147 / 215
応酬
しおりを挟む
ハル様にドキドキさせられていた私はシャーロットの存在を…うっかり忘れていました。
現実逃避とでもいうのでしょうか?
シャーロットの言ってる事を否定したくても私にはその術がありません。
こんなに大勢の人達にお会いすることも始めてなわけで…それに知っていただく必要もない気がしていて…でもここで否定しなければハル様やイザベルお義姉様は私に騙されるような人ということになるのでしょうか?
それはいけません。
やはり否定しなければ‼︎
でも、どうやって?
私はなす術なく混乱した頭で考えていました。
「俺が彼女に騙されているとどうして思う?」
「私を見て下さらないから。」
「それが証拠?」
「私の事を愛して下さっていましたよね?」
「君とは挨拶しかした事ないはずだけど?」
「それはその女に騙されていてそう思い込まされているからですわ。」
「話にならないな。」
「ハロルド様ともあろうお方が愛称呼びを許可される事がその証拠ですわ。」
「それが証拠ね…愛称で呼ぶ事が俺とイオの仲を証明してるとは思わないか?」
「騙されているから愛称で呼んでいるのでしょう?」
「君は俺が簡単に騙される人間だと暗に言っているのかな?」
「ハロルド様ですら騙し操ることができるのがその女の恐ろしいところですわ!」
「はぁ。どうしてもイオを悪者にしたいらしいが、俺達の言っていることが本当なら悪者は君になるのは分かっているのか?」
「ですから私は悪くありません。その女が全ての諸悪の根源なのですから。」
「はぁ。君が最愛の人ならその人の心の声が聞こえない俺にとって君は本当に最愛の相手だったのだろうか?」
「ですからそれほどまでにその女が悪女なのですわ。」
「なら俺にとってイオは最愛の人と言う事だな。イオが悪女だったとしても俺はイオの声しか聞こえないのだから。実際にはイオは悪女でも何でもないけどな。」
「な…ハロルド様!私とハロルド様は…愛し合っておりました。その証拠に「俺の子供がいると言うのか?」
「ご存知でいらっしゃったのですね。」
「そこまでして嘘を吐くのはどういう理由だ?俺には理解できない…」
「シャーロット…」
「何よ!ネイオウミお前に用はないわ。話しかけないで!」
「シャーロット…子供に申し訳ないと思わないのですか?」
「はぁ?私に説教でもするつもり?本当に姉のつもりなの?私に酷いことをしてきたのに?」
「ハル様がシャーロットを愛して、お腹の子供も愛するなら良いと思うわ。」
「えっ?イオ?」
驚くハル様を無視して私は話し続けます。
「でもそうじゃなく子供を利用してハル様を思い通りにしようとするのなら…それは違うと思うわ。」
「うるさい!」
「シャーロット!?子供がいるってなんのこと?」
その声の主を見るとそこにいたのはキャサリンお義母様でした。
現実逃避とでもいうのでしょうか?
シャーロットの言ってる事を否定したくても私にはその術がありません。
こんなに大勢の人達にお会いすることも始めてなわけで…それに知っていただく必要もない気がしていて…でもここで否定しなければハル様やイザベルお義姉様は私に騙されるような人ということになるのでしょうか?
それはいけません。
やはり否定しなければ‼︎
でも、どうやって?
