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ネイオウミの母親 フレデリック王とロビンの会話

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「兄さん、イオに母親の事を話す気はないんですか?」

「何だ唐突に…」

「いえ…ただ私も亡くなる前にその存在を知っていたらイオに話してあげることが出来たのかなと思うこともありましてね。」

「パティが…パトリシア・バーナバス伯爵令嬢が私の妹であると今は知られるわけにはいかない。それは分かるだろう?」

「分かっていますよ。それからパトリシア・レナイト侯爵夫人ですよ兄さん。」

「分かっている。でもなニコラス・レナイトはパティの出自だって知らされていなかったんだぞ?挙句ネイオウミをあのような境遇下に長期間に渡り置いていたのだ…兄として思うことがあるんだよ…」

「そんな駄々をこねるみたいに言われても…それにイオを長期間に渡りあのような境遇下に置いていたのは兄さんも同じですよね?私はパトリシア侯爵夫人が自分の腹違いの姉だと言うことすら知らなかったのに…」

「言えるわけないだろう?ロビンは両親の事を慕っていたのに…そんなお前に親父には母親とは別に寵愛している女性がいる。その女性が産んだ子供が親父は可愛いんだとよ。なんて8歳も年下のロビンに説明できる程、俺は冷たくないよ。」

「確かに幼い頃の私はそうでしたが、両親が政略結婚だと分かってからそうでもなかったでしょう?なのに亡くなるまで知らせてもらえないなんて…」

「何度も言うが母親が王妃になるために選ばれたとしても寵愛を受けている女性が他にいる事をあの狸親父達に知られたらその女性が利用されかねないだろう?それを危惧して母さんがお前にも言わないように言ったんだよ。パティの母親の実家は爵位が低かったからな。」

「だから親父の忠実な家臣であるバーナバス伯爵と結婚させた?」

「そんな言い方するな。それじゃあ厄介払いするために仕組んだみたいだろう?実際は親父に迷惑をかける前に…母さんに遠慮して身を引いていなくなろうとしていたその女性を引き止めるためにとった手段なんだから。母さんはその女性を大事にしていたよ。」

「その話も何度も聞きましたよ。でも私は姉さんが亡くなって暫くしてから聞かされたんです。嫌味の一つも言いたくなりますよ。」

「そうだな。悪かった。お前にとっても姉さんだったのに知らせないで。」

「そうですよ。だからイオに私がイオの叔父だと教えたいんで早く伝えないんですか?っていう話です。」

「ダメだ今は話せない。俺だってネイオウミの伯父だと話したいんだ。ロビン以上にパティの事を話してやりたいさ。でもどこからこの話が漏れるか分からない。ハル達にも王家の血筋としか話していないんだろう?本当は従兄妹なのにな。」

「それもですよ。ハル達にも本当の事を伝えないと。」

「大丈夫だ。早ければ次の夜会にでもネイオウミの出自を言う事になるかもしれないだろう?あいつらの鼻を明かすついでに、ハルやネイオウミに本当の事を知らせるのが俺は楽しみだ。」

「はぁ。ただ兄さんが楽しみたいだけなんじゃないですか…」

「その後はゆっくり話しやりたいなパティのことを…」

「その時は私も一緒に話を聞きますよ。それよりもヴィッキーが言ってましたがイオの夜会の時の姿に驚くそうですよ。」

「ほぉそれは楽しみだな。」

「ハルとダニーはイオを見て見惚れていたそうですからね。」

「ははっ!そうか、そうか。それは本当に楽しみだな!」
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