆様にはお詫びお品を届けさせて頂きたく存じます。本日はこのような状況でございますので夜会はひとまずお開きとさせて戴きます。」
公爵夫人のその声に会場にいた人達は徐々に帰って行きました。
あ、あれ?そ、そう言えば…私が国王様の娘になるとかなんとか言ってませんでしたっけ?娘になるのですか?
「あ、あのハル様…」
「ん?どうしたのイオ」
「あ、あの国王様は…私を娘になんて言ってましたが、ご冗談を仰っていらっしゃるのですか?」
「ん~恐らく本気だと思うよ。俺にも牽制かけてくるくらいだから。」
「ハル様に牽制?」
「この話は後でゆっくり時間をもらってしてもいいかな?」
「は、はい。もちろんです。」
はっ!待って下さい。
ハル様は国王様は冗談で言っているわけではないと言ってませんでした?
つ、つまり…私は国王様の娘になるのですか⁉︎
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