私はなす術なく混乱した頭で考えていました。
「俺が彼女に騙されているとどうして思う?」
「私を見て下さらないから。」
「それが証拠?」
「私の事を愛して下さっていましたよね?」
「君とは挨拶しかした事ないはずだけど?」
「それはその女に騙されていてそう思い込まされているからですわ。」
「話にならないな。」
「ハロルド様ともあろうお方が愛称呼びを許可される事がその証拠ですわ。」
「それが証拠ね…愛称で呼ぶ事が俺とイオの仲を証明してるとは思わないか?」
「騙されているから愛称で呼んでいるのでしょう?」
「君は俺が簡単に騙される人間だと暗に言っているのかな?」
「ハロルド様ですら騙し操ることができるのがその女の恐ろしいところですわ!」
「はぁ。どうしてもイオを悪者にしたいらしいが、俺達の言っていることが本当なら悪者は君になるのは分かっているのか?」
「ですから私は悪くありません。その女が全ての諸悪の根源なのですから。」
「はぁ。君が最愛の人ならその人の心の声が聞こえない俺にとって君は本当に最愛の相手だったのだろうか?」
「ですからそれほどまでにその女が悪女なのですわ。」
「なら俺にとってイオは最愛の人と言う事だな。イオが悪女だったとしても俺はイオの声しか聞こえないのだから。実際にはイオは悪女でも何でもないけどな。」
「な…ハロルド様!私とハロルド様は…愛し合っておりました。その証拠に「俺の子供がいると言うのか?」
「ご存知でいらっしゃったのですね。」
「そこまでして嘘を吐くのはどういう理由だ?俺には理解できない…」
「シャーロット…」
「何よ!ネイオウミお前に用はないわ。話しかけないで!」
「シャーロット…子供に申し訳ないと思わないのですか?」
「はぁ?私に説教でもするつもり?本当に姉のつもりなの?私に酷いことをしてきたのに?」
「ハル様がシャーロットを愛して、お腹の子供も愛するなら良いと思うわ。」
「えっ?イオ?」
驚くハル様を無視して私は話し続けます。
「でもそうじゃなく子供を利用してハル様を思い通りにしようとするのなら…それは違うと思うわ。」
「うるさい!」
「シャーロット!?子供がいるってなんのこと?」
その声の主を見るとそこにいたのはキャサリンお義母様でした。
0
お気に入りに追加
1,675
あなたにおすすめの小説
妊娠した愛妾の暗殺を疑われたのは、心優しき正妃様でした。〜さよなら陛下。貴方の事を愛していた私はもういないの〜
五月ふう
恋愛
「アリス……!!君がロゼッタの食事に毒を入れたんだろ……?自分の『正妃』としての地位がそんなに大切なのか?!」
今日は正妃アリスの誕生日を祝うパーティ。園庭には正妃の誕生日を祝うため、大勢の貴族たちが集まっている。主役である正妃アリスは自ら料理を作り、皆にふるまっていた。
「私は……ロゼッタの食事に毒を入れていないわ。」
アリスは毅然とした表情を浮かべて、はっきりとした口調で答えた。
銀色の髪に、透き通った緑の瞳を持つアリス。22歳を迎えたアリスは、多くの国民に慕われている。
「でもロゼッタが倒れたのは……君が作った料理を食べた直後だ!アリス……君は嫉妬に狂って、ロゼッタを傷つけたんだ‼僕の最愛の人を‼」
「まだ……毒を盛られたと決まったわけじゃないでしょう?ロゼッタが単に貧血で倒れた可能性もあるし……。」
突如倒れたロゼッタは医務室に運ばれ、現在看護を受けている。
「いや違う!それまで愛らしく微笑んでいたロゼッタが、突然血を吐いて倒れたんだぞ‼君が食事に何かを仕込んだんだ‼」
「落ち着いて……レオ……。」
「ロゼッタだけでなく、僕たちの子供まで亡き者にするつもりだったのだな‼」
愛人ロゼッタがレオナルドの子供を妊娠したとわかったのは、つい一週間前のことだ。ロゼッタは下級貴族の娘であり、本来ならばレオナルドと結ばれる身分ではなかった。
だが、正妃アリスには子供がいない。ロゼッタの存在はスウェルド王家にとって、重要なものとなっていた。国王レオナルドは、アリスのことを信じようとしない。
正妃の地位を剥奪され、牢屋に入れられることを予期したアリスはーーーー。
フルハピ☆悪女リスタート
茄珠みしろ
恋愛
国を襲う伝染病で幼くして母親を失い、父からも愛情を受けることが出来ず、再婚により新しくできた異母妹に全てを奪われたララスティは、20歳の誕生日のその日、婚約者のカイルに呼び出され婚約破棄を言い渡された。
失意の中家に帰れば父の命令で修道院に向かわされる。
しかし、その道程での事故によりララスティは母親が亡くなった直後の7歳児の時に回帰していた。
頭を整理するためと今後の活動のために母方の伯父の元に身を寄せ、前回の復讐と自分の行動によって結末が変わるのかを見届けたいという願いを叶えるためにララスティは計画を練る。
前回と同じように父親が爵位を継いで再婚すると、やはり異母妹のエミリアが家にやってきてララスティのものを奪っていくが、それはもうララスティの復讐計画の一つに過ぎない。
やってくる前に下ごしらえをしていたおかげか、前回とは違い「可哀相な元庶子の異母妹」はどこにもおらず、そこにいるのは「異母姉のものを奪う教養のない元庶子」だけ。
変わらないスケジュールの中で変わっていく人間模様。
またもやララスティの婚約者となったカイルは前回と同じようにエミリアを愛し「真実の愛」を貫くのだろうか?
