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約束について エドの考え

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正直に言って驚いたの一言だった。
自室に戻り今日のことを思い出していた。
イザベル嬢と父親は同じなんだからイオだって綺麗になれるとは思っていた。
でも予想よりも遥かに綺麗になっていた。
俺はイザベル嬢が好きだから綺麗になったなって思うだけだけどハルとダニーは相当衝撃が大きかった様でイオを見て固まっていた。
ハルは綺麗だと本人の目の前で言うほどで、ダニーはそれを聞き頷くばかりだった。
イオはハルの言葉に顔を真っ赤にしていた。
イザベル嬢を見たら俺も綺麗だと思い2人のように固まってしまうのだろうか?
そう思うと本当に辛いな…
俺は今回の夜会はイザベル嬢とは何の関係もないのだ。
彼女の隣にはシオドア・ラグデルが立つ…俺は2人を見ているだけ。
もし、彼女がシオドアと婚約破棄もしくは婚約解消できなかった場合には彼女はシオドアの妻になるのだろうか?
そんな事を考えてしまう俺は彼女の気持ちを疑っていると思われるだろうか?
彼女の気持ちは疑っていない。
疑っていなくても可能性があるのではないかと思ってしまうのは止めようと思って止められるものではない。
心の奥底にある疑心がそうさせているのか…俺が自分に自信がないのか…それとも社交界が予想だにしない事が起きる場所だからだろうか?
どちらにせよ不安が日に日に大きくなっているのは間違いない。
あの日に会えたきり彼女とは連絡も取る事は許されていない。
彼女に不貞行為をした女性というレッテルを貼らせないためだ。
俺達はお互いに好きだと思っているだけで、そこに2人を表す関係は何もない。
イオもイオで厄介なのに姉も姉で厄介なんてな。
自嘲気味な笑みが溢れてしまう。
イオの約束もな…ハルがイオを好きになった時点で破られているんだよな。
イオがその事実を知らないだけでな。
愛さないだっけ?いや違うな…好きにならない?あれ?俺なんて言ったんだっけ?
確か…

『分かった。とりあえず伯父が諦めるまでこの話は進めよう。だが俺はピヨ…貴女を妻にする事はない。だから私の事は選ばないと約束してくれ。』

選ばないと約束…それは好きになっても良いけど伴侶としては選ばないってことか?
俺はイザベル嬢が好きだったからそこん所の細かいことはあんまり考えずに発言しちまったからな…
イオとの約束…選ばないっていうのは伴侶としてイオが選ばなければ良いんだろうか?
ハルはその辺どう考えているんだろうか?
ダニーは別に約束は破って良いって思っている節があるからな…
今度ハルにどうするつもりか確認しておくか!
俺もイザベル嬢がシオドアの婚約者を辞められなかった時の事を真剣に考えておかなくちゃいけないな。
考えることが苦手な俺でもこれだけは真剣に考えなきゃな!
星空が綺麗な夜空を見ながらイザベル嬢を思い考えを巡らせていた。
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