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応酬

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ハル様にドキドキさせられていた私はシャーロットの存在を…うっかり忘れていました。
現実逃避とでもいうのでしょうか?
シャーロットの言ってる事を否定したくても私にはその術がありません。
こんなに大勢の人達にお会いすることも始めてなわけで…それに知っていただく必要もない気がしていて…でもここで否定しなければハル様やイザベルお義姉様は私に騙されるような人ということになるのでしょうか?
それはいけません。
やはり否定しなければ‼︎
でも、どうやって?
私はなす術なく混乱した頭で考えていました。

「俺が彼女に騙されているとどうして思う?」

「私を見て下さらないから。」

「それが証拠?」

「私の事を愛して下さっていましたよね?」

「君とは挨拶しかした事ないはずだけど?」

「それはその女に騙されていてそう思い込まされているからですわ。」

「話にならないな。」

「ハロルド様ともあろうお方が愛称呼びを許可される事がその証拠ですわ。」

「それが証拠ね…愛称で呼ぶ事が俺とイオの仲を証明してるとは思わないか?」

「騙されているから愛称で呼んでいるのでしょう?」

「君は俺が簡単に騙される人間だと暗に言っているのかな?」

「ハロルド様ですら騙し操ることができるのがその女の恐ろしいところですわ!」

「はぁ。どうしてもイオを悪者にしたいらしいが、俺達の言っていることが本当なら悪者は君になるのは分かっているのか?」

「ですから私は悪くありません。その女が全ての諸悪の根源なのですから。」

「はぁ。君が最愛の人ならその人の心の声が聞こえない俺にとって君は本当に最愛の相手だったのだろうか?」

「ですからそれほどまでにその女が悪女なのですわ。」

「なら俺にとってイオは最愛の人と言う事だな。イオが悪女だったとしても俺はイオの声しか聞こえないのだから。実際にはイオは悪女でも何でもないけどな。」

「な…ハロルド様!私とハロルド様は…愛し合っておりました。その証拠に「俺の子供がいると言うのか?」

「ご存知でいらっしゃったのですね。」

「そこまでして嘘を吐くのはどういう理由だ?俺には理解できない…」

「シャーロット…」

「何よ!ネイオウミお前に用はないわ。話しかけないで!」

「シャーロット…子供に申し訳ないと思わないのですか?」

「はぁ?私に説教でもするつもり?本当に姉のつもりなの?私に酷いことをしてきたのに?」

「ハル様がシャーロットを愛して、お腹の子供も愛するなら良いと思うわ。」

「えっ?イオ?」

驚くハル様を無視して私は話し続けます。

「でもそうじゃなく子供を利用してハル様を思い通りにしようとするのなら…それは違うと思うわ。」

「うるさい!」

「シャーロット!?子供がいるってなんのこと?」

その声の主を見るとそこにいたのはキャサリンお義母様でした。
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