そしてルドルフとの接触で判明したララスティですら知らなかった「その後」の真実も明かされ、物語はさらなる狂想へと進みだす。
味方のふりをした友人の仮面をかぶった悪女は物語の結末を待っている。
フ ル ハッピーエンディング
そういったのは だ ぁ れ ?
☆他サイトでも投稿してます
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
私はあなたの正妻にはなりません。どうぞ愛する人とお幸せに。
火野村志紀
恋愛
王家の血を引くラクール公爵家。両家の取り決めにより、男爵令嬢のアリシアは、ラクール公爵子息のダミアンと婚約した。
しかし、この国では一夫多妻制が認められている。ある伯爵令嬢に一目惚れしたダミアンは、彼女とも結婚すると言い出した。公爵の忠告に聞く耳を持たず、ダミアンは伯爵令嬢を正妻として迎える。そしてアリシアは、側室という扱いを受けることになった。
数年後、公爵が病で亡くなり、生前書き残していた遺言書が開封された。そこに書かれていたのは、ダミアンにとって信じられない内容だった。
聖女なので公爵子息と結婚しました。でも彼には好きな人がいるそうです。
MIRICO
恋愛
癒しの力を持つ聖女、エヴリーヌ。彼女は聖女の嫁ぎ制度により、公爵子息であるカリス・ヴォルテールに嫁ぐことになった。しかしカリスは、ブラシェーロ公爵子息に嫁ぐ聖女、アティを愛していたのだ。
カリスはエヴリーヌに二年後の離婚を願う。王の命令で結婚することになったが、愛する人がいるためエヴリーヌを幸せにできないからだ。
勝手に決められた結婚なのに、二年で離婚!?
アティを愛していても、他の公爵子息の妻となったアティと結婚するわけにもいかない。離婚した後は独身のまま、後継者も親戚の子に渡すことを辞さない。そんなカリスの切実な純情の前に、エヴリーヌは二年後の離婚を承諾した。
なんてやつ。そうは思ったけれど、カリスは心優しく、二年後の離婚が決まってもエヴリーヌを蔑ろにしない、誠実な男だった。
やめて、優しくしないで。私が好きになっちゃうから!!
ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
望まれない結婚〜相手は前妻を忘れられない初恋の人でした
結城芙由奈
恋愛
【忘れるな、憎い君と結婚するのは亡き妻の遺言だということを】
男爵家令嬢、ジェニファーは薄幸な少女だった。両親を早くに亡くし、意地悪な叔母と叔父に育てられた彼女には忘れられない初恋があった。それは少女時代、病弱な従姉妹の話し相手として滞在した避暑地で偶然出会った少年。年が近かった2人は頻繁に会っては楽しい日々を過ごしているうちに、ジェニファーは少年に好意を抱くようになっていった。
少年に恋したジェニファーは今の生活が長く続くことを祈った。
けれど従姉妹の体調が悪化し、遠くの病院に入院することになり、ジェニファーの役目は終わった。
少年に別れを告げる事もできずに、元の生活に戻ることになってしまったのだ。
それから十数年の時が流れ、音信不通になっていた従姉妹が自分の初恋の男性と結婚したことを知る。その事実にショックを受けたものの、ジェニファーは2人の結婚を心から祝うことにした。
その2年後、従姉妹は病で亡くなってしまう。それから1年の歳月が流れ、突然彼から求婚状が届けられた。ずっと彼のことが忘れられなかったジェニファーは、喜んで後妻に入ることにしたのだが……。
そこには残酷な現実が待っていた――
*他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる