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驚愕の連続

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図書室で息を潜めていた私は急に名前を呼ばれ驚きました。
その相手がクラレンスさんではなくハル様だった事にも更に驚いてしまい、罠かもしれないと恐る恐る様子を確かめます。
そこに立っていたのは珍しく髪を乱したハル様でした。

「ハ…ハル様?」

扉から恐る恐る顔を覗かせ話しかけます。
目が合うとハル様は駆け寄り……私を抱きしめたのです。

「無事でよかった。」

「ハ、ハル様?予定とは違いますが何かあったのですか?」

ハル様が計画を変えてまでここにいらっしゃるくらいですから何か大変な事が起きているのかもしれません。

「これからは俺が絶対守るから。だから側にいて欲しい。」

「えっ…?」

「好きだイオ。」

何が何が何が起きたのですか?
ハル様はなんと言いました?
す、好きだと言いませんでした?
どうしてそうなったのですか?
やく、約束は?
何で?何で?何で?やっぱり何か罠ですの?

「ハ、ハル様…」

チラリとハル様のお顔を伺います。

「うん?」

一瞬、一瞬お顔を見てしまったのは失敗でした。
もうハル様のお顔を見ることが出来ません。
もう胸がドキドキして爆発してしまいそうです。

「や…約束は?」

私は言葉が上手く出てこなくてその単語しか出てきませんでした。

「あぁ…そうだね。それについては後で説明するよ。だから今は俺にイオを守らせてね。」

後で説明?
はっ!そう言えば何か大変な事が起きたのかもしれなかったんです。

「ハル様!何かあったのですか?無事ですか皆様も無事ですか?」

がばりと顔をあげてハル様にそう質問して、またハル様と目が合ってしまってハル様の胸に自ら顔を埋めてしまいます。
その私の頭を優しく撫でながらハル様は説明して下さいます。

「アイザック・ジョセフが単独で動いている事も予定通りだ。ただ、ジェダイナ公爵が動いた。恐らくダニーがその事に気づいた。」

「ダニー様が?ダニー様は無事ですの?」

「ダニーの所在は今は分からない。確認するよりも先にイオのところに来たから。ここに来るまでの間、俺もつけられていた。それくらい自体は緊迫しているんだ。」

「どうして私を?」

「イオの出生に…いやイオの母親の出生に理由があると思っている。」

「お母様の出生に?」

「それも後から説明するから今は俺と一緒に来てもらえる?多分この図書室は既に囲まれていると思うんだ。その包囲網から逃げなきゃいけないから。」

「包囲されているのですか?」

「そうだろう?クラレンス。」

へ?クラレンスさんは近くにいますの?
あ…私ハル様に抱きしめられたままじゃないですか?
しかも私さっき自分からハル様の胸に…どうしましょう…どうしましょう…私はなんてはしたない事を…でも今はそんな事を言っている場合ではなくて…

「はいハロルド様。既に奴らに囲まれていますが抜け出すのは造作もない事でございます。」

囲まれているのですね?しかも抜け出すのは簡単なんですね?

「そうか。クラレンスが言うならそうなのだろうな。」

「それはありがたきお言葉にございます。ではここから抜け出す手助けを全力でさせていただきます。」

はい…私は足手まといでしょうが、どうぞよろしくお願いします。
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