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それぞれの役目 ハル・エド視点

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~ハル視点~

さて、イオの事は心配だが俺が今なすべき事を始めよう。
思っていた以上にシャーロット・レナイトは思い込みが激しいようで俺が嫌な顔をしても近寄ってくる。
むしろ近寄ってくる。
親父達に言われていた以上に冷たく接しているのに何で離れていかないのか理解できない。
まぁ今回ばかりは勝手に勘違いしているくらいで良いのだろう。
冷静に周りを観察すると、エドが会場を出るのが見えた。
つまりアイザック・ジョセフが動いたという事だ。
奴は俺達が予定していた通りの動きだが、行動が早いのを見るに本来は余程優秀なのだろうと思える。
奴の今後の動きはエドにしっかり止めてもらうとしよう。
次にジェダイナ公爵がいる場所を見る。
公爵は主催者として客人と笑顔で挨拶をしている。
初めてジェダイナ公爵を見た時はイメージしていたよりも社交的な人間であることに驚きを隠せなかった。
今でもそうだ。
噂に聞いていたよりも穏やかな人物に見える。
これが全て作られたものであることが恐ろしい。
親父や国王である叔父が警戒してきただけある人物だ。
公爵の動向についてどれだけの情報が手に入るかはダニーに任せるしかない。
はぁ、俺はこの状況でシャーロット・レナイトが凶行に出ないように精一杯するしかないか。
憂鬱だ。
早くイオに会いたい。

~エド視点~

会場にイザベル嬢の姿が見える。
目があったかも分からない程に離れているのに顔を赤らめていることが分かる。
側に近寄りたいが今は俺のなすべき事をしなければならない。
これが無事解決したら親父が言っていたイザベル女が俺の妻になる話を確かめないとな。
さて、ハルがシャーロット・レナイトと接触したか。
彼女は本当にイザベル嬢とイオの妹なのだろうか?
俺が言えたことではないが本当に察しも悪く、周囲を見ることもできていない。
まぁ彼女の事はハルの仕事だから俺は手出しはしないが…動いたか。
アイザック・ジョセフは執事だから会場に入る事は出来ない。
でもイオの動向を様子見する事はするだろうと思い、それができるであろう場所に当たりをつけて張っていた。
予想通り奴は現れなかの様子を一瞬確認するとイオがいない事に気づき、直ぐに離れていった。
俺の存在に気付かなかった事を見ると予定通りにことが進まなくそれなりに動揺しているのだろうと思う。
このままやつを自由にしてイオに危害を加えられては困る。
イザベル嬢のためにもイオを守るのが俺の今回の役目だ。
奴の動きを確認して直ぐに俺も行動に移す。
この会場でこれから何か起きるとしても親父達とハルやダニーに任せるしかない。
その代わり俺はアイザック・ジョセフをねじ伏せてやる。
騎士団に入りたいと言い続けてきたんだ。
母さんを安心させるためにもこの役目は絶対に遂行してみせるさ。
そう胸に刻み俺はアイザック・ジョセフの後を追った。